レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/02/01
- 登録日時
- 2023/03/09 00:31
- 更新日時
- 2023/03/09 00:31
- 管理番号
- 6001059351
- 質問
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解決
51C型という住宅について知りたい。また、間取り図が見たい。
- 回答
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公営住宅標準設計51C型は、今日の一般的なダイニングキッチン(DK)の原型で、「食寝分離」「就寝分離」の実現を目指し設計された間取りです。次の資料に掲載されていました。
・『日本の名作住宅の間取り図鑑:住まいの歴史がマルわかり 改訂版』(大井隆弘/著 エクスナレッジ 2019.3)
「ダイニングキッチン普及の原点 全国 公営住宅標準設計51C型」(p.146-147)に次の記述があります。
「今日の一般的なダイニングキッチン(DK)は、昭和30(1955)年に発足した日本住宅公団が、DKのある間取りを設計し、団地を建設したことで広く普及したとされている。そして、その原型とされるのが、標準設計委員会(建設省住宅局主宰)が1951年にまとめた公営住宅標準設計51C型である。51C型の間取りは、食事と就寝の場を分ける「食寝分離」と性別で就寝の場を分ける「就寝分離」の考えを追求して生まれた。(中略)全体としては2DKの間取りで、出入口の方位により2種類が用意された。(後略)」(p.146)
「51C-N型」と「51C-S型」の間取りが掲載されています。(p.147)
・『「住む」ための事典』(篠原聡子/[ほか]編 彰国社 2020.4)
1章「だれと住むか」の「keyword02 家族で住む」(p.10-16)に「事例(1)…大量供給された核家族の住まい(公営住宅標準設計51C型)」(p.11)が掲載されており、次の記述があります。
「東京大学・吉武研究室によって1951年に提唱されたA、B、Cの3案の中のCタイプがよく知られる「51C型」である。このプランは、当時の住宅調査の結果を踏まえたもので、夫婦と子どもふたりからなる核家族を対象とし、「食寝分離(食べる場所と寝る場所を分ける)」と「就寝分離(親と子の寝る場所を分ける)」を実現することが目指された。限られた住戸面積の中で、食事をする場所と、寝室を2室確保するために提案された「台所・食事室」が、その後間もなくダイニングキッチン(DK)と呼ばれるようになる。(後略)」(p.11)
「図1 吉武研究室による原案平面「51C-N」 1/150」と「写1「51C-N」外観(東京都営代々木山谷団地、1953年撮影)」と「写2「51C-N」の室内(同上)ダイニングキッチン」の写真が掲載されています。(p.11)
・『コンパクト建築設計資料集成 第3版』(日本建築学会/編 東京 2005.3)
「居住-集合住宅:住戸平面の変遷」(p.149)に「51C型公共住宅、40㎡[2](設計:東京大学吉武研究室、1951年)」の間取り図が掲載されています。
また、「[2]公団DK型住戸の原型。「食事のできる台所」「家事空間の南面性」「主寝室の独立性」「水を流せる床」が提案された。」と解説が記されています。
・『住宅設計と環境デザイン』(小泉雅生/著 オーム社 2015.1)
第4章4「キッチンとダイニング」(p.46-49)に「公営住宅51C型(写真:蓮根団地2DK55型)」(p.46)が掲載されており、解説として次の記述があります。
「西山卯三の唱えた「食寝分離」を受けて、第二次大戦後、鈴木成文らにより食事専用の空間を明確に位置づけた公営住宅51C型プランが提案された。流しの備わったキッチンと家族が集まって食事を摂るためのダイニングが、一つの空間の中に併置されている。(後略)」(p.49)
[事例作成日:2023年2月1日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 住宅建築 (527 10版)
- 参考資料
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- 日本の名作住宅の間取り図鑑 改訂版 大井/隆弘‖著 エクスナレッジ 2019.3 (146-147)
- 「住む」ための事典 篠原/聡子‖編 彰国社 2020.4 (11)
- コンパクト建築設計資料集成 第3版 日本建築学会∥編 丸善 2005.3 (149)
- 住宅設計と環境デザイン 小泉/雅生‖著 オーム社 2015.1 (46、49)
- キーワード
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- 住宅(ジュウタク)
- 建築(ケンチク)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000330011