レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/09/21
- 登録日時
- 2020/11/07 00:30
- 更新日時
- 2020/11/07 13:13
- 管理番号
- 所沢狭山-2020-007
- 質問
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解決
唐招提寺や東大寺大仏殿の屋根の両端についている、飾りの名称が記載されている本を探している。
- 回答
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唐招提寺や東大寺大仏殿の屋根の両端についている飾りは、鴟尾(しび)といいます。
以下の資料に記載があります。
〇『和風建築の大研究』 PHP研究所/編 PHP研究所 2006年
〇『事前学習に役立つみんなの修学旅行 奈良・大阪』 山田邦和/監修 小峰書店 2014年
〇『るるぶ京都奈良古寺めぐり』 JTBパブリッシング 2016年
〇『唐招提寺』 宝島社 2010年
〇『よみがえる鴟尾』 福田静男/著 大仏奉賛会 1989年
〇『建築大辞典』 彰国社/編 彰国社 1993年
〇『寺社建築の歴史図典』 前久夫/著 東京美術 2002年
〇『図説日本木造建築事典』 坂本功/総編集 朝倉書店 2018年
〇『不滅の建築 2』 鈴木嘉吉/責任編集 毎日新聞社 1988年
〇『古寺建築入門』 工藤圭章/文 岩波書店 1984年
〇『奈良の寺々』 太田博太郎/著 吉川弘文館 2019年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『和風建築の大研究』 PHP研究所/編 PHP研究所 2006年
p.36 「東大寺・大仏殿」の項に、「鴟尾」という名称とイラスト、以下の解説が記載されています。
「棟飾りの1種。鳥や魚のしっぽににているが、想像上の生物の一部。のちの鬼瓦やしゃちほこのもとになった。」
〇『事前学習に役立つみんなの修学旅行 奈良・大阪』 山田邦和/監修 小峰書店 2014年
p.10-11 「東大寺」の項に、大仏殿の写真と、「鴟尾」という名前、以下の解説が記載されています。
p.11「古代の建築物で、屋根のはしに置かれた鴟尾は、魚がはねているようすを表したもの。水をつかさどる鴟尾を屋根に置いたのは、火事をさけるためのまじないだったという。しゃちほこや鬼瓦の起源ともなった。」
p.14 「唐招提寺」の項はあるが、建築の説明はありません。
〇『るるぶ京都奈良古寺めぐり』 JTBパブリッシング 2016年
p.98-99 「唐招提寺」の項に、金堂の写真と「鴟尾」についての解説が記載されています。
〇『唐招提寺』 宝島社 2010年
p.36に唐招提寺の鴟尾の解説と写真が記載されています。
p.56-61 「鴟尾や四万枚以上の瓦が語る建物の構造とは」の項に記載されています。
p.64 「屋根の形に合わない二つの鴟尾の穴」の項に記載されています。
〇『よみがえる鴟尾』 福田静男/著 大仏奉賛会 1989年
p.79-81 「「鴟尾」の話」の項に、東大寺大仏殿および唐招提寺金堂の鴟尾について記載されています。
2.本館による後日調査
〇『建築大辞典』 彰国社/編 彰国社 1993年
p.724 「しび 鴟尾」の項に以下の解説が記載されています。
「中国建築で、屋根の大棟の両端に付ける屋根飾りをいう。(中略)我が国では古代の宮殿や仏殿、官庁建築などに火防ぎのまじないとして用いられた。(後略)」
また、「鴟尾(仏光寺大殿)」の図があります。
p.2046「2 和様(唐招提寺金堂)」の図に、「鴟尾」が記載されています。
p.2059「16 唐代の寺院建築(仏光寺大殿)」の図に、「鴟尾」が記載されています。
〇『寺社建築の歴史図典』 前久夫/著 東京美術 2002年
p.344-357 「屋根・瓦(やね・かわら)」の項に、以下の解説が記載されています。
