レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年07月10日
- 登録日時
- 2023/08/23 17:47
- 更新日時
- 2024/03/21 17:02
- 管理番号
- 吹-70-2023-001
- 質問
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解決
1976年国鉄(こくてつ)カレンダー6月のページに掲載されていた、ラベンダー畑の写真が見たい。また、その場所が知りたい。
- 回答
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・ラベンダー畑の写真は以下に掲載されていた。
(1)『富良野ラベンダー物語』(岡崎英生/著 遊人工房 2013.7)p181
(2)『芳香の大地 ラベンダーと北海道』(岡崎英生/執筆・編集 ラベンダークラブ 2012.7)p34~p35
・ラベンダー畑の場所は、北海道中富良野町(なかふらのちょう)にあるファーム富田(とみた)(最終確認2023.9.13)。
以下は、ファーム富田の創始者・富田忠雄(とみた ただお)の著書で、ラベンダー畑が日本人に知れ渡るまでの努力と苦労が書かれている。国鉄カレンダーについては以下ページに記載あり。
(3)『わたしのラベンダー物語』(富田忠雄/著 新潮社 2002.6)p35
- 回答プロセス
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質問者によると、「奥に山が連なっており、手前にラベンダー畑が広がるカラー写真で、カメラマンは前田真三(まえだ しんぞう)という人だったと思う」とのことだった。以前何かの写真展で見かけ、また見たくなったとのこと。
まず、当館の検索機にて「前田真三」と検索すると、写真集が何点か当館にあることがわかり、実際に見てみたが、いずれの資料にも1976年より前に撮られたラベンダー畑の写真は掲載されていなかった。
次に、「前田真三」でインターネット検索すると、前田真三写真ギャラリー拓真館(たくしんかん)(最終確認2023.9.13)という施設が北海道上川郡美瑛町(かみかわぐんびえいちょう)にあることがわかった。ホームページの問い合わせフォームから当該写真が収録されている資料はあるかを伺うと、数日後、(1)(2)の資料を紹介いただいた。
当館では所蔵がなかったので、(1)を大阪府立中央図書館、(2)を滋賀県立図書館から借り受け、中身を確認すると、それぞれ当該のページに当該写真が掲載されていた。
(1)には白黒写真が載っており、「1976年版国鉄カレンダーに掲載された前田真三の写真。この写真がラベンダー復活再生の大きなきっかけとなった。」という説明文があった。(2)には2ページにわたって、カラー写真が載っており、「1976年版の国鉄カレンダー「6月」に載った前田真三氏の写真。ラベンダーブームを巻き起こすきっかけとなった。(撮影は1972年7月上富良野江花(かみふらのえはな)にて)」という説明文があった。インターネットにて、「上富良野江花」と検索すると、北海道の地名ということがわかった。
より詳細な場所を特定するために、インターネットにて、「「国鉄カレンダー」「1976」「北海道」という3つのキーワードを組み合わせて検索したところ、北海道中富良野町(なかふらのちょう)公式ホームページ>中富良野町の紹介(最終確認2023.9.13)というページの中に、「ファーム富田」の以下の記述があった。
「ラベンダー観光発祥の“トラディショナルラベンダー畑”は、ラベンダー観光の歴史そのものです。昭和51年(1976年)に、旧国鉄のカレンダーで紹介され、全国的に一躍有名になりました。」
これにより、国鉄カレンダーのラベンダー畑は、「ファーム富田」のものではないかと推測できたので、インターネットにて「ファーム富田」と検索すると、ファーム富田オフィシャルサイト>ファーム富田資料館(とみたしりょうかん)(最終確認2023.9.13)というページに、ファーム富田の歴史が年表形式で掲載されていた。その中に、「1枚のカレンダーがラベンダー畑の美しさを全国へ」というタイトルで、以下の記述があった。
「1976年(昭和51年) ラベンダー畑が国鉄のカレンダーにより全国に紹介されて次第に観光客が訪れ始める」
これらのインターネット上の記事により、ラベンダー畑の写真は、北海道中富良野町にある「ファーム富田」のもので、この国鉄カレンダーによって有名になったということがわかった。
なお、「ファーム富田」に関する資料がないかと、当館のハーブ(NDC617.6)の書架をブラウジングしたところ、(3)を見つけた。「ファーム富田」の経営者であった富田忠雄(とみた ただお)が書いた資料で、ラベンダー畑が日本人に知れ渡るまでの努力と苦労が書かれていた。国鉄カレンダーについても「1975年(昭和50)年6月[原文ママ]、当時の「国鉄カレンダー」に、残雪をいただいた十勝岳連峰(とかちだけれんぽう)をバックにした私のラベンダー畑が写真で紹介されていたのです。それを見てラベンダーの存在を知ったプロ、アマのカメラマンたちが全国からやってきたのです。」という記述があり、当時の国鉄カレンダーの影響力の強さが伺い知れた。
以上、(1)(2)(3)の資料を利用者に提供した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 工芸作物 (617 10版)
- 写真集 (748 10版)
- 参考資料
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岡崎英生 著 , 岡崎, 英生, 1943-. 富良野ラベンダー物語. 遊人工房, 2013.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024642478-00 , ISBN 9784903434605 -
ラベンダークラブ. 芳香の大地 : ラベンダーと北海道. ラベンダークラブ, 2012.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023826031-00 , ISBN 9784903434483 -
富田忠雄 著 , 富田, 忠雄, 1932-2015. わたしのラベンダー物語. 新潮社, 2002. (新潮文庫)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003654563-00 , ISBN 4101297312
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岡崎英生 著 , 岡崎, 英生, 1943-. 富良野ラベンダー物語. 遊人工房, 2013.
- キーワード
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- 国鉄カレンダー
- 国鉄
- ラベンダー畑
- 北海道
- 中富良野町
- 前田真三
- ファーム富田
- 美瑛町
- 拓真館
- 富田忠雄
- 照会先
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- 前田真三写真ギャラリー拓真館(https://www.takushinkan.shop/)
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000337509