レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年6月1日
- 登録日時
- 2013/08/12 10:56
- 更新日時
- 2013/12/14 09:56
- 管理番号
- 名古屋市鶴-2013-008
- 質問
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解決
昔、名古屋市にある鶴舞公園に金閣寺があったという話を聞いたんだけど、本当ですか?
- 回答
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現在の鶴舞公園の敷地内で、明治43(1910)年に「第十回関西府県連合共進会」が開催され、その際以下の2つの建築物が“金閣寺を模し”て造られました。
(1)「聞天閣」(もんてんかく)という迎賓用の建築物(別名・貴賓館)・・・会場東方丘陵上の一角に建ち、“青銅製鳳凰が屋根の中央に翔立する、金閣寺をそっくり模した”建物で、“広さ501.2平方メートルのこけら葺純日本建築”でした。昭和20年3月19日に焼失しました。
(2)キリンビールのビヤホール・・・麒麟麦酒株式会社によって会場内の胡蝶池に造られた建物で、『日本のビール』によると“金閣寺を模した池亭をつくって、その中にぼんぼりを灯して、即席ビアボールを設けた。先ごろの万国博のパビリオンを思わせるような着想である”とあります。
- 回答プロセス
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まず、『新修名古屋市史』で鶴舞公園の項目を確認しました。すると、明治43(1910)年に現在の鶴舞公園の敷地内で博覧会「第十回関西府県連合共進会」が開催されたことが分かりました。
そこで、会場全体を俯瞰した図である『第十回関西府県聯合共進会全図』を見てみると、会場の中にお寺のように見える建物が2つ見つかりました。それぞれ「貴賓館」「キリンビール」と書いてあります。
次にそれぞれの建物の写真や解説を探しました。すると下記の資料に記載があり、2つとも金閣寺を模して建てられたものと分かりました。
(1)聞天閣(もんてんかく・別名貴賓館)・・・『明治・名古屋の顔』 p.182-183 解説・写真あり , 『ふららvol.4 2009年秋号』 p.7 写真あり , 『第十回関西府県聯合共進会記念写真帖』 p.96 写真あり
(2)キリンビールのビヤホール・・・『日本のビール』 p.169-170 解説・写真あり , 『麒麟麦酒株式会社五十年史』 p.74図版 写真あり , 『第十回関西府県聯合共進会記念写真帖』 p.121 写真あり
- 事前調査事項
- NDC
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- 団体 (606 9版)
- 日本の建築 (521)
- 参考資料
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- 『新修名古屋市史 第6巻』 新修名古屋市史編集委員会/編集 名古屋市 2000年
- 『第十回関西府県聯合共進会全図 三府二十八県』 名古屋用達 1910年
- 『明治・名古屋の顔 写真図説』 服部鉦太郎/著 六法出版社 1973年 p.182-183
- 『ふららvol.4 2009年秋号』 財団法人名古屋市みどりの協会/編集・発行 2009年 p.7
- 『日本のビール (中公新書)』 稲垣眞美/著 中央公論社 1978年 p.169-170
- 『麒麟麦酒株式会社五十年史』 麒麟麦酒/編集 麒麟麦酒 1957年 p.74図版
- 『第十回関西府県聯合共進会記念写真帖』 第十回関西府県聯合共進会愛知県協賛会 1910年 p.96,121
- キーワード
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- 金閣寺
- 鶴舞公園
- 第十回関西府県連合共進会
- キリンビール
- 聞天閣
- 建築-名古屋市
- 博覧会-名古屋市
- 公園-名古屋市
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000135278