レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/12/26
- 登録日時
- 2017/12/27 00:30
- 更新日時
- 2018/01/15 11:29
- 管理番号
- 6000038001
- 質問
-
未解決
「カンヒザクラ」について。
分類(科・属)、開花時期、特性など知りたい。
また、名前について、本来は「ヒカンザクラ」で「カンヒザクラ」とも呼ぶとのことだが、どちらの名称を使うのが好ましいか。
- 回答
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【分類、開花時期、特性】
『APG原色樹木大図鑑』(北隆館)に「バラ科サクラ属」、「2~3月、葉に先立って紫紅色の半開した花が下を向き、散形状に2~3個咲く」とある。
『園芸植物大事典 2』(小学館)には、「中国大陸南部から台湾に分布し、沖縄に野生化している落葉小高木」、沖縄で1~2月、関西で2月下旬~3月に花が開くということが書かれている。
【名称について】
『さくら百科』(丸善,H22発行)で「日本のサクラ類」と題して石川晶生氏が書かれている記述のp.8に「かつてはヒカンザクラ:緋寒桜とよばれていたが、ヒガンザクラ:彼岸桜と混同されやすいことから、カンヒザクラ:寒緋桜とよばれている」とある。『さくら百花事典』(婦人画報社)にも同様の内容が載っている。
図鑑の発行年が古いものと新しいもので比較すると、昭和60年発行の『原色樹木大図鑑』(北隆館)では「ヒカンザクラ(カンヒザクラ)」だが平成28年発行の『APG原色樹木大図鑑』(北隆館)では「カンヒザクラ(ヒカンザクラ)」となっている。どちらも名称についての説明は書かれていない。
『APG~』巻頭にある「刊行にあたって」には「2012年の「原色牧野植物大図鑑」の新分類体系への移行に続いて、「原色樹木大図鑑」でもAPGⅢシステムへの移行を行いたいという北隆館の依頼を受け、12年ぶりに本図鑑を改訂した。」とある。
- 回答プロセス
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書架にある参考図書を調べた。最初は昭和60年発行の『原色樹木大図鑑』や他のタイトルの図書をひとつひとつ調べていたが、『さくら百科』の記述を見つけてから『APG~』を調べて比較すると樹木名の書き方が変わっていることがわかった。
他の参考図書の記載は、『植物3.2万名前大辞典』(日外アソシエーツ,2008)『園芸植物大事典 2』(小学館,1988)には「カンヒザクラ」で載っており「ヒカンザクラ」では引けない。文中にも「ヒカンザクラ」は出てこない。『日本大百科全書 6』(小学館,1995)では「カンヒザクラ」でも「ヒカンザクラ」でも引けるが「ヒカン~」には「カンヒザクラ」を見るように矢印で指示がある。
聞蔵Ⅱビジュアルで「ヒカンザクラ」「カンヒザクラ」をそれぞれ検索するとどちらも記事が出てきたが呼び方の変化についての記事は見当たらなかった。
CiNii Articlesでそれぞれ検索するとどちらの記述でも論文が出てきた。載っていそうな論文をJ-Stageで内容確認したが呼び方の変化についての記述は見当たらなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 森林立地.造林 (653)
- 被子植物 (479)
- 参考資料
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- APG原色樹木大図鑑邑田 仁/監修北隆館 (p.278)
- 『原色樹木大図鑑』北隆館 (p.232)
- 『さくら百科』 永田 洋/編 丸善 (p.8)
- 『園芸植物大事典2』 塚本 洋太郎/総監修 小学館
- 『さくら百花事典』 婦人画報社 (p.41)
- 『植物別名辞典』日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ
- 『日本大百科全書6』 小学館
- 『植物3.2万名前大辞典』日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ
- キーワード
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- 桜(サクラ)
- 寒緋桜(カンヒザクラ)
- カンヒザクラ(カンヒザクラ)
- 緋寒桜(ヒカンザクラ)
- 彼岸桜(ヒガンザクラ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 庁内
- 登録番号
- 1000227747