レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/07/14
- 登録日時
- 2019/03/27 00:30
- 更新日時
- 2019/03/27 15:34
- 管理番号
- 茨城-2018-091
- 質問
-
解決
茨城の天然砥石について,町村誌や資源・民俗調査報告などで発見の伝承、操業の沿革などを伝えた資料を探している。「砥石」「砥石山」「砥山」などの単語を含む文献資料があれば知りたい。
- 回答
-
ご質問のありました「茨城県内の砥石」について,次のとおり回答しますのでご確認ください。
なお,当館では,合理的な検索手段がなく通読による調査はいたしかねます。
目次に関連する箇所がある場合のみ確認していますので,ご了承ください。
また,書名の下のリンクは,国立国会図書館サーチの書誌情報へのリンクです。
右側の「見る・借りる」の各館リンクをクリックすると,それぞれの図書館の書誌情報にリンクします。閲覧される際の参考にしてください。
A 勧業博覧会リストに掲載の市町村史誌等の調査
(a) 堤上村・久原村 →旧:岩瀬町→現:桜川市
△(1)『岩瀬町史 通史編』(岩瀬町,1987)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002601362-00
国会図書館デジタル送信対象資料。東京都立中央図書館所蔵あり。
第5編 近世の岩瀬地方 第4章 流通経済と岩瀬
砥石については記載なし。
第6編 近代の岩瀬 第7章 明治期の文化活動
p.897-899「桜川事蹟考の内容」の項に,「桜川につきての名産品」あり(p.897)との記述あり。
×(2)『桜川事蹟考』(石倉重継/著,幽調館,1895)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001674849-00
国会図書館デジタル送信対象資料
p.35-36「櫻川に縁ある名産品」に「櫻川硯石」の解説あり。
砥石については記載なし。
×(3)「桜川事蹟考と石倉重継」(仲根 隆淳/著,2002,『岩瀬町史研究 第2号』所収)
「岩瀬町史研究」
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000035395-00
国会図書館所蔵あり。
名産品の内容については説明なし。
(b) 赤沢村 →旧:桂村・七会村→現:城里町
○(4)『七会村の歴史』(七会村史編纂委員会/編集,七会村,2005)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007630290-00
国会図書館・東京都立中央図書館所蔵あり。
第4章 近世 第5節 村方騒動と村境争い p.108-111
小項目に「赤沢村」の名がでてきたので確認しましたが,砥石に関する記述はなし。
第6節 村の諸産業と交通・運輸 p.112-124
p.112 「水府志料」に記載の七会村域の金石類について「七会村域に関しては、金が金沢、高野、塩子等の村に産すと説明があり、以下鉛・銀・錫・石英・松煙が塩子村に出る」と記述あり。
続いて「高取鉱山」と「硝石」について項がありますが,砥石については記載なし。
第5章 近代 第5節 明治期の諸産業と村民生活 p.179-187
p.179『茨城県町村沿革誌』(明治30年)で引用されている物産の解説に「砥石」がありますが,「産出少ナクシテ挙クルニ足ラス」とあります。
p.187「タングステンの発見と高取鉱山の開発」の項あり。砥石については記述なし。
○(5)『茨城県町村沿革誌』(細谷 益見/著,細谷益見,1897)
原本 http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000425557-00
国会図書館所蔵あり。
復刻版 http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002621670-00
国会図書館デジタル送信対象資料。東京都立中央図書館所蔵あり。
村ごとに物産の項目がありますが,索引がなく通読しなければならないため,恐れ入りますがご自身の目でご確認ください。
○(6)「水府志料」(小宮山楓軒/著,『茨城県史料 近世地誌編』所収,p.213-400)
『茨城県史料 近世地誌編』(茨城県史編さん近世史第1部会/編,茨城県,1968)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002130196-00
国会図書館デジタル送信対象資料。東京都立中央・多摩図書館所蔵あり。
原本 http://id.ndl.go.jp/bib/000007298916
国会図書館デジタルライブラリー(インターネット公開)
