①『石仏・石の神を旅する 楽学ブックス 古寺巡礼 18』の「Part2全国津々浦々にある石の神仏像と磨崖仏」の章では、京都の「金戒光明寺の五劫思惟阿弥陀如来」が紹介されており、カラー写真が掲載されている。「仏像好きの間では、「アフロ仏」とも呼ばれている」と記述されているが、その中で「五劫という人智でははかり知れないほど長い時間(中略)考えられた。その間、髪の毛が伸びて、このようなヘアスタイルになったということだ。」として、「五劫」に関する記述と特徴的な髪型の理由が記されている。また、「『劫』はインド哲学における宇宙的に長い時間の単位で、5劫はその5倍」という注も付されている。
②『遙かな巨大仏 西日本の大仏たち Kan Kan Trip Japan 6』には「近畿」の章に「コラム13 愛らしいアフロ仏さま 五劫思惟阿弥陀仏」があり、京都の金戒光明寺が所蔵している仏像のカラー写真が掲載されている。「五劫」に関しては、「天女が3年に一度舞い降りて衣が岩を撫でるのを繰り返し、岩がなくなるまでの時間が『一劫』だという説があります。『五劫』とはその5倍、もはや永遠と思える長い年月のこと。」と記されている。また、①の資料と同様に「アフロ仏」と言われる理由についても紹介されている。
③『日本の石仏 4 近畿編』には「京都の石仏」の章に「102金戒光明寺五劫思惟弥陀石仏」のモノクロの写真が掲載されている。江戸中期のものとあり、「手足も衣の下にかくし、丁重に刻んだ螺髪の冠をかぶった姿(中略)伏目がちで豊頬な面立ち」と解説されているが、「五劫」に関する記述はない。
④『目の眼』518号には「特集 Special Feature 尾道仏像の旅 聖徳太子と観音信仰の港町」の中に「尾道の仏像を調べて20年そして未来へ」という記事があり、「◎持光寺 木造五劫思惟阿弥陀如来坐像」が取り上げられている。カラー写真が掲載されており、「五劫という長い時間(諸説あるが、一辺四十里の石を天女が3年あるいは100年に一度払拭して、(中略)非常に長い時間のことをいう)、阿弥陀仏が(中略)理髪しなかったために長大な頭髪になっていることで示す像容です。」と記されている。本誌には「古刹まいり」という記事もあり、その中でも「持光寺 普賢延命と五劫思惟への願いの寺」と題して、前述の記事とは違う角度で写した「木造五劫思惟阿弥陀如来坐像」のカラー写真と、簡単な解説が掲載されている。
⑤Webサイト「広報おのみち 平成26年1月号」では「知っておきたい尾道の文化財24 【新指定の文化財】」に「尾道市重要文化財 木造五劫思惟阿弥陀如来坐像」が紹介されており、モノクロの写真が掲載されている。「五劫思惟(ごこうしゆい)とは、五劫という長い時間、思惟にふけり、理髪をしなかったためにこのような長大な頭髪になっていることを特徴とします。」と解説されている。
⑥Webサイト 「広島県の文化財-木造五劫思惟阿弥陀如来坐像」にもカラー写真が掲載されており、「五劫思惟阿弥陀如来像は,五劫という長い時間思惟にふけり,理髪をしなかったために長大な頭髪となったことを表す大きく膨らんだ頭部が特徴である。」と解説されている。