レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/7/22
- 登録日時
- 2022/12/14 00:31
- 更新日時
- 2024/03/30 00:42
- 管理番号
- M22062209336719
- 質問
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防蛾灯は、どのような種類の蛾に効果があるのか。黄色防蛾灯と緑色防蛾灯の違いについても知りたい。
- 回答
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①『最新農業技術辞典』によれば、「黄色蛍光灯」の項目で「バスモンヨトウ、オオタバコガなどの夜行性蛾類(夜蛾類)は農薬による防除が困難であるが、黄色蛍光灯はこれらの害虫の被害回避に有効である。夜蛾の複眼は昼間の環境下では明適応、夜間は暗適応しており、圃場への飛来、吸汁、産卵行動は暗適応したときに起き、明適応状態では活動が鈍る、という行動習性を利用した技術である。黄色蛍光灯は、夜蛾類の忌避に最も有効とされる570nmに中心波長があるため、肉眼では黄色に見える。1lux程度の明るさで防除効果があるが、1~10lux程度の光強度でも日長条件に影響するため、作物によっては注意が必要である。(中略)農薬を使用しない環境にやさしい防除法であり、以前からモモ、ナシなどの果樹栽培で果実吸蛾類の被害防止に使われてきたが、近年は多くの野菜・花きの施設栽培でも普及している。」と書かれている。
「果実吸蛾類」を見ると「さまざまな果実に口器を差し込んで果汁を吸汁する蛾類の総称。多くの種はチョウ目ヤガ科に属することと、その加害活動が主に夜間に限られることが特徴である。直接健全な果実に口器を差し込んで果汁を吸汁する一次加害種と、他の病害虫や機械的障害などによって傷つき軟化や腐敗した果実を主に加害する二次加害種に大別できる。一次加害種として、アカエグリバ、アケビコノハ、ヒメエグリバ、オオエグリバなど11種が、二次加害種としては、アカキリバ、アシブトクチバ、クロモンシタバ、ムクゲコノハ、フクラスズメなど十数種あげられている。(以下省略。)」と書かれている。
②『蛾の生態標本図鑑』のヤガ科で上記の蛾の写真、大きさ、分布、特徴などが記載されている。
③『最新農業ビジネスがよ~くわかる本』の「光の力で病害虫を防除」という項目で、夜間の光照射が生長に悪影響を及ぼす短日性・長日性の植物にとっては黄色光は不向きであること、緑色防蛾灯は一定の波長の光を大幅カットしてあり、光の影響を特に受けやすいイチゴやキクの施設栽培で用いられることが記述されている。
④『電照栽培の基礎と実践』第2章施設園芸作物の生産における光利用 8防蛾灯「イエロー/グリーンガード」の事例の中で、実験結果に基づきながら緑色防蛾灯が作物への光影響を低減できることが示されている。
⑤~⑧『現代農業』に防蛾灯の活用事例に関する記事が掲載されている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 花卉園芸[草花] (627 9版)
- 参考資料
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①農業・生物系特定産業技術研究機構『最新農業技術事典』 農山漁村文化協会,2006,2003p. 参照はp.185-186,247-248.
②今井 初太郎『蛾の生態標本図鑑』 メイツユニバーサルコンテンツ,2020,207p. 参照はp.131-194.
③橋本 哲弥『最新農業ビジネスがよ?くわかる本』 秀和システム,2010,207p. 参照はp.116-117.
④久松 完『電照栽培の基礎と実践』 誠文堂新光社,2014,239p. 参照はp.151-158.
⑤「光で虫を幻惑する」『現代農業』第86巻第6号,2007.6,p.146-155.
⑥「農薬代を安くする技 光防除」『現代農業』第88巻第6号,2009.6,p.158-171.
⑦「防除に役立つ機械・道具」『現代農業』第93巻第6号,2014.6,p.266-269.
⑧「光の色で多彩に防除」『現代農業』第97巻第6号,2018.6,p.128-137.
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①農業・生物系特定産業技術研究機構『最新農業技術事典』 農山漁村文化協会,2006,2003p. 参照はp.185-186,247-248.
- キーワード
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- 防蛾灯 害虫防除 夜蛾
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2022062209363936719
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000325667