p.380-381「水府志料 物産 金石類并雑産」の項に「砥 金澤、大久保、木葉下等處ゝに産す」との記述あり(p.381)。
個々の村の説明については,恐れ入りますがご自身の目でご確認ください。
金澤→日立市・大子町にあり(出典:『角川日本地名大辞典 8 茨城県』)
大久保→現:日立市
木葉下→現:水戸市
×(7)『水戸市史 中巻 1』(水戸市史編纂委員会/編,水戸市,1968)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001127035-00
国会図書館デジタル送信対象資料。東京都立中央図書館所蔵あり。
第4章 産業経済と交通運輸の発達 第2節 木葉下金山その他諸鉱山の採掘と鋳銭 p.486-506
「木葉下金山」の項がありますが,砥石については記載なし。
その他の流通経済・産業についての項に「砥石」について記載なし。
○(8)『水戸市史 中巻 2』(水戸市史編纂委員会/編,水戸市,1969)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001307183-00
国会図書館デジタル送信対象資料。東京都立中央図書館所蔵あり。
第8章 享保の新政と寛延・宝暦の改革 第2節 城下町町人の訴状 農村の商業・手工業 p.157-160
p.159「享保記城下町近材農村の商人・職種」の表で,田彦村に「砥石」あり。
p.158の解説では,田彦は「水陸交通の要地の村々」とあります。
その他の流通経済・産業についての項に「砥石」について記載なし。
田彦村 →旧:勝田市→現:ひたちなか市
×(9)『勝田市史 中世編・近世編』(勝田市史編さん委員会/編,勝田市,1978)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002590362-00
国会図書館デジタル送信対象資料。東京都立中央図書館所蔵あり。
近世の流通経済・産業についての項を確認しましたが,「砥石」については記載なし。
○(10)『水戸市史 中巻 4』(水戸市史編纂委員会/編,水戸市,1982)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001231160-00
国会図書館デジタル送信対象資料。東京都立中央図書館所蔵あり。
第20章 安政の改革 第8節 安政改革期の産業経済政策
石場会所の営業 p.721-724,堺会所における国産物販売 p.722-726
江戸・大坂の会所の営業範囲の品目の中に,「砥」「砥石」あり(p.722,725)。産地については記載なし。
×(11)『桂村史 通史編』(桂村史編さん委員会/編,桂村,2004)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007683140-00
国会図書館・東京都立中央図書館所蔵あり。
第3編 近世 第3章 産業と交通の発達 第2節 諸産業の発展 p.237-244
「錫」「銀」「鉄」については解説がありますが,「砥石」はなし。
第4編 近代 第3章 明治の御代の諸相 第1節 産業と交通 p.364-376
p.373-374「岩船石と高根石」の項に,岩船石・高根石・黒みかげについて解説がありますが,「砥石」はなし。
×(12)『桂村郷土誌 三訂版』(桂村郷土誌編さん委員会/〔編〕,茨城県東茨城郡桂村教育委員会,1998)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002746028-00
国会図書館・東京都立中央図書館所蔵あり。
5 水戸藩と郷土 (2) 錫鉱発掘
砥石については記載なし。
13 郷土の産業
(4) 工業 p.253-256
p.255「業種別事業所数」(平成6年工業統計調査)の一覧に「窯業・土石製品製造業 4事業所」とありますが,詳細は記載なし。
(5)鉱業 p.257-263
砥石については記載なし。
(c) 成沢村 →現:日立市
○(13)『日立市史』(日立市史編さん会 編,日立市,1959)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000991849-00
国会図書館デジタル送信対象資料。東京都立中央図書館所蔵あり。
第一篇 明治以前の日立 第七章 日立地方の産業 二 鉱工業
p.398-399「砥石」の項目あり。
第二篇 明治以後の日立 第五章 日立地方における産業の発達 一 鉱工業の発達
p.605「砥石採掘事業」の項目あり。
○(14)『新修日立市史 上巻』(日立市史編さん委員会 編,日立市,1994)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002392415-00
国会図書館・東京都立中央図書館所蔵あり。
近世 第4章 農村の変容と藩の対応 第四節 産業の発達
