レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024/03/19
- 登録日時
- 2024/04/03 00:30
- 更新日時
- 2024/04/03 00:30
- 管理番号
- R1014485
- 質問
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解決
かつてあった旧ミズノ淀屋橋店の建物に関する資料はあるか。
- 回答
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次の資料に掲載されています(■は図書、●は雑誌・新聞記事、〇はインターネットの情報を表します。URLは2024/3/15確認)。
■『近代大阪の建築:明治・大正・昭和初期』(大阪府建築士会/編集 ぎょうせい 1984.3)
p.182に「美津濃運動用品(株)」として写真とともに掲載されています。
設計者「岡部設計事務所」、施工者「竹中工務店」、構造「鉄筋コンクリート造8階」などとあります。
■『日本近代建築総覧:各地に遺る明治大正昭和の建物』(日本建築学会/編 技報堂出版 1983.11)
p.308に「美津濃運動具店」として、建築年・構造概要・設計者・施工者が掲載されています。また、備考に「ファザード、内部全面改装」とあります。
■『写真集成近代日本の建築 16:竹中工務店建築写真帖』(ゆまに書房 2015.8)
p.60に「美津濃運動用品株式会社」として写真・建坪・延坪が掲載されています。なお『写真集成近代日本の建築 19:竹中工務店建築写真集 第4輯』(ゆまに書房 2015.8)に一部建築物の解題が収録(p.38-47)されていますが、本建物に関する解説はありません。
■『スポーツは陸から海から大空へ:水野利八物語』(美津濃 1973)
「大正十五年、いよいよ念願の社屋建設にとりかかる。現在の美津濃本社がそれであるが、鉄筋地下一階、地上八階という、当時からみれば型破りな構想に世間はアッと驚いた。(中略)翌昭和二年七月、社屋は完成した。明治二十九年、水野家再興のあかしとして間口十三間、高さ百尺のビルを建てるという誓いを胸中に故郷を離れた十二歳の少年は、四十三歳の壮年期を迎えていた。当時の大阪で七番目に出来た最高層建築に多くの見物人が押しよせ、新聞はいっせいに書きたてた」(p.159-160)
「完成した新社屋は、利八が三十年育てつづけてきた夢を実現したものであるにもかかわらず、実は百尺に一尺二寸足りない。あえて、九十八尺八寸にとどめた利八の心情は、きびしい自戒であった」(p.160)
■『全人間への旅(私の履歴書)』(水野健次郎/著 日本経済新聞社 1990.9)
著者は水野利八の子息にあたります。
p.14には前掲『スポーツは陸から海から大空へ―水野利八物語』においても掲載されている内容に加え、次の逸話が掲載されています。
「アイデアマンの父は、紺色のワンピースのユニフォームを着たエレベーターガールを採用し、八階にレストランを作り、『ホームラン・ジョッキー』ビールを飲ませて大阪のトピックスの一つとなっていた」
「その頃、私は甲南の山岳部へ入学した(中略)登山技術を誰よりも早くマスターしたいと考えていた私は、ちょうど、建築中の美津濃ビルに目をつけた。七階、八階にはまだ足場が残っていた。そこで、ザイルを使わず窓から窓へトラバースのトレーニングを試みた」
●『大阪毎日新聞』1927年(昭和2)7月10日付朝刊7面(毎日新聞データベース「毎索」にて確認)
下段に「美津濃」の新聞広告が掲載されており「十日より 新館落成紀念大売出し」とあります。また「直営 美津濃食堂」「地階 大衆食堂 七階 定食、宴会」とあります。
●『昭和の大阪 2:昭和50〜平成元年』(産経新聞社/写真 光村推古書院 2014.4)
p.81に「淀屋橋付近(昭和62年1月)」として、写真の右部にビルが写されています。
○「旧ミズノ淀屋橋店 探訪」(ミズノ)
https://corp.mizuno.com/jp/about/history/yodoyabashi
○「ありがとう、さようなら、ミズノ淀屋橋店 解体前に、ミズノ淀屋橋店を大解剖!!」(ミズノマガジン)
https://jpn.mizuno.com/mizuno_magazine/trivia/20210610
建物の略歴とともに内部の写真が掲載されています。
建物を設計した「岡部設計事務所」の代表者である岡部顕則氏については次の資料に経歴が掲載されていました。
■『人事調査録 昭和10年版』(赤埴探偵社 [昭和10年])オ(ヲ)之部p.111
「氏は徳島県岡部熊太郎の長男に生れ昭和2年家督を嗣ぐ(中略)香川、徳島、大阪各県土木課に歴任、大正9年岡部建築事務所を設立し今日に至る」
このほか次の論文があるようですが大阪府立図書館未所蔵資料のため内容の確認ができておりません。
●山本悠太、正見彰吾、藤田勝也「建築家岡部顕則について : 徳島県立徳島工業高等学校旧蔵の建築関係資料に関する研究 : その2(建築史・建築意匠・建築論)」『日本建築学会近畿支部研究報告集. 計画系』50(2010.5)p.853-856
[事例作成日:2024年3月19日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本の建築 (521)
- 参考資料
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- B13631031 近代大阪の建築 大阪府建築士会∥編集 ぎょうせい 1984.3 523.163 (182)
- B10492329 日本近代建築総覧 日本建築学会∥編 技報堂出版 1983.11 523.1 4-7655-2003-X (308)
- B13206989 写真集成近代日本の建築 16 ゆまに書房 2015.8 520.87 978-4-8433-4774-4 (60)
- B10269233 スポ-ツは陸から海から大空へ―水野利八物語 美津濃 1973 289.1 (p.11)
- B10005698 全人間への旅 水野/健次郎∥著 日本経済新聞社 1990.9 289.1 4-532-09613-8 (14)
- B13013062 昭和の大阪 2 産経新聞社‖写真 光村推古書院 2014.4 216.306 978-4-8381-0504-5 (81)
- B14542260 人事調査録 1935 [昭和10年] 赤埴探偵社 1935.01.01 (オ(ヲ)之部p.111)
- 「旧ミズノ淀屋橋店 探訪」(ミズノ) https://corp.mizuno.com/jp/about/history/yodoyabashi 2024/3/15
- 「ありがとう、さようなら、ミズノ淀屋橋店 解体前に、ミズノ淀屋橋店を大解剖!!」(ミズノマガジン) https://jpn.mizuno.com/mizuno_magazine/trivia/20210610 2024/3/15
- キーワード
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- ミズノ
- 近代建築
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 大阪
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000348648