レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024/03/01
- 登録日時
- 2024/03/27 00:30
- 更新日時
- 2024/03/27 00:30
- 管理番号
- R1014452
- 質問
-
解決
北河内地方の用水路に設けられた階段のことを「ひなだ」と呼ぶらしいがどのようなものか知りたい。
- 回答
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以下の資料に記載がありました(■は図書、〇はインターネットの情報を表します。URLは2024/2/29確認)。
■『寝屋川市史 第8巻』(寝屋川市史編纂委員会/編集 寝屋川市 1991.5)
第1章第6節「仁和寺」内の「ひなだと九個荘の用水」(p.130-131)に、次のとおり記されています。
「『ひなだ』は用水路の岸に段を設け、板などで天井や横を覆って雨雪に関係なく使用できるようにしたものである。現在は水道の普及にともなって『ひなだ』はなくなったが、仁和寺でただ一か所完全な姿で保全されている。そこでは、もちろん流れる水とてなく、使用されている形跡はまったくない」(p.130)
p.131に「ひなだ」の写真が掲載されています。
■『寝屋川市の民俗:年中行事と民家』(寺前治一/[ほか]編集 寝屋川市教育委員会 1986)
p.45-46「民家」に「井戸や『流し』がなくて、家の側を流れる小川で一切の調理や洗濯などをする『ひなだ』のある家もあった」とあり、p.46に写真(『寝屋川市史 第8巻』と同一の写真です)も掲載されています。
■『ふる里守口を訪ねて 改訂版』(駒井正三/著 守口市市長室広報担当 1991.11)
p.241-244「蓮の名所だった梶付近」に次のとおり記されています。
「『ひなだ』という名称は、おひな様をまつる時、一番上段から下段まで段々になっています。このひなだんのようになっていますので『ひなだん』がなまって『ひなだ』になったといわれています」(p.241-242)
「かつては、水路に沿って建てられた家々にこの洗い場があって、そこで洗い物をしていたのです。現在は水道が普及し、使用しなくなったので、用水路は暗きょになったり、家屋の改築などによって取り壊されたりして、もうほとんどその姿が見られなくなりました。今ではたいへん貴重な遺構だと思います」(p.242)
またp.242には「梶のH家に今も残る『ひなだ』」として写真が掲載されています。
○「文化財ガイドマップ・もりぐちぶらり歩きマップ」(守口市ホームページ)
https://www.city.moriguchi.osaka.jp/kakukanoannai/shiminseikatsubu/shogaigakushuka/rekishibunkazai/1463.html
ページ内の「ぶらりあるきマップ_6_梶・大久保・藤田」に「梶のひなだ」(同市梶2丁目所在)が紹介されており、次の通り記されています。
「『ひなだ』は要するに水路に面した洗い場であり、水路に下りる石段がお雛様を祀る雛壇に似ることから、『ひなだん』がなまって『ひなだ』になったとされている」
[事例作成日:2024年3月1日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 言語学 (801)
- 河海工学.河川工学 (517)
- 参考資料
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- B10018126 寝屋川市史 第8巻 寝屋川市史編纂委員会∥編集 寝屋川市 1991.5 寝屋川市史編纂委員会∥編集 寝屋川市 1991.5 216.3 (130-131)
- B10614344 寝屋川市の民俗 寺前/治一∥[ほか]編集 寝屋川市教育委員会 1986 382.163 (45-46)
- B12523847 ふる里守口を訪ねて 駒井/正三∥著 守口市市長室広報担当 1991.11 291.63 (241-242)
- 「文化財ガイドマップ・もりぐちぶらり歩きマップ」(守口市ホームページ) https://www.city.moriguchi.osaka.jp/kakukanoannai/shiminseikatsubu/shogaigakushuka/rekishibunkazai/1463.html 2024/2/29
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 大阪
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000348096