レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/12/08
- 登録日時
- 2024/01/05 00:30
- 更新日時
- 2024/01/18 14:51
- 管理番号
- 16380233
- 質問
-
解決
斐伊川・大橋川については江戸時代からの変遷が分かる資料が斐伊川誌などにものっていますが、朝酌川について歴史上の変遷などが分かる資料があればご教示ください。
- 回答
-
資料1によると、「朝酌川」は、流域によってはかつて「水草川」や「川津川」と呼ばれていたことから、これらのキーワードを組み合わせて、当館所蔵資料およびデータベースを調査しました。
ご照会の事項についての網羅的な解説資料などは確認できませんでしたが、断片的に記載のあったものとして資料1から資料4までをご紹介します。
末尾に*が付いている資料は国立国会図書館デジタルコレクション( https://dl.ndl.go.jp/ )インターネット公開資料です。
末尾に**が付いている資料は国立国会図書館デジタルコレクション( https://dl.ndl.go.jp/ )国立国会図書館内/図書館・個人送信限定資料です。
資料1
請求記号:Z13-962
タイトル:『出雲国風土記』島根郡家の比定--「水草川」の2つの源と古道の"復元"を手がかりとして
著者:服部旦
掲載誌:大妻国文
巻号:通号19
出版年月:1988.3
ページ:pp.1-32
※「水草川」の源流を考察した論文です。論文中に、「大内谷附近では以前は朝酌川を「川津川」と呼び、~」(p.22)、「「水草川」は持田川に用いず、笠無橋より上流の朝酌川本流を呼ぶ名称だった。」(p.22)などと、朝酌川のかつての呼称とその流域を考察した記載があります。
資料2
請求記号:Y121-N01-816
タイトル:いにしえの川津を掘る : あさくみがわのながれ総集編
著者:島根県教育庁埋蔵文化財調査センター 編
出版者:島根県教育庁埋蔵文化財調査センター
出版年月:2001.3
※朝酌川広域河川改修事業区域内の発掘調査の結果をまとめた資料です。
「本書に関連する年表」(p.1)にて、「ガラガラ橋より下流の新田開発が進む」(江戸時代)、「朝酌川の部分的な改修が行われる」(明治・大正・昭和初期)などの記載があります。
「少し前の川津」(pp.25-26)や「川津の今昔」(pp.27-28)に、朝酌川周辺について、江戸時代の絵図や明治時代の土地台帳、大正時代の地図・写真などとともに簡単な解説のキャプションが付されています。
資料3
請求記号:Z8-1263
タイトル:松江平野における居住立地の展開と水問題-1-治水をめぐる問題と城下町形成**
著者:池田善昭
掲載誌:歴史地理学会会報
巻号:通号 105
出版年月:1979.9
ページ:pp.1-10
※松江の城下町の形成とその後の治水対策を概観した論文です。pp.3~6(3~5コマ目)に、「川津川」とその周辺の治水対策に関する記載があります。
資料4
請求記号:593-8
タイトル:大日本地誌大系 第27巻*
著者:蘆田伊人 編
出版者:雄山閣
出版年月:昭5
※「島根郡」の章の「西川津」(pp.25-27(19-20コマ目))に、「水草川」の項目があります。
[その他の調査済み資料およびデータベース]
【 】内は当館請求記号です。
・むかしむかしのあさくみがわ (よみがえるあさくみがわのながれ ; 2) 島根県教育委員会, 1998.3 【Y121-M98-861】
・よみがえるあさくみがわのながれ : 朝酌川中小河川改修工事区域内発掘調査概報 島根県教育委員会, 1997.3 【Y121-M98-147】
・世紀の事業-斐伊・神戸川総開 / 小野満司 季刊河川レビュー = Review 10(1)(35) 新公論社, 1981-03 【Z16-1359】**
・さんいん古代史の周辺 中 (山陰中央新報ふるさと文庫 ; 1,3,9) 山陰中央新報社, 1979 【GC193-17】**
・出雲の国 池田満雄, 東森市良 著 学生社 1973 【GC199-15】**
・八束郡誌 本篇 奥原福市 編. 名著出版, 1973 【GC212-21】**
・新修松江市誌 松江市誌編さん委員会 編. 松江市, 1962 【291.73-M284s】**
・治水事業ニ関スル統計書 第7回 内務省土木局 編. 内務省土木局, 昭和6 【14.4-438】*
※「河川法施行河川區域及施行期日竝河川臺帳」に掲載された河川一覧に、朝酌川の記載があります(p.141(77コマ目))
・帝国地名辞典 下巻 太田為三郎 編. 三省堂, 明45 【331-45】*
・出雲風土記 : [註解] 島根県皇典講究分所 編. 松陽新報社, 明44.9 【82-752】*
・大日本地名辞書 上巻 二版 吉田東伍 著. 冨山房, 1907/10/17*
・国立国会図書館オンライン ( https://ndlonline.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館サーチ ( https://iss.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館デジタルコレクション ( https://dl.ndl.go.jp/ )
・次世代デジタルライブラリー ( https://lab.ndl.go.jp/service/tsugidigi/ )
インターネットおよびデータベースの最終アクセス日は2023年12月6日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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①『県政のあゆみ 昭和44・45年度』(島根県知事室、1972年)pp.348-349に、朝酌川は国庫補助事業の中小河川改修事業として、改修が施行されたと記載。
p.350に朝酌川の着工年度は昭和45年度となっている。
②『松江市川津公民館創立五〇周年記念史』(川津公民館、2002年)
pp.119-120「(一)朝酌川改修事業」昭和44年より施工された中小河川改修事業の経緯、目的、問題などについて記載。
p.189「年表」「1973年(昭和48) 朝酌川改修事業(堤防築堤・暫定堀削)の工事が始まる。」と記載。
③『ひらけゆく川津』(松江市・川津村合併50周年記念、1990年)p.21
年表中に「昭和44年(1969)年 朝酌川河川改修事業の、用地買収がはじまる。(対象面積 189,100㎡)」と記載。朝酌川河川改修計画も掲載。
④『ふるさと 松江市川津地区自治連合会結成30周年記念』(松江市川津地区自治連合会、1992年)pp.14-15「朝酌川河川改修事業について」
「昭和52年(1977)度より、河川法施行令第2条7項の規定により、建設省の直轄で改修工事に着手され、その後、昭和63年(1988)4月からは、百足橋より下流部についても、島根県が引き継いで事業を実施している。」と記載。
昭和44年度からはじまった朝酌川河川改修計画も掲載。
⑤『川津郷土誌』(松江市川津公民館、1982年)pp.398-402「第四節 朝酌川改修工事」
「川津川(朝酌川)改修期成同盟会」の昭和四十三年からの会議録が掲載されており、昭和五十二年度総会の中に「建設省板倉課長説明 本年度は用地買収に着手、昭和五三年度より右岸の一部を堀崩土の一部で築堤し、ついで左岸に着手する方針である。」と記載。
⑥『松江市誌 市制施行100周年記念』(松江市 1989年)pp.977-978「一.治水事業」
昭和50年に国・県が発表した「斐伊川・神戸川の治水に関する基本計画」への松江市の大橋川周辺の主な事業計画として「上流部では堀削、築堤、中流部では右岸の築堤、左岸は第三大橋から剣先川左岸、平古川左岸に沿いながら、朝酌川の右岸計画堤に至る築堤、堀削および浚せつ、下流部は堀削および築堤をする。」と記載。
- NDC
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- 河海工学.河川工学 (517 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 朝酌川
- 水草川
- 川津川
- 整備
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 科学技術(レファレンス)
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000344279