p.591-597「鉱工業の発達」の項に砥石について書かれた部分あり(p.593-594)。
×(15)『新修日立市史 下巻』
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002518213-00
国会図書館・東京都立中央図書館所蔵あり。
目次より「鉱工業」「勧業政策」等の項を確認しましたが,砥石について書かれた部分はなし。
B 当館OPACにて「砥石」「砥石山」「砥山」で検索
○(16)「聞き書き 砥石山の経営」(朝日忠蔵/述,『日立市郷土博物館紀要 4』(1984)所収,p.50-61)
「日立市郷土博物館紀要」(日立市郷土博物館)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000037582-00
国会図書館所蔵あり。
採石は「諏訪の国有林の堂平」との記述があります。
○(17)「白色流紋岩製砥石石材探索記」(佐々木義則/著,『婆良岐考古 第39号』(2017)所収,p.61-72)
「婆良岐考古」(婆良岐考古同人会)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024864635-00
国会図書館所蔵あり。
「日立産変成岩製砥石」「山方産凝灰岩製砥石」の記述あり。
○(18)『武田石高遺跡 奈良・平安時代編第2分冊』(ひたちなか市文化・スポーツ振興公社/編,ひたちなか市教育委員会,2000)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002888579-00
国会図書館所蔵あり。
p.273-290「岩質・形態からみた武田石高遺跡出土砥石の特徴」
p.273「山方産凝灰岩製砥石」の分布について「大子町大円地付近から金砂郷町西金砂山付近」で産出とされています。
山方町 →現:常陸大宮市
大子町(現在もそのまま)
金砂郷町 →現:常陸太田市
p.281「水戸産珪質頁岩製の砥石」に,水戸市成沢町付近(木葉下)記載あり。
p.281「つくば産雲母片岩製の砥石」については,産地不明。
×(19)『山方町誌 上巻』(山方町史編さん委員会/編,〔茨城県那珂郡山方町文化財保存研究会〕,1977)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002601025-00
国会図書館デジタル送信対象資料。
産業・村落についての部分を確認しました。
鉱石・硯石・火打石については記載がありますが,砥石はなし。
×(20)『山方町誌 下巻』(茨城県那珂郡山方町文化財保存研究会/編,山方町文化財保存研究会,1982)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I062819602-00
東京都立中央図書館所蔵あり。
勧業・工業に関する部分を確認しました。
硯石についての記載はありますが,砥石はなし。
×(21)『大子町史 通史編 上巻』(大子町史編さん委員会/編,大子町,1988)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002611767-00
国会図書館デジタル送信対象資料。東京都立中央図書館所蔵あり。
第4編 近世 第3章 社会と経済 第2節 産業の発達 p.507-544
金鉱についての記述はありますが,砥石はなし。
×(22)『大子町史 通史編 下巻』(大子町史編さん委員会/編,大子町,1993)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002632099-00
国会図書館デジタル送信対象資料。東京都立中央図書館所蔵あり。
第5編 近代 第2章 日露戦争前後の大子地方 第4節 諸産業の概況と生産、生活 4 馬産と商工業、鉱業 p.194-206
金鉱のみ。砥石については記載なし。
×(23)『金砂郷村史』(金砂郷村史編さん委員会/編集,金砂郷村,1989)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002016398-00
国会図書館・東京都立中央図書館所蔵あり。
産業に関する部分を確認しましたが,砥石については記載なし。
○(24)「島名八幡前遺跡出土の近世砥石の再検証」(菊池 直哉/著,『埋蔵文化財年報 26(平成18年度)』(2007)所収,p.163-170)
「埋蔵文化財年報」(茨城県教育財団)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009204143-00
国会図書館所蔵あり。
「山方産凝灰岩製砥石」の記述あり。
C 産業・民俗調査報告書等
