レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/10/06
- 登録日時
- 2021/10/01 00:30
- 更新日時
- 2021/10/01 10:51
- 管理番号
- 所沢本-2021-20
- 質問
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解決
キャベツの野生種が地中海にあり、今も生えているという。キャベツの野生種の写真や絵が載っている資料が見たいので、探してほしい。
- 回答
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以下の資料に掲載があります。
〇『野菜園芸大事典』 野菜園芸大事典編集委員会/編 養賢堂 1977年
〇『遙かなる野菜の起源を訪ねて』 池部誠/著 ナショナル出版 2009年
〇『キャベツと白菜の歴史』 メグ・マッケンハウプト/著 原書房 2019年
- 回答プロセス
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1参考資料の内容確認
・『原色園芸植物大図鑑』 北隆館 1984年
p85「キャベツ(カンラン、タマナ)」の項あり。学名は「Brassica oleracea L. var. capitata L.」とあり。
「欧州の大西洋岸と地中海沿岸原産の2年生野菜。1700年頃渡来。食用。(後略)」
p84「ケール(コラード、リョクヨウキャベツ)」の項あり。学名は「Brassica oleracea L. var. acephala DC.」とあり。
「欧州の海岸付近原産の2年草または多年草の野菜。食用。ハゴロモカンランの一種。(中略)近似種に中国原産のカランチョウがある。」
・『世界大百科事典 7』 平凡社 2007年
p161「キャベツ」の項あり。[起源と伝播]に以下の記述あり。
「原産はヨーロッパで、地中海沿岸から北海、大西洋沿岸などに野生種が自生しており、それらの野生種から改良されて現在のようなキャベツができ上がった。(中略)紀元前までのキャベツは結球性のない葉キャベツであり、結球性のキャベツはイタリアで成立したものと考えられている。(後略)」
・『園芸植物大事典 2』 塚本洋太郎/総監修 小学館 1988年
p63-66「キャベツ」の項あり。
p63「アブラナ科。アブラナ属[Brassica L.]の1種 B. oleracea L. を起源とする栽培植物で、結球した葉を野菜として利用する。(後略)」との記述あり。
p65-66「キャベツの起源と栽培史」に、「(前略)地中海およびヨーロッパの大西洋沿岸の岩場などに自生する野生種[var. oleracea]から起源された。この野生種は有史以前から利用された。スイスのロベンハウゼン(Roben-hausen)の新石器時代の湖上生活の遺跡からキャベツの野生種の種子が発見されている。紀元前4世紀ころ、古代ギリシアで栽培された。その型は現在のケール[var. acephala]の原始型で、不結球の葉キャベツで、滑らかな葉と縮れ葉の2型が存在していた。(後略)」
p66に「キャベツの起源と伝播」の図あり。
・『農業技術大系 野菜編 7』 農山漁村文化協会 1996年
基3に「Ⅰキャベツの原産と来歴」の項あり。写真なし。
2所蔵資料の内容確認
〇『野菜園芸大事典』 野菜園芸大事典編集委員会/編 養賢堂 1977年
p1159-1161「B.来歴」の項に以下の記載あり。
p1159「図20-1 Wild cabbage(英国海岸原産)」の写真あり。
p1160「図20-2 古代ギリシャのキャベツ 葉キャベツ紀元1世紀ごろ」の絵あり。
p1165-1166「育成の経過」に、「(前略)古い品種はイタリア・スペイン・南フランスなどで成立し、現在でもこれらの地帯には原始的な軟球キャベツ(Tronchuda)が分布している(後略)」と記載あり。
〇『遙かなる野菜の起源を訪ねて』 池部誠/著 ナショナル出版 2009年
p56-58「キャベツの原産地探し」の項あり。
巻末の写真4ページ目「地中海」の項に、「地中海の潮風が届く範囲の岩壁に生えるキャベツの祖先B・クレティカ。」と、「イタリアで見つけた野生キャベツのB・ルペストリス。」の写真あり。
〇『キャベツと白菜の歴史』 メグ・マッケンハウプト/著 原書房 2019年
p26「15世紀のキャベツの収穫。イブン・ブトラーン著「健康全書 Tacuinum sanitates」より。」の絵の掲載あり。
△『野菜の博物学』 青葉高/著 講談社 1989年
