①『老眼のウソ』
p42-43「目のレンズは柔らかく毛様体筋という筋肉によって厚みを変えることができます。」「「筋肉(毛様体筋)の力」がどれだけしっかりしているかが老眼を決めます。」とあり、近くを見るときと遠くを見るときの毛様体筋の状態と水晶体のレンズの厚みの図が掲載されている。
②『「よく見える目」をあきらめない』
p.13-14「年をとると水晶体が少しずつ硬くなり、焦点を合わせる柔軟性(調節機能)を失ってくることが老眼の原因ですが、その年齢が45歳前後であるのは、生物学的に決まっているものなのです。」とあり、p.14-15「目の周りの筋力の低下などによって、これまで何の問題もなく自動調節を行っていた眼のレンズ(水晶体)が、その時々の状況に適した厚さに変化しにくくなり、「近くのものが見えにくい」ということが起こりはじめます。」「同時に、レンズそのものも、徐々に弾力性を失い、硬くなってきます」と書かれている。
③『老眼は治ります。老眼鏡不要の快適生活を送るために』
p.30-34 人間の目の中でカメラのピント調節のような役割をしているのが水晶体で、リラックスした普通の状態では、毛様体筋もリラックスして水晶体は引き伸ばされて薄くなり、目は最も遠くにピントが合う。逆に近くのものを見ようとすると、目の筋肉がギュッと収縮して、水晶体が厚く膨らみ、近くにピントを合わせると説明している。そして、年齢とともに水晶体が硬くなってきて筋肉が収縮しても水晶体の厚みを変えることができなくなることを老眼の状態であると説明している。
p.34-35には2007年に発足した『老眼研究会』における老眼(正式には老視と呼ぶ)の定義が以下の通り紹介されている。「加齢による調節幅の減退(Age-Related Loss of Accommdation)。すなわち、老視とは「見える範囲が狭くなった状態」のことをいう。老視は何らかの介入(治療や補助器具の使用など)が必要な疾患である。」
④『正しく理解して選ぶ視力矯正治療』
p.19目の調節力が歳をとって衰えてくることが「老眼」であり、一種の老化現象であると説明されている。
p.23「調整力は、D(ディオプトリーまたはディオプター)という単位で表されます。」とあり、p.24に「調節力(D)のだし方と年齢別平均」の掲載がある。
p.25-29「年齢とともに急激に衰える目の調節力」のグラフの掲載があり、「40歳から50歳になる頃に、調節力は4Dから2Dに低下します。これは、焦点距離が25センチから50センチ程度になるということです。」「これは、新聞や本を読むときの距離が、平均30センチ前後だということを考えればうなずけます。」と書かれている。そして、「老眼」は6歳の頃から知らないうちにはじまっていて、40代後半から50代になって初めて老眼を意識することになると説明されている。
⑤『屈折異常とその矯正 改訂第6版』
p.232-235 「老視presbyopiaとは年齢とともに調節力が減退し、調節しても近方視が困難になった状態で、一種の老化現象であり、屈折異常とは根本的に異なる状態である。」「年齢とともに水晶体嚢の弾性が減少するため水晶体は固くなり、毛様体筋の収縮により毛様体小帯が弛緩しても水晶体の曲率の増加は十分でなくなる。」と説明されている。また、調整力を測定した値の表と年齢と調節力の関係をあらわしたグラフが掲載されている。老視の手術的療法としてSchacharの方法2種類とConductive keratoplasty(CK)、老視用LASIK、老視矯正リング(AcuFocus Ring)、IntraCORが紹介されている。