レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年10月27日
- 登録日時
- 2022/12/20 15:28
- 更新日時
- 2022/12/20 15:31
- 管理番号
- 横浜市中央2677
- 質問
-
解決
みなとみらいにある「ドックヤードガーデン」ができた経緯について
わかる資料はないか。
- 回答
-
ドックヤードガーデンは、「旧横浜船渠第2号ドック」を保存のために
復元したものです。
明治29(1896)年に竣工した「旧横浜船渠第2号ドック」は、現存する日本最古の
商船用石造ドックです。
みなとみらい再整備に伴って横浜市と三菱地所が共同で調査、
保存・活用が検討され、平成5(1993)年にランドマークタワー開業とともに
復元されました。
平成元(1989)年に「横浜市認定歴史的建造物」に認定され、
平成9(1997)年には国が重要文化財に指定しています。
なお、「第1号ドック」は、現在日本丸メモリアルパークとなっています。
詳細は、下記の資料をご覧ください。
1 概要がまとまっている資料
(1)『企画展 横浜船渠ドック物語』
横浜みなと博物館/編 横浜みなと博物館 2019.2
p.80~84「ドックヤードガーデンと第二号ドック」に、三菱地所と横浜市が
共同で「旧横浜船渠第2号ドック調査委員会」を設置して調査、保存・活用
についての検討を行ったことが記されており、解体調査の写真も掲載されて
います。
ドックの意味やしくみ、横浜船渠株式会社の歴史なども含め、様々なことが
網羅的に把握できる資料です。
(2)「重要文化財「旧横浜船渠株式会社第二号船渠(ドック)」保存の意義」
北沢猛(「月刊文化財」413号 1998年2月号 第一法規 p.7~11)
「旧横浜船渠第2号ドック」が、平成9(1997)年に国の重要文化財に指定
されたことを受けての記事です。保存が提案されてから、長年の議論を経て
保存活用計画が決まるまでの経緯がまとめられています。
(3)『都市デザイン/横浜 その発想と展開』
SD編集部/編 鹿島出版会 1993.11
p.122~123「石造2号ドック」に、2号ドックの歴史的意義や保存再生の検討
過程について、記載があります。
(4)『「近代化遺産」の誕生と展開 新しい文化財保護のために』
伊東孝/著 岩波書店 2021.7
p.120~123に、事例のひとつとしてドックヤードガーデンが取り上げられており、
簡単な経緯や保全的再利用のコンセプトがまとめられています。
(5)『横濱新聞 創刊号~第30号合本 縮刷版』
横浜市都市整備局都市デザイン室 2016.10
横浜市における「歴史を生かしたまちづくり」のPRを目的に発行された新聞
です。下記のページに関連の記事が掲載されています。
p.15「第2号(平成元(1989)年)」
「巨大な石造空間を保全活用へ 旧横浜船渠第2号ドック」
p.22「第4号(平成2(1990)年)」
「2号ドックの解体調査が進行」
p.38「第8号(平成5(1993)年)」
「新旧の大建造物の競演!横浜ランドマークタワー
/ドックヤードガーデンがオープン」
p.55「第12号(平成10(1998)年)」
「旧横浜船渠株式会社第二号船渠(通称ドックヤードガーデン)
国重要文化財に指定される」
(6)『みなとみらいの誕生 ウォーターフロント・シティ横浜』
横浜都市発展記念館/編 横浜市ふるさと歴史財団 2017.10
背景となった「都心臨海部総合整備計画(のちの「みなとみらい21」)」
について概要をつかむことができる資料です。
p.44に1号ドック、p.57に2号ドックの保存・活用について記載があります。
2 三菱地所関連資料
ドックヤードガーデンは、ランドマークタワーの一部として復元されました。
ランドマークタワーを建設した三菱地所関連の資料をご紹介します。
(1)『横浜ランドマークタワー』三菱地所/企画・編集 三菱地所 1994.12
経緯や復元活用の考え方、図面等が掲載されています。
また、先行して整備された1号ドックとの関連を意識して計画された