p352「最後に、さきの大棟と同様、瓦葺や檜皮葺その他を問わず共通に用いられるものとして、鴟尾、鬼瓦、獅子口などにふれておこう。これらは大棟や降棟などの先端をおおうとともに、一種の魔除け、災難除けとしての意味があった。鴟尾(中略)の起源については明らかでない。(中略)飛鳥・奈良時代の主要寺院や宮殿には、たいていこの鴟尾が上げてあった。(後略)」
p.354に「鴟尾」の図が記載されています。
〇『図説日本木造建築事典』 坂本功/総編集 朝倉書店 2018年
p326「(前略)棟の両端を納める手法としては、鴟尾、鬼瓦、獅子口がある。鴟尾、鬼瓦はともに、瓦の伝来時点から使われ、唐招提寺金堂(奈良県)には奈良時代創建時のものが残っている。(後略)」と記載があります。
〇『不滅の建築 2』 鈴木嘉吉/責任編集 毎日新聞社 1988年
p.60「唐招提寺金堂復原(断面及び側面)」の図に、「鴟尾」が記載されています。
p.62 「西方鴟尾」の写真があります。
〇『古寺建築入門』 工藤圭章/文 岩波書店 1984年
p.90-91 「瓦」の項に、鴟尾の写真および以下の解説が記載されています。
p.91「(前略)飛鳥時代や奈良時代の仏堂では、大棟の両端には鴟尾がのせられた。法隆寺金堂も建立当時は鴟尾が棟の両端を飾っていた。奈良時代の鴟尾がいまもそのまま大棟にのっているのは唐招提寺金堂(中略)だけであり、西の鴟尾(中略)が奈良時代、東の鴟尾は鎌倉時代のものである。(後略)」
〇『奈良の寺々』 太田博太郎/著 吉川弘文館 2019年
p.27「図13 屋根の形」に、鴟尾の記載あり。
p.117-123 「金堂」に、唐招提寺金堂の屋根について以下のとおり記載されています。
p.117「(前略)大棟の西には創建当初の、東には元亨三(一三二三)年に模造した鴟尾が上がっています。(後略)」
×『伝統木造建築事典』 高橋昌巳/編著 井上書院 2018年
×『図説建築用語事典』 五十嵐永吉/著作者 実教出版 2005年
×『建築大百科事典』 長澤泰/編集 朝倉書店 2008年
×『神社とお寺がわかる事典』 井上智勝/監修 PHP研究所 2009年
×『宮大工と歩く千年の古寺』 松浦昭次/著 祥伝社 2002年
×『入門日本の名建築』 松崎照明/監修 洋泉社 2013年
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本の建築 (521 9版)
- 日本 (291 9版)
- 各宗 (188 9版)
- 参考資料
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- 和風建築の大研究 PHP研究所/編 PHP研究所 2006.4 521 4-569-68601-X
- 事前学習に役立つみんなの修学旅行 奈良・大阪 山田邦和/監修 小峰書店 2014.2 291.093 978-4-338-28402-8
- るるぶ京都奈良古寺めぐり JTBパブリッシング 2016.9 291.62 978-4-533-11334-5
- 唐招提寺 宝島社 2010.4 188.15 978-4-7966-7185-9
- よみがえる鴟尾 福田静男/著 大仏奉賛会 1989.3 521.818 4-7940-0050-2
- 建築大辞典 彰国社/編 彰国社 1993.6 520.33 4-395-10015-5
- 寺社建築の歴史図典 前久夫/著 東京美術 2002.3 521.81 4-8087-0719-5
- 図説日本木造建築事典 坂本功/総編集 朝倉書店 2018.12 521 978-4-254-26645-0
- 不滅の建築 2 鈴木嘉吉/責任編集 毎日新聞社 1988.7 521 4-620-60272-8
- 古寺建築入門 工藤圭章/文 岩波書店 1984.6 521.818
- 奈良の寺々 太田博太郎/著 吉川弘文館 2019.10 521.818 978-4-642-07109-3
- キーワード
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- 東大寺
- 唐招提寺
- 鴟尾
- 屋根
- 大棟
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000289228