レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/02/05
- 登録日時
- 2022/03/11 00:30
- 更新日時
- 2022/03/11 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-210122
- 質問
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解決
八丈島に漂流した「奥州仙台差浜伊三郎船(1853年12月29日漂着)」,あるいは「奥州石之巻新七船(1855年2月8日)」に関して記述のある資料を紹介してほしい。
- 回答
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・八丈島に漂着した船舶についてまとめられた資料に,「奥州仙台差浜伊三郎船」「奥州石之巻新七船」の記載がありました。※【 】内は当館請求記号
資料1 八丈実記刊行会編 『八丈実記 第2巻』 緑地社, 1975【213.6/コ1/2】
p.355.「第七編 船舶」-「漂着」-「海難」の項
上段17-下段1行目「嘉永六癸丑年大賀郷着 同年十二月廿九日中之郷藍ヶ江漂着,奥州仙台差浜伊三郎船十四人乗」
下段8-9行目「安政二乙卯年二月廿日中之郷藍ヶ江漂着,奥州仙台石之巻新七船乗組十五人」
・「奥州石之巻新七船」に関して,下記の資料に詳細にまとめられています。
※船舶の名称は「泰亨丸(たいこうまる)」と呼ばれており,石巻湾に帰着した際の日付の推定も記載されています。
資料2 石巻市史編さん委員会『石巻の歴史 第2巻 近世編』石巻市, 1998【K253.3/イ1-2/オ2-1】
pp.253-255.「第三章 港町石巻の発展」-「第四節 漂流」-「1.漂流記録」-「泰亨丸の漂流」
「泰亨丸は,中町(中央二)阿部屋新七所有の船で,安政二年(一八五五)に漂流して八丈島に漂着した。(中略)泰亨丸は一千五〇〇石積,二八反帆で乗組員は一五名であった。安政二年(一八五五)三月七日,石巻河口港で廻米二千六九一俵,炭六〇俵,銀二○箱,藍玉二五箱,豆一二八俵を積み込み,石浜(塩竈市桂島)に向かった。
(中略)文久二年(一八六二)の「本間家文書」には,「泰亨丸 阿部屋新七」とあるので,船は補修をしてのち石巻湾に帰ってきたものと推定される。泰亨丸が,石浜を出帆したのが三月二十二日,八丈島に着いたのが四月六日で,約半月間の漂流であった。石巻を出帆してから銚子まで二か月と八日間の航海であった。」
なおpp.192-193.に「阿部屋新七」に関する記載があります。
資料3 石巻市史編纂委員会編『石巻市史編纂資料 第1集』 石巻市史編纂委員会, 1978【K253.3/イ3/ウ1】
pp.11-37.『仙台侯御国米運漕船 遭難漂流始末上申及口書,諸願書』
p.37.の解説 佐藤祐一「安政二年二月(一八五五年三月),石ノ巻村新七所有の穀船泰亨丸が仙台藩(藩主伊達慶邦)の江戸回米二千六百余俵その他を積んで宮城郡石巻港を出帆,江戸へ向かう途中大時化に遭い,一度は伊豆国(現在の静岡県東部)八丈島に漂着。船を修理の上浦賀港へ入港しようとしたが,再び時化に遭い,銚子沖で難船。そのまま船は銚子川口につなぎとめて江戸表へ出府,航海の模様を逐一報告した文書がこれである。(後略)」
また,p.12.に乗組十五人の氏名が記載されています。
・その他,下記の資料に「泰亨丸」に関する記載がありましたので参考までにご紹介します。
資料4 かたりべ通信社『ふるさとのかたりべ』 石巻千石船の会, 【PK253.3/フ】
p.48.「泰亨丸の漂流について」(11号,1996.4)
pp.97-98. 森玲子「泰亨丸の漂流」(23号,1998.1)
資料5 日本海事史学会『海事史研究 46号 (1989.3)』 日本海事史学会, 【PA683/カ】
pp.44-58. 堀内俊明「泰亨丸の航跡」
- 回答プロセス
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資料1-5のほか下記の資料を調査しました。資料6-32にはご質問に関する記載は見当たりませんでした。
資料6 菊田定郷『仙台人名大辞書』 続「仙台人名辞書」刊行会, 1981【K280/キ1-2/イ】
資料7 『仙台藩家臣録 索引』 宮城県図書館, 1980【K288/セ2-2】