○(25)『茨城の諸職 諸職関係民俗文化財調査報告書』(茨城県教育委員会,1989)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001996362-00
国会図書館・東京都立中央図書館所蔵あり。
p.122「砥石製造」に日立市成沢町の「助川青砥」があります。
○(26)『茨城の産業』(河本 幸郎/著,小平記念会 1978)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002962061-00
国会図書館所蔵あり。
第8章 石材産業 p.126-140
p.137「砥石と滑石」の項で,日立市の青砥について解説されています。
○(27)『茨城の伝統産業』(茨城県高等学校教育研究会商業部/編,茨城新聞,1978)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I043671865-00
東京都立多摩図書館所蔵あり。
p.45-46「日立の青砥-日立市」
p.139-142「岩瀬の砥石-岩瀬町」
日立と岩瀬の砥石について解説されています。
その他確認したが,記述のなかった資料
×(28)『水戸市史 上巻・中巻3・5,下巻1-3』(水戸市史編纂委員会/編,水戸市)
×(29)『木葉下遺跡』(茨城県教育財団/編,茨城県教育財団,1982)
×(30)『桜川昔ばなし抄』(福島 護/著,〔福島紀美江〕,2007)
×(31)『桂村郷土誌 二訂版』(桂村教育委員会/編,桂村教育委員会,1978)
×(32)『桂村郷土誌』(桂村郷土誌編さん委員会/編集,桂村教育委員会,1967)
×(33)『地場産業実態調査報告書』(常陽産業開発センター/〔編〕,常陽産業開発センター,1981)
×(34)『茨城県農業史料 地場産業編』(茨城県農業史研究会/編,茨城県農業史編さん会,1985)
×(35)『茨城の職人百景』(岡村 青/著,崙書房,1985)
×(36)『職人くさぐさ』(佐賀 純一/編,筑波書林,1982)
×(37)『職人・職業漫筆』(秋山 桑人/著,筑波書林,1990)
×(38)『職人・職業漫筆 続』(秋山 桑人/著,筑波書林,1993)
×(39)『職人職業漫筆 続々々』(秋山 桑人/著,STEP,2000)
- 回答プロセス
-
(1)出典資料を確認→『明治前期産業発達史資料 第7集 第1』(国会図書館デジタル送信対象資料) 156-163コマ
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2468356
『角川日本地名大辞典 8 茨城県』→成瀬村:筑波郡,成沢村:多賀郡
p.1444 成沢村(日立市)の小字一覧に「東八窪」あり。
→質問者に確認し,成沢村で調査する同意を得る。
(2)該当市町村史を確認
(3)OPACにて「砥石」「砥石山」「砥山」で検索
(4)産業・民俗調査報告書と,それぞれの書架のブラウジングより関連しそうな図書を確認
- 事前調査事項
-
天然砥石について調べていて、目下東日本の産地のチェックリストを作成中である。
国会図書館からもらった明治十年勧業博覧会のリストには、茨城県の砥石産地として次の3か所が記載されている。
桜川市堤の上(常陸国茨城郡堤上村字大沢山)
桜川市久原 (常陸国茨城郡久原村) これは前者の販売業者で、同一鉱山と思います。
東茨城郡城里町赤沢(常陸国茨城郡赤沢村字本内山)
常陸国多賀郡成瀬村字東入久保 これの現在の行政区は不明
砥石は日用品ゆえ 手近かの所から採取して使う例が多く、県内にはもっと沢山の産地があると推察する。
- NDC
-
- 金属製品 (581 9版)
- 関東地方 (213 9版)
- 産業史.事情.物産誌 (602 9版)
- 参考資料
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- 七会村の歴史七会村史編纂委員会/編集七会村
- 茨城県町村沿革誌細谷 益見/著細谷益見
- 茨城県史料近世地誌編茨城県史編さん近世史第1部会/編茨城県
- 水戸市史中巻2水戸市史編さん委員会/編水戸市役所
- 水戸市史中巻4水戸市史編さん委員会/編水戸市役所
- 日立市史日立市史編さん委員会/編日立市
- 新修日立市史上巻日立市史編さん委員会/編日立市
- 日立市郷土博物館紀要4日立市郷土博物館/編日立市郷土博物館
- 婆良岐考古第39号婆良岐考古同人会
- 武田石高遺跡奈良・平安時代編第2分冊ひたちなか市文化・スポーツ振興公社/編ひたちなか市教育委員会
- 年報26(平成18年度)茨城県教育財団/編集茨城県教育財団
- 茨城の諸職茨城県教育委員会
- 茨城の産業河本 幸郎/著小平記念会
- 茨城の伝統産業茨城県高等学校教育研究会商業部/編茨城新聞
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000253853