レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/03/25
- 登録日時
- 2022/09/11 00:30
- 更新日時
- 2022/09/11 09:01
- 管理番号
- 所沢椿峰-2022-006
- 質問
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解決
辛さの単位である「スコヴィル値」について知りたい。測定方法もわかるとなおいい。
- 回答
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下記資料に記載されています。
〇『トウガラシの文化誌』 アマール・ナージ/著 晶文社 1997年
〇『トウガラシ大全』 スチュアート・ウォルトン/著 草思社 2019年
〇『トウガラシの歴史』 ヘザー・アーント・アンダーソン/著 原書房 2017年
○『トウガラシの世界史』 山本紀夫/著 中央公論新社 2016年
○『トウガラシ』 寺岸明彦/著 農山漁村文化協会 2020年
〇『スパイスの歴史』 フレッド・ツァラ/著 原書房 2014年
また、上記資料の中でスコヴィル値の測定方法について記載のある資料は以下のとおりです。
『トウガラシの文化誌』 アマール・ナージ/著 晶文社 1997年
『トウガラシ大全』 スチュアート・ウォルトン/著 草思社 2019年
『トウガラシの歴史』 ヘザー・アーント・アンダーソン/著 原書房 2017年
『トウガラシの世界史』 山本紀夫/著 中央公論新社 2016年
『トウガラシ』 寺岸明彦/著 農山漁村文化協会 2020年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『トウガラシの文化誌』 アマール・ナージ/著 晶文社 1997年
p49~52「2 辛さの測定」「スコヴィル式の辛味測定」に記載あり。
「(前略)この薬理学者はトウガラシから抽出した辛味物質が、他の化学物質とどのように反応するかを研究することで、辛さの程度を測ろうと試みた。しかし、どんな化学物質をトウガラシの抽出物と反応させてみても、反応の度合いが低いため、充分な測定結果が得られなかった。ところが、人間の舌は極めて敏感で、溶液にとけた辛味物質のカプサイシンを100万倍に希釈しても認識することが可能であった。(中略)こうして、スコヴィル氏は測定道具として舌を選んだのだった。(中略)辛味の主成分であるカプサイシンはアルコールに溶けるので、個別にアルコールのなかに一晩中つけておく。こうすると、トウガラシのもつ辛味の化学物質が抽出される。この抽出物を正確に計測して、舌が辛味を認知できるかどうかぎりぎりのところまで、甘味のついた水を一定の割合で加えてゆく。(中略)このようにして、スコヴィル氏の名前は辛味の測定と切っても切り離せない関係になった。ただし、現在は口を使って行なうテストにかわって、人間の舌とおなじぐらい感度のよい近代的な機器が使われるようになっている。(後略)」と記載あり。
p62トウガラシの品種別にスコヴィル単位が表として掲載されている。
〇『トウガラシ大全』 スチュアート・ウォルトン/著 草思社 2019年
p43~46「第1部 トウガラシとは何か」「第1章 われらが愛すべき香辛料-トウガラシのすべて」「辛さを表す「スコビル値」」に記載あり。
「(前略)計測方法をはじめて考案したのがアメリカの薬理学者ウィルバー・リンカーン・スコビルで、この方法は現在でも使われ続けている。(中略)その方法とは、異なる種類のトウガラシの辛さを、比較水準に基づいて判定するというものだった。(中略)トウガラシの辛さを判定する際、まずトウガラシを乾燥させ、アルコールに漬けてカプサイシノイドを抽出する。それからこの抽出液を砂糖水で薄めて抽出液の濃度をさげていく。(中略)砂糖水による希釈は被験者の過半数――最低三名――がこれ以上、辛さを感じなくなるまで続けられる。砂糖水による希釈はかならずこのレベルに達するまで繰り返され、辛みを感じられなくなった時点で数値として確定される。(後略)」と記載あり。
〇『トウガラシの歴史』 ヘザー・アーント・アンダーソン/著 原書房 2017年
p16~22「第1章 トウガラシとは何か」「辛さの源-カプサイシン」に記載あり。
「(前略)トウガラシの辛さの測定値はスコヴィル値で表される。これは、トウガラシを砂糖水に溶かし、トウガラシの辛みが感じられなくなるまで薄めたときの希釈倍率だ(単位はSHU)。(中略)トウガラシの辛さを測定するのに使われるスコヴィル値は、1912年、スコヴィル味覚テストによって初めて開発された。乾燥したトウガラシの粉末をアルコールに混ぜ入れ、次にそのアルコールを砂糖水に加えて、その液を被験者の口に投与する。(中略)スコヴィル値は、たとえば黒コショウのピペリンやショウガのジンジェロール、さらには世界で最も辛みの強い物質であるレシニフェラトキシンなど、他の辛みをもつ化合物の測定にも使用できる。(後略)」と記載あり。
