1.音楽事典類の確認
下記の事典類に「コプラ」の項目はあったが、いずれにも譜例はなかった。
・『ニューグローヴ世界音楽大事典』・・・「スペイン系文化に起源を持つ韻文詩の形式で、通常歌に用いられる。8音節詩、または6音節詩あるいは5音節詩のいずれかで4行から成り、一般にabcbの韻を踏む。・・・」
・『音楽大事典』(平凡社)・・・「スペインおよびラテン・アメリカで歌われるスペイン語の詩型。・・・通常、各行が8音節から成り(5ないし6音節のこともある)、4行で完結した1節を作る。・・・アンダルシアの民謡の多くや、コロンビアのラハレーニャ、・・・の歌詞はコプラである。」
・『ラルース世界音楽事典』・・・「ビリャンシーコにおいて、各詩節の後にリフレーン、つまり<エストリビーリョ estribillo>を伴ったさまざまな曲を示す用語。コプラは詩型を意味するばかりではなく、特にアンダルシア地方で非常に昔からよく用いられていた民謡のこともいう。・・・」
2.Grove Music Online (Oxford Music Online)にも項目「copla」はあるが、譜例はない。
3.民族音楽の事典には項目がなかった。
4.音楽以外の事典の確認
『スペイン・ポルトガルを知る事典』の巻末索引に「コプラ」があった。本文「民俗音楽」で、「コプラと呼ばれる短詩(標準型は各8音節の4行)」との説明がある。
5.OPACをキーワード「copla」で検索。
ピアノ伴奏の歌集の楽譜1点ヒット。『Spanische Volkslieder』
その中の1曲、曲名は「Nana (copla de cuna) : Wiegenlied」で、原曲はアンダルシア地方の子守唄。7節目以外はFr.R.Marinの "Cantos pop. espanoles" から取ったことが注に書かれている。歌詞が全部で9節記載されており、1節が4行からなっている。
6.OPACを図書の分類「音楽史. 各国の音楽. 音楽家>ヨーロッパ>スペイン(イスパニア). イベリア半島, 南欧」で検索。下記の関連図書を所蔵している。
・『フラメンコ読本』・・・巻末に「フラメンコ辞典」があり、「コプラ」の項目があったが、簡単な説明。譜例はない。
・『フラメンコの歴史』・・・p.147-150 「シギリーヤ」の説明の中で、「カンテ・フラメンコに最も普通な詩形は、スペインのあらゆる地方の民謡にみられるのと同様、八音節四行からなるコプラ(短詩)、すなわちクァルテータ(四行詩)である。・・・フラメンコでは、セギディーリャのうち4行のシンプルな形が「カンテ・デ・トリーリャ(麦こき歌)」や「ナーナ(子守歌)」その他にみられ、・・・」として、詩の例が取り上げられ、具体的な説明がある。譜例はない。
7.再度、OPACを検索。キーワード「シギリーヤス」「seguiriya*」「セギディーリャ」「seguidilla*」。また、件名「民族音楽 スペイン」でも検索。
「Cante Flamenco」のCDがヒットしたが、そのうち歌詞のあるものが2点、「seguiriya」が歌われており、附属の解説には歌詞が掲載されている。
8.『ニューグローヴ世界音楽大事典』の下記の項目を確認した。
「スペイン」の項目の「II.民族音楽 4.歌詞」に、詩について記載あり。譜例はない。