資料8 田辺 希文ほか『伊達世臣家譜 第2巻』 宝文堂, 1975【K288/タ6/エ2】
資料9 田辺 希文ほか『伊達世臣家譜 第3巻』 宝文堂, 1975【K288/タ6/ウ3】
資料10 田辺 希文ほか『伊達世臣家譜 続編 第2巻』 宝文堂出版販売, 1978【K288/タ6-2/ウ2】
資料11 田辺 希文ほか『伊達世臣家譜 続編 第4巻』 宝文堂出版販売, 1978【K288/タ6-2/4】
資料12 仙台市史編さん委員会編『仙台市史 通史編4』 仙台市, 2003【K225/セ1-13/4】
資料13 女川町誌編纂委員会編『女川町誌』 女川町, 1960【K253.1/オ1/エ】
資料14 女川町誌編さん委員会編『女川町誌 続編』 女川町, 1991【K253.1/オ1/2】
資料15 牡鹿町誌編さん委員会編『牡鹿町誌 中巻』 牡鹿町, 2005【K253.2/オ1/ウ2】
資料16 石巻市史編纂委員会編『石巻市史 第2巻』 石巻市, 1956【K253.3/イ1/ウ2】
資料17 石巻市史編纂委員会編『石巻市史編纂資料 第2集』 石巻市史編纂委員会, 1979【K253.3/イ3/2】
資料18 石巻市史編さん委員会編『石巻の歴史 第4巻』 石巻市, 1989【K253.3/イ1-2/エ4】
資料19 気仙沼市史編さん委員会編『気仙沼市史 2』 気仙沼市, 1988【K263.6/ケ3/エ2】
資料20 気仙沼市史編さん委員会編『気仙沼市史 3』気仙沼市, 1990【K263.6/ケ3/エ3】
資料21 千葉賢一『全訂・年表による石巻の歴史』ヤマト屋書店, 1996【K253.3/1996.7】
資料22 宮城県編『宮城県海嘯誌』宮城県, 1903【K453/ミ1-3】
資料23 東北大学地域社会研究会編『宮城県の地理と歴史 1』 国書刊行会, 1982【K200.4/ミ1-2/1】
資料24 入間田宣夫『講座東北の歴史 第4巻』 清文堂出版, 2012【K201/2012.9/4】
資料25 斎藤善之『武山六右衛門家文書』石巻千石船の会, 2006【K683/2006.2】
資料26 一関市博物館編『北上川・陸と海を結ぶ道』 一関市博物館, 2018【K684/2018.9】
資料27 岩手県南史談会編『県南史談』18号(1963.12) 岩手県南史談会, 【PK272/ケ】
資料28 八丈実記刊行会編『八丈実記 第1巻』 緑地社, 1964【213.6/コ1/1】
資料29 八丈実記刊行会編『八丈実記 第4巻』 緑地社, 1975【213.6/コ1/4】
資料30 八丈実記刊行会編『八丈実記 第5巻』 緑地社, 1977【213.6/コ1/5】
資料31 東京都八丈島八丈町教育委員会編『八丈島誌』 東京都八丈島八丈町教育委員会, 1973【213.6/ト15】
資料32 荒川 秀俊『日本漂流漂着史料』 地人書館, 1962【299/ア1】
- 事前調査事項
- NDC
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- 航海.航海学 (557 9版)
- 参考資料
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- 近藤 富蔵/著 八丈実記刊行会/編纂. 八丈実記 第2巻. 緑地社, 1975【213.6/コ1/2】:
- 石巻市史編さん委員会/編. 石巻の歴史 第2巻 近世編. 石巻市, 1998.3【K253.3/イ1-2/オ2-1】:
- 石巻市史編纂委員会/編. 石巻市史編纂資料 第1集. 石巻市史編纂委員会, 1978【K253.3/イ3/ウ1】:
- かたりべ通信社. ふるさとのかたりべ 創刊号(1995.6)-. 石巻千石船の会, 【PK253.3/フ】:
- 日本海事史学会. 海事史研究 1号 (昭38.12)-. 日本海事史学会, 1963-【PA683/カ】:
- . 角川日本姓氏歴史人物大辞典 4. 角川書店, 1994.7【K288/カ9/イ】:
- キーワード
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- 海難--宮城県--歴史--江戸時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000313376