p22トウガラシの品種別にスコヴィル値が表として掲載されている。
2.後日調査の追加事項
○『トウガラシの世界史』 山本紀夫/著 中央公論新社 2016年
p28-32「第一章 トウガラシの「発見」」「辛さをうむもの」に記載あり。
「(前略)では、トウガラシの辛さを測定する方法はないのだろうか。それは辛さそのものの程度を基準にすればよいようだ。同じ品種のトウガラシでも、辛さには大きなバラつきがあるからだ。これを提唱したのはアメリカ人の農学者、ウィルバー・スコヴィルであった。(中略)こうして、スコヴィルは、辛みを測定し客観化するための測定基準を開発し、それは「スコヴィル感覚器官検査(スコヴィル方式)」として公式に認められることになったのだ。(中略)辛みの主成分であるカプサイシンはアルコールに溶けるので、個別にアルコールのなかに一晩つけておく。そうすると、トウガラシのもつ辛みの化学物質が抽出される。この抽出物を正確に測定して、舌が辛味を認知できるかどうかぎりぎりのところまで、甘みをつけた水を一定の割合で加えてゆく。(中略)このようにスコヴィルは測定道具として人間の舌を選んだわけだが、現在は口を使っておこなうテストに変わって人間の舌と同じくらい感度のよい近代的な機械が使われるようになっている。ただし、辛さの単位そのものは、今も便利さゆえにスコヴィル単位を使う人が少なくないようだ。(後略)」と記載あり。
p31トウガラシの品種別にスコヴィル単位が表として掲載されている。
○『トウガラシ』 寺岸明彦/著 農山漁村文化協会 2020年
p26「第2章 なぜいまトウガラシなのか」「2 やみつきになる辛みで人気が加速」に記載あり。
「(前略)なお、辛さを感じる食味評価は、「スコヴィル単位(Scoville Unit)」(SHU)という指標を用いています(粉砕したトウガラシとアルコールによる抽出液からアルコールを除去してカプサイシノイドを精製し、舌が辛味を感じなくなるまで砂糖水で希釈した倍率で食味評価する。たとえば、日本の三鷹のスコヴィル単位は5万~6万SHU、とくに辛いことで有名なブートジョロキアは80万SHUぐらいといわれています。(後略)」と記載あり。
〇『スパイスの歴史』 フレッド・ツァラ/著 原書房 2014年
p16-17「序章 スパイスとはなんだろう?」「トウガラシ」に記載あり。
「(前略)トウガラシの辛さは、ほとんど辛味のないものから超激辛までと幅広く、スコヴィル辛味単位で表わされる(単位の名前は考案者の薬剤師ウィルバー・スコヴィルにちなんで付けられた)。これは、辛味をつくり出す分子に注目し、トウガラシに含まれる辛さの成分カプサイシンを基準とした単位。(後略)」と記載あり。
3.記載のなかった資料
×『とうがらしマニアックス』 とうがらしマニアックス編集部/著 山と溪谷社 2009年
×『辣(ラー)の道』 加藤千洋/著 平凡社 2014年
×『とうがらしの世界』 松島憲一/著 講談社 2020年
×『味とにおい』 グラハム・ベル/編 フレグランスジャーナル社 2002年
×『新大陸が生んだ食物』 高野潤/著 中央公論新社 2015年
×『トウガラシ讃歌』 山本紀夫/編著 八坂書房 2010年
×『世界の食文化 13』 石毛直道/監修 農山漁村文化協会 2007年
×『スパイスの歴史』 山田憲太郎/著 法政大学出版局 1995年
×『スパイスの人類史』 アンドリュー・ドルビー/著 原書房 2004年
- 事前調査事項
- NDC
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- 農産物製造.加工 (619 9版)
- 蔬菜園芸 (626 9版)
- 参考資料
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- トウガラシの文化誌 アマール・ナージ/著 晶文社 1997.12 619.91 4-7949-6331-9
- トウガラシ大全 スチュアート・ウォルトン/著 草思社 2019.9 619.91 978-4-7942-2414-9
- トウガラシの歴史 ヘザー・アーント・アンダーソン/著 原書房 2017.8 619.91 978-4-562-05408-4
- トウガラシの世界史 山本紀夫/著 中央公論新社 2016.2 619.91 978-4-12-102361-2
- トウガラシ 寺岸明彦/著 農山漁村文化協会 2020.11 626.28 978-4-540-20131-8
- スパイスの歴史 フレッド・ツァラ/著 原書房 2014.4 619.91 978-4-562-05060-4
- キーワード
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- スコヴィル値
- 辛さ
- とうがらし
- カプサイシノイド
- スパイス
- 香辛料
- スコヴィル
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000321101