レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年11月03日
- 登録日時
- 2010/11/03 11:19
- 更新日時
- 2013/01/27 09:19
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 京都市中央2009-032
- 質問
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解決
ちゃかぶき(茶カブキ,茶香服,茶歌舞伎)について知りたい。一般の人が遊べるような形式を探している。
- 回答
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「茶かぶき」とは,名を伏せていれたお茶の種類や産地を当てる,お茶の飲み当て遊び。「茶歌舞伎」「茶香服」という字も当て,別名「闘茶」ともいう。
「闘茶」は鎌倉時代末期に宋からもたらされたとされ,南北朝から室町時代中期にかけて,武家や公家,僧侶の間で流行。京都の栂尾(とがのお)産のお茶を本茶(ほんちゃ),それ以外の産地のお茶を非茶(ひちゃ)とし,茶の「本・非」を飲み当てることを競った。これが普及するにつれ勝負に豪華な賞品が賭けられるようになり,足利幕府は禁止令を出すに至った。この闘茶が茶かぶきのルーツとされる。
現在は玉露や煎茶を用いた「闘茶会」「茶かぶき」が各地の茶の行事のイベントなどで開かれている。
◎煎茶,玉露を用いる一般的なやり方
『知識ゼロからの日本茶入門』(山上 昌弘/監修 幻冬舎)
p123[利き茶で真剣勝負!「闘茶」]
やり方の手順が具体的。カラー図,写真あり。
『宇治茶大好き!(改訂版)』(京都府茶協同組合)
p21~22[お茶のみコンクール 茶かぶき]
やり方,得点表の図など,児童にもわかりやすい説明あり。
発行元である京都府茶協同組合のホームページ「お茶あれこれ・お茶のまめ知識」INDEXに「茶かぶきって何?」という項目があり,茶かぶきについてわかりやすい説明が載っている。また,この資料の全文が掲載されている。http://www.kyocha.or.jp/index.html(2010年11月25日確認)
『手づくりのお茶を楽しむ』(山背古道お茶探検隊/編 文葉社)
p119~123[茶かぶきで遊んでみよう]
やり方の手順が簡潔に説明されている。白黒だが場の雰囲気がわかる写真あり。
『宇治茶いい味いい香り』(竹村 嘉平/著 草思社)
p25~29[茶香服というお茶当ての遊び]
聞き書きの中に「丁稚のときにようやりました」と,流れについて語られている。
『茶壺に追われて ほっこり宇治茶のこぼればなし』(小山 茂樹/著 淡交社)
p50~53
「茶道七事式のひとつにある『茶カブキ』のように抹茶を用いて行うのが本来の姿ですが,一般には煎茶や玉露を用います。…現在ごく一般的に行われている方法は『五種五煎法』といって,五種類の茶を飲み当て,これを五回繰り返すことによって合計二十五点満点を競うものです。」
宇治と静岡の用いる茶の種類の違い,茶につける符牒の違いなどの記述あり。
この遊びの呼び方については「『きき茶』という呼び方はきき酒からきたもの。『お茶のみコンクール』とは誰にでも分かるようにと苦肉の命名。」とある。
『宇治市史 2(中世の歴史と景観)』(林屋 辰三郎/編集責任 宇治市役所)
p220~222[闘茶の流行]
「毎年十月に行われる宇治の茶まつりの行事のひとつに「茶香服」というのがある。…玉露や煎茶をとりまぜ,それぞれ花・鳥・風・月・客,または風・月・雲・草・鶴などの銘をつけ,名をふせておいて一種づつ飲んでは札を入れてゆく。…」
- 回答プロセス
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1.辞典類で調べるが,次のような記述のみで, 簡単なやり方の説明は見あたらなかった。
『角川茶道大事典 本編」(林屋 辰三郎/[ほか]編集 角川書店 1990)
p871[茶カブキ]
「七事式の一。茶の品質を飲み分ける式。…南北朝時代から武士たちが戦陣の合間に闘茶と称し,茶の品質を飲みわ分けその正否でもって物品を賭けることが流行した。…如心斎宗左(じょしんさいそうさ)又玄斎宗室(ゆうげんさいそうしつ)が七事式創案に際して,茶人の修練を目標として,茶の品質をきき分ける茶カブキの式を考案した。…」
2.チャカブキ・シチジシキで自館コンピュータ検索をすると,以下のような本式のものがヒット。 (七事式[抹茶‐濃茶]=本式のやり方)
『七事式<表千家流>茶カブキ数茶一二三』(堀内 宗心/指導 世界文化社)
『七事式の手引き 諸道具の装備と扱い』 (淡交社編集局/編 淡交社)
『裏千家茶道教科 16(七事式)』(千 宗室/著 淡交社)
『千家七事式(改訂)』(吉田 堯文/著 河原書店)
質問者にご覧いただくが,もっと気軽にできるやり方がよいとのこと。
3.
『日本茶のすべてがわかる本 日本茶検定公式テキスト」 (日本茶検定委員会/監修 日本茶インストラクター協会)
p185のコラム[お茶の世界の「聞き茶」競技]
「…現在は,各地のお茶の行事において,玉露や煎茶などを使った”闘茶会”がよく開催されています。」 とあり。
『緑茶の事典 改訂3版」(高野 實/[ほか]執筆 柴田書店)
p196[闘茶]にも上記と同様の記述あり。
4.NDC617,619の緑茶関係の資料をみていくと,煎茶を使った簡単なやり方が載っていた。宇治茶の資料に記載があったので宇治関係の資料にあたる。正式な煎茶道の資料には記述は見当たらなかった。
5.Googleを使い,キーワード[茶かぶき]で検索。京都府茶協同組合ホームページに「茶かぶきって何?」というわかりやすい説明が掲載されていた。
以下,追記
雑誌『(月刊)京都 2010年10月号』(白川書院)…特集[今,知りたい煎茶の世界]
巻頭カラー頁[小川流煎茶席 秋のしつらえ]
「風雅な遊び 競茶(きょうちゃ)の楽しみ」として以下の記述あり。競茶の流れが載っているが,書かれているように茶かぶきとはまた別のもののようである。
「―古典的な本格手前で競い合う闘茶とは別に,小川流には競茶と呼ばれる風雅な遊びがある。…この時,基本のいれ方に捻りを加えるあらゆる手段が許される。たとえば普段ではありえない,玉露に熱湯を注ぐ,番茶に湯冷ましや水を用いる,茶瓶を火にかける,など。…」
- 事前調査事項
- NDC
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- 工芸作物 (617 9版)
- 農産物製造.加工 (619 9版)
- 茶道 (791 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 茶かぶき
- きき茶
- 七事式
- 闘茶
- 茶道
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000073131