以下の資料から関連情報を確認しました。
・『野州流派剣術の研究』(植田俊夫/著、発行 1991)
「第一章 野州の特徴と剣術の概要 二 流派にみる剣術の概要」に「(二)諸藩の剣術」の項があります。(p.10-12)
本文及び「表2 野州諸藩における剣術流派」(p.11)で、茂木藩に「心形刀流」を学んだ横地勝之助という藩士がいたことが記されています。
また、「(三)剣術流派分布」の「表4 各英名録にみる野州地区別剣術流派分布図(幕末から明治)」が掲載されており、市町村別に心形刀流の剣客の数がまとめられています。
このほか、巻末には「野州剣客姓名録編」があり、江戸期から昭和初期の栃木県に関係した各流派の剣客が氏名の五十音順で記載されています。(p.173-204)
この資料は、参考文献、出典資料も多数紹介されています。
・『栃木県教育史 1巻』(栃木県教育史編纂会/編 栃木県連合教育会 1957)【館内】
前出『野州流派剣術の研究』で参考文献として紹介されていたものです。
p.246-250 「第六節 茂木藩 弘道館」の項に「心形刀流」、「横地勝之助」の記述があります。
なお、以下の資料でも「心形刀流」に関する記述はありますが、いずれも「栃木県教育史 1巻」を出典とする記述です。
・『栃木県剣道史』(植田俊夫/著・発行 1980)
p.154-155に「下野においては茂木藩の弘道館(寛政六年設置)で教授されていた。」
との記述があり、流派の剣客として横地勝之助という人物が挙げられています。
・『藩史大事典 第2巻(関東編) 』(木村礎〔ほか〕/編 雄山閣出版 1989)
p.200-202 「下野国(栃木県)の諸藩 茂木藩」「藩史略年表」の項に 「1794年1月藩校弘道館創設」と記載があります。
p.206 「下野国(栃木県)の諸藩 茂木藩」「藩校」「沿革」の項に 弘道館設立した人物として「藩主 細川興徳」と記載があります。
p.129-245「下野国(栃木県)の諸藩」の茂木藩以外の藩について、「藩の武術」、「藩校」の項をお調べしましたが、「心形刀流」の記載は確認できませんでした。
このほか、以下にも情報を確認しました。
・『栃木縣史 第14巻(文化編) 』(田代善吉/著 臨川書店 1972)
下野史談会昭和14年 下野史談会発行の複製です。
p.371-381 「第三十二章 剣術」の項に 学校教育の体操の一科として主な流派の一つに「心形刀流」が記載されています。
・『幕末関東剣術英名録の研究』(渡辺一郎/著 渡辺書店 1967)【館内】
p.14-16 「第二節 関東諸藩における学制改革と新流」に「関東諸藩における武術諸流派一覧」があります。栃木県からは、宇都宮藩、佐野藩、壬生藩、茂木藩、黒羽藩が掲載されていますが、心形刀流とあるのは茂木藩のみです。
後半は「資料編」として、「万延元年 武術(剣道)英名録」「明治二十一年 皇国武術英名録」の翻刻が収録されています。心形刀流の剣士も掲載されている可能性があります。
・『百錬』(喜連川町剣道教室/編、発行 1996)
p.12-13に、弘武館という、旧喜連川町にあった剣道教室についての記述があります。
心形刀流を学んだ「阿久津信一郎」氏が、弘武館を立ち上げ、指導したことが書かれています。また、p.15には弘武館の写真が掲載されています。
・『喜連川町誌』(喜連川町誌編さん委員会/編、発行 喜連川町 1977)
p.621「第四編 人物 第七節 その他」に「阿久津信一郎」の項があります。
以下はお調べしましたが、関連の記述を確認できませんでした。
・『茂木町史 第5巻 通史編1』(茂木町史編さん委員会/編 茂木町 2001)
・『茂木町史資料 第5集』(茂木町史編さん委員会/編 茂木町 1997)
・『茂木の歴史』(大木茂/著 茂木町 1980)
・『図説 茂木の歴史 町村合併40周年記念』(茂木町史編さん委員会/編 茂木町 1994)
・『東照宮武徳祭と日光剣道大会五十年の記録』(日光東照宮/編、発行 2002)
・『足利藩史料調査報告集 第5巻』(足利藩研究会/編 足利藩研究会 2000)