レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024/01/13
- 登録日時
- 2024/01/13 17:54
- 更新日時
- 2024/01/13 18:22
- 管理番号
- 223
- 質問
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昭和10年代に現尼崎市域にあった尼崎人造石油(日本人造石油尼崎工場)について調べたい。
- 回答
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尼崎人造石油株式会社は、昭和14年(1939)に日本石油・尼崎製鉄・帝国燃料興業三社合弁により設立されました。大庄村西新田地先(昭和17年2月の市村合併により尼崎市域となる)の日本石油関西製油所に隣接する工場施設において、製鉄所のコークス炉ガスを利用して年産4~10万klという国内最大規模の人造石油生産を計画。昭和18年に試運転を開始しますが、原料ガス不足等により昭和19年8月に運転を中止します。同年10月北海道人造石油・三池人造石油との合併により新設された日本人造石油株式会社の尼崎工場となりますが、その後も生産は軌道に乗らず、昭和20年7月19日夜間及び8月9~10日夜間のB29爆撃機部隊による爆弾空襲により壊滅します。この2回の空襲は、同工場と、隣接する日本石油関西製油所、陸軍燃料廠を目標とする精密爆撃作戦でした。
以上のような尼崎人造石油、日本人造石油尼崎工場の歴史について、米国戦略爆撃調査団報告書収録の記録を翻訳掲載する『日本における戦争と石油 』(石油評論社、1986年)のほか、参考文献により概要を調べることができます。
- 回答プロセス
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1 尼崎人造石油、日本人造石油尼崎工場の概要に関する米国戦略爆撃調査団報告書を翻訳掲載する参考文献
◆『日本における戦争と石油 アメリカ合衆国戦略爆撃調査団・石油・化学部報告』石油評論社、1986年
p183~188日本石油関西製油所(尼崎)、p217~223日本人造石油尼崎工場
なお、元史料である米国戦略爆撃調査団報告書は国立国会図書館デジタルコレクションに掲載されており、ウェブ上で閲覧することができる。
2 尼崎人造石油、日本人造石油尼崎工場に関するその他の参考文献
◆『尼崎地域史事典』項目「日本石油関西製油所」
◆『尼崎市史』第3巻p732~734 同工場戦災記述、被災写真掲載
◆『図説尼崎の歴史』下巻近代4-8「空襲と戦災」同工場が被災した空襲作戦の概要を記載
◆尼崎市立地域研究史料館紀要『地域史研究』第2巻第1号・第3号、第8巻第1号(通巻4・6・22号)掲載
内田勝利「尼崎市の戦災資料」同続・同続々
工場施設の概要、空襲被害等を記録
◆同前『地域史研究』第18巻第3号(通巻54号)掲載
地域研究史料館「兵庫県下の空襲に関する米軍戦術任務報告(2)尼崎の空襲、7月19日、8月10日」
同工場に被害があった爆撃作戦の報告書を翻訳掲載
3 尼崎人造石油の立地を記す地図
◆「尼崎警察署管内地図」年不詳、昭和10年代
- 事前調査事項
- NDC
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- 油脂類 (576 10版)
- 国防史.事情.軍事史.事情 (392 10版)
- 参考資料
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- 『日本における戦争と石油 アメリカ合衆国戦略爆撃調査団・石油・化学部報告』石油評論社,1986年 , ISBN 4-915350-04-5 (当館請求記号 391.6/A/オ)
- 『尼崎地域史事典』尼崎市,1996年 (当館請求記号 219/A/ア)
- 『尼崎市史』第3巻 尼崎市,1970年 (当館請求記号 219/A/ア-3)
- 『図説尼崎の歴史』下巻 尼崎市,2007年 (当館請求記号 219/A/ア)
- 尼崎市立地域研究史料館紀要『地域史研究』第2巻第1号・第3号、第8巻第1号(通巻4・6・22号)掲載 内田勝利「尼崎市の戦災資料」同続・同続々、第18巻第3号(通巻54号)掲載 地域研究史料館「兵庫県下の空襲に関する米軍戦術任務報告(2)尼崎の空襲、7月19日、8月10日」 (逐次刊行物)
- 「尼崎警察署管内地図」年不詳、昭和10年代 (当館請求記号 地図A-8)
- キーワード
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- 人造石油
- 空襲
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 軍需産業
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000344595