レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年09月30日
- 登録日時
- 2022/11/01 16:29
- 更新日時
- 2023/02/07 15:48
- 管理番号
- 地-220001
- 質問
-
解決
1 明治5年9月12日、10時からの横浜駅鉄道開業式の横浜市民代表挨拶者「原善三郎」となった経緯について知りたい。候補者は居なかったのか?
2 横浜開業式の「原善三郎」挨拶の口語訳が欲しい。
3 横浜駅での開業式の式次第と、「原善三郎」以外の祝詞の挨拶者は誰か?
- 回答
-
以下の資料を紹介した。
1 横浜駅鉄道開業式の横浜市民代表挨拶者「原善三郎」となった経緯
『日本鉄道創設史話』 石井満著 法政大学出版局 1952
「第五章 開業式前後」の中に「三 神奈川県権令大江卓」が立項されている(p.339~343)。
p.342~343 に「横浜においては、商人頭取総代原善三郎が祝詞を奉る光栄に浴した。(中略)渋沢子爵の談によれば、最初、横浜の代表は高嶋嘉右衛門となっていたが、さすがの高嶋翁も、この大役のために非常に心気を使ったせいか急に身体に故障を生じ、その大役を完うすることが出来なくなり、原善三郎が代ったということである。」と記載されている。
2 横浜開業式の「原善三郎」挨拶の口語訳
当館所蔵資料の中から、横浜開業式の「原善三郎」挨拶の口語訳を見つけることはできなかった。
参考として、挨拶が掲載されている資料を紹介した。
・『日本鐵道史 上篇』 鉄道省 1921
p.61に「次ニ横浜在住ノ我商人頭取総代原善三郎左ノ祝詞ヲ上ル」として全文の記載がある。ただし、送り仮名がカタカナ表記のものである。
・『渋沢栄一伝記資料 第3巻』 渋沢栄一著 渋沢栄一伝記資料刊行会 1955
p.524に「次に横浜の我が商人頭取等が進んで祝詞を上る。惣代として原善三郎之を奏す。其文に曰、方今皇国隆運の勃興に際し、(以下略)」として、送り仮名がひらがな表記で全文の記載がある。
なお、上記資料は、公益財団法人渋沢栄一記念財団のホームページ内で「デジタル版『渋沢栄一伝記資料』」としてインターネット公開されている。
https://eiichi.shibusawa.or.jp/denkishiryo/digital/main/index.php?DK030132k_text (2023.2.4確認)
3 横浜駅での開業式の式次第と、「原善三郎」以外の祝詞の挨拶者
3-1 横浜駅での開業式の式次第
『日本鉄道創設史話』 石井満著 法政大学出版局 1952
「第五章 開業式前後」の中に「五 太政官日誌に表われたる鉄道開業式の記事」が立項されている(p.347~351)。 「次第」とは明記されていないが、開業式当日の様子が時系列で記載されている。
3-2「原善三郎」以外の祝詞の挨拶者
・『明治維新の政局と鉄道建設』 田中時彦著 吉川弘文館 1969
「第五章 鉄道建設過程における国内問題の処理とその背景」の中に「四 鉄道開通」が立項されている(p.347~355)。
p.348「この開業式に招待されて祝辞を述べたのは、日本政府側閣僚は別として、外国側使臣代表、横浜在留外国商人代表、日本側商人代表の三者である。」と記載されている。
上記の「三者」については、以下の資料に具体的な記載がある。
・『日本鐵道史 上篇』 鉄道省 1921
p.58 各国公使総代トシテ伊太利全公使「コント、アレサンドロ、フエ」左ノ祝詞ヲ奉ル
p.59 次ニ外国商人頭取総代英国人「マルシャル」左ノ祝詞ヲ上ル
p.61 次ニ横浜在住ノ我商人頭取総代原善三郎左ノ祝詞ヲ上ル
なお、伊太利全公使「コント、アレサンドロ、フエ」および英国人「マルシャル」については、以下の資料では「イタリア公使、外国人商人頭取の総代(イギリス人マーシャル)」と記載されている。
『神奈川県史 通史編 4』 神奈川県県民部県史編集室編 1980 p.204 2行目
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本史 (210 10版)
- 交通史.事情 (682 10版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 原善三郎
- 鉄道開業150周年
- 横浜駅
- 桜木町駅
- 高嶋嘉右衛門
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000323278