レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/10/31
- 登録日時
- 2020/12/12 00:30
- 更新日時
- 2020/12/12 00:30
- 管理番号
- 6001046891
- 質問
-
解決
日本語の音名「ハニホヘトイロ」と「ドレミファソラシ」がどう違うのか知りたい。
- 回答
-
「音名」と「階名」の違いです。
<音名>
・『音楽大事典 1 ア~オ』(平凡社 1981.10)p.490-492
「音組織に属する各音の音高に対する固有名のこと。(中略)一定の音高の表示をたてまえとしており、音律と標準音が厳密に定められている限りにおいては、一定周波数の音と対応する。」
・『標準音楽辞典 ア-テ』(音楽之友社 2008.3)p.361-363
「ある音組織を成立させる音のひとつひとつを、それぞれの音高によって区別し決定した音の固有名のこと。」
両書とも、英米ではCDEFGAB、ドイツではCDEFGAH、イタリアではdo,re,mi,fa,sol,la,si、日本ではハニホヘトイロと書かれています。
<階名>
・『音楽大事典 2 カ~サ』(平凡社 1982.1)p.502-503
「音階角度の呼名のこと。(中略)音名が音高を表示するものであるのに対して、階名の場合は音高にはかかわりなく、音階のどの段階にあるかという音の相対的な高さを示す。」
・『標準音楽辞典 ア-テ』(音楽之友社 2008.3)p.368-369
「音階角度のよび名をいう。もっとも一般的に用いられている〈ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ〉という音階は、11世紀前半にグイード・ダレッツォによって考え出された階名にもとづいたものである。」
以上のように、音名と階名は明確に区別するものであり、音名に「ハニホヘトイロ」、階名には「ドレミファソラシ」と区別して使用すべきものですが、日本では音名、階名とも「ドレミ」が用いられており(「固定ド」と「移動ド」の併用)、明確な区別をした音楽教育がなされていないために混乱が起きています。
この点については、次の本が、「移動ド」支持の立場から詳しく記載されています。
・『退け、暗き影「固定ド」よ!:ソルミゼーション研究』(東川清一/著 音楽之友社 1983.6)
[事例作成日:2020月10月31日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 音楽 (760 10版)
- 参考資料
-
- 音楽大事典 1 平凡社 1981.10 (490-492)
- 音楽大事典 2 平凡社 1982.1 (502-503)
- 標準音楽辞典 ア-テ 新訂第2版 音楽之友社 2008.3 (361-363、368-369)
- 退け、暗き影「固定ド」よ! 東川/清一∥著 音楽之友社 1983.6 (5-9、249-254)
- キーワード
-
- 音名(オンメイ)
- 階名(カイメイ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000290566