下記資料(1)に、干しかぶの語源・由来等について記載があります。
(1)『蒲原のくらしのことば 新潟方言誌』(野口幸雄/著 新潟日報事業社 2006)
p159「ほしかぶ」の項「細めの大根を薄く輪切りにして干したもの。小さく縮んでカブぐらいの大きさになるのでホシカブと呼んだものであろうか。」
また下記(2)以下の資料には主に製法・調理法について記載されていますが、いずれの資料にもその語源・由来等は掲載されておりません。
(2)『新潟市史 資料編 10 民俗1』(新潟市史編さん民俗部会/編 新潟市 1991)
p184「コウコにするための土用干しより早くクズ大根を干し、切り干しにした。切り干しは正月には欠かせない料理のひとつであった。春になって「囲った」大根が残るとその大根で切り干しを作った。大根を薄く刻み、それをゆでてから干した。これを干しカブと呼んだ。」
(3)『新潟県史 資料編 第22』(新潟県/編 新潟県 1982)
p352「大根干し」の項「新潟市五十嵐浜(現五十嵐一の町・二の町)では、十一月から三月にかけてゆでて干す。これを干しカブといい、東京方面で海産物を行商するときの商品の一つとした。」
(4)『聞き書新潟の食事』(本間伸夫/〔等〕編 農山漁村文化協会 1985)
p107「干しかぶ(切干し大根)」の項
「生で囲った大根は、春先になるとだんだんすがたつので、その前に残りそうな分を切って干す。せん切り、いちょう切りにすると、二日も干せばだいたいは乾燥するから、それを蓄えておく。いずれも上天気の日に短時間で乾燥すると、きれいに仕上がる。
せん切りの干しかぶは、熱湯をかけてもどし、しぼって醤油をかけ、おひたしにする。いちょう切りのほうは、身欠きにしんなどと煮て食べる。」
(5)『新潟県方言辞典』(大橋勝男/編著 おうふう 2003)
p223「ホシカブ(名)」の項「大根を切り干しにしたもの。蕪の場合もある。<中・下>」
(6)『新潟県方言辞典 下越編』(渡辺富美雄/編 野島出版 2001)
p154「ほし・かぶ②(名)」の項「ゆでて乾燥した大根を縦切りにして、いちょう切りにしたもの。冬、みそ汁にいれて食べる。(新発田市早道場)」
(7)『新潟の言葉』(鶴巻武漢/著 鶴巻武漢 2001)
p200「ホシカブ」の項「大根を薄く切って干したもの。」
(8)『ふるさと季節の味』(小林瑠美子/著 新潟日報事業社 2001)
p8 「干しカブ」
(9)『なつかしい味、越後の美味百花』(吉田秀子/著 新潟料理学校出版部 1984)
p42 「心温まる雪国のお惣菜 干しかぶの煮物」
(10)『にいがたの味 行事食・郷土食編』(新潟県農業改良協会/編 新潟県農業改良協会 1981)
p34 「1月 行事食 新潟地方 切り干し」
(8)~(10)は主に製法・調理法について解説されています。