p134-137「世界的な葉菜、キャベツ」の項に、「図5.6 介藍」の写真あり。
△『サラダ野菜の植物史』 大場秀章/著 新潮社 2004年
p108-110「世界各地で栽培」の項に以下の記述あり。
p108「(前略)キャベツは分類学上アブラナとは別の種として扱われている。キャベツの学名Brassica oleracea L.. は栽培のキャベツではなく、野生型のものに対して与えられている。(後略)」
p109「(前略)ヨーロッパの大西洋沿岸地方ならびに地中海地域とカナリー諸島の海浜地方には、キャベツの野生型によく似た別の野生種が、九種ほど知られている。具体的に記すと、スペイン東北部とフランス、イタリアのリビエラ地方の海岸に自生するモンタナ種、シシリー島西部の海岸に自生するルペストリス種とウィローサ種、シシリー島東部とイタリア半島の西側海岸、それにアドリア海の島々にあるインカナ種、シシリー島西部のごく限られた地域にのみ産するマクロカルパ種、コルシカ島・サルディニア島・パンテレリア島のインスラリス種、ギリシア産のクレタ種、キプロス島のヒラリオニス種、そしてカナリー諸島のボウルゴイ種である。キャベツの原種と推定される野生型は、スペインやフランスの大西洋岸、それにイギリス諸島などに自生するものであるが、キャベツはこの野生型から直接作り出されたというよりも、右記のいろいろな海岸生の野生種間で交配が行われ、その中から選ばれた個体に、さらに改良を重ねて作り出されたといったほうが適切だと思われる。(後略)」
×『野菜学入門』 相馬暁/著 三一書房 1996年
p132-133「キャベツの履歴書~地中海生まれの国際派野菜」の項があるが、野生種の写真なし。
×『野菜・山菜博物事典』 草川俊/著 東京堂出版 1992年
p73-76「キャベツ」の項があるが、野生種の写真なし。
×『世界の野菜を旅する』 玉村豊男/著 講談社 2010年
p34-42「キャベツ畑の伝説」の項に、キャベツの起源について書かれているが、写真なし。
×『世界食文化図鑑』 メアリ・ドノヴァン/原著監修 東洋書林 2003年
p98にキャベツについて記載はあるが、起源についての記載や写真なし。
×『世界たべもの起源事典』 岡田哲/編 東京堂出版 2005年
p74-75「キャベツ」の項に原産地について記載はあるが、写真なし。
×『青葉高著作選 3』 青葉高/著 八坂書房 2000年
×『野菜の起源と分化』 藤枝国光/著 九州大学出版会 1993年
p123-127「25 キャベツとその仲間」の項あり。写真なし。
×『野菜園芸大百科 8』 農山漁村文化協会 1989年
p3に「Ⅰキャベツの原産と来歴」の項あり。写真なし。
×『栽培植物の起原と伝播』 星川清親/著 二宮書店 1980年
p88-89「キャベツ」の項あり。写真なし。
×『栽培植物の起原 上』 ドゥ・カンドル/著 岩波文庫 1977年
p189-195「キャベツ」の項あり。野生種の絵なし。
×『栽培植物の起源』 L・ギィヨ/著 八坂書房 1979年
p56キャベツについて記載あり。写真なし。
- 事前調査事項
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以前にキャベツの野生種の写真を何かの文献で見たが、どの資料だったかわからない。
また、日本でも同じ野生種の写真がインターネットにあるが、地中海のものが見たい。
- NDC
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- 蔬菜園芸 (626 9版)
- 参考資料
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- 野菜園芸大事典 野菜園芸大事典編集委員会/編 養賢堂 1977 626
- 遙かなる野菜の起源を訪ねて 池部誠/著 ナショナル出版 2009.8 626 978-4-930703-54-5
- キャベツと白菜の歴史 メグ・マッケンハウプト/著 原書房 2019.4 626.52 978-4-562-05651-4
- キーワード
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- キャベツ
- 蔬菜
- 野菜
- 起源
- 原産地
- 写真
- 絵
- 野生種
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 図・絵・写真
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000305310