こともわかります。
・ p.126~135 復元後のドックヤードガーデンの写真
・ p.214~216 「旧横浜船渠第2号ドック保全活用計画」
・ p.232~236 図面
(2)「「旧横浜船渠株式会社第二号船渠(ドック)」の保全活用計画について」
深堀登(「月刊文化財」413号 1998年2月号 第一法規 p.12~15)
経緯やデザインのコンセプト、活用の考え方等が記載されています。
(3)『三菱地所100年目の挑戦』小池弘/著 ダイヤモンド社 1990.11
p.13~16「ドックをイベント広場に活用」に経緯が記載されています。
(4)『天空に挑む 日本一の「横浜ランドマークタワー」を建てた三菱地所の
チャレンジ魂』苅谷昭久/著 オーエス出版 1993.7
p.24~26「歴史と文化を今に残す-『ドックヤードガーデン』」で
ドックヤードガーデンの復元に触れています。
3 横浜市関連資料
ドックヤードガーデンは「都心臨海部総合整備事業(のちの「みなとみらい21」)」
の一環として、保存・活用が検討されました。
そのため、「都心臨海部総合整備事業」の計画類や横浜の都市づくりに携わった
田村氏の著作にも関連の記述があります。
(1)『横浜市都心臨海部総合整備計画構想報告書』大高建築設計事務所 1980.3
・「2 都心臨海部各地区の機能配置の方針」
「土地利用パターンの評価 フィジカルプランの問題 4オープンスペース
水際線の利用」に記載の全てのパターンに「石造ドック公園」とあります。
・「3 土地利用計画」
「モデルプラン比較表」のケース1・2とも、「公園緑地」に
「三菱ドック」とあります。
・「4 公共施設計画」
「4-1公園緑地計画」に「C.ドック公園」とあります。
(2)『都心臨海部総合整備基本計画(中間案)』
横浜市企画調整局都心臨海部総合整備計画担当/編
横浜市企画調整局都心臨海部総合整備計画担当 1981
p.53~55「(5)水際線利用計画」に「ドックパーク」とあります。
(3)『都心臨海部総合整備基本計画概要』
横浜市企画調整局/編 横浜市企画調整局 1981
p.22~23「6.水際線利用計画」に「ドックパーク」とあります。
(4)『横浜市都心臨海部総合整備基本計画報告書』
大高建築設計事務所 1981.3
p.63、p.69に、石造ドックとドック公園に関する記述があります。
(5)『都心臨海部総合整備基本計画調査(2)報告書(みなとみらい21)』
大高建築設計事務所 1982.3
p.81「中央地区 街づくり計画指針 街区番号25」に
「その他:石造ドックの保存・再利用」とあります。
(6)『みなとみらい21地区の公園・水辺づくり 市政モニターアンケート報告書』
横浜市市民局広報相談部広聴課 1991.3
みなとみらい21地区の整備に伴って行われたアンケート結果報告です。
p.38「港の機能や土木技術を偲ぶ歴史的資産の保存と土地利用計画」で
「旧横浜船渠石造ドック」が遺産のひとつとして取り上げらています。
(7)『都市プランナー田村明の闘い 横浜〈市民の政府〉をめざして』
田村明/著 学芸出版社 2006.12
著者は、横浜市企画調整局長として横浜の都市づくりに携わりました。
p.126~128「石造ドック・汽車道」に関連の記載があります。
また、同著者の
『都市ヨコハマ物語』(時事通信社 1989.6)p.201~202
『都市ヨコハマをつくる 中公新書』(中央公論社 1983.1)p.186~187
でも、石造ドックについて触れています。
横浜船渠会社については、調べ方マニュアル「横浜船渠会社の歴史について調べる」も
ご参考になさってください。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=man_view&id=2000028100
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 船舶修理.保守 (555 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000326049