レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年10月23日
- 登録日時
- 2022/09/25 17:39
- 更新日時
- 2024/04/10 13:10
- 提供館
- 行橋市図書館 (2300131)
- 管理番号
- 行橋市2022-036
- 質問
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解決
十二支の文字の由来が動物ではなく、植物の成長の状態を表していると解説された本はないか。
- 回答
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※回答プロセス欄より
資料⑧から、正解を発見。「十二支は植物の生長段階を象徴として語と図形が生まれた。」とある。以下、十二文字すべての植物由来の記述・・・
子・・・p.501 「子は孳なり。陽気初めて萌し、下より孳生するなり」と解する。「小さいものが殖える」というイメージを借りて、植物の生長段階の最初に喩え、子を十二支のトップに置いたと考えられる。植物が発生して次々に殖えていく状態を象徴とする。
丑・・・p.902 植物が固くならず柔軟性を保持する状態。
寅・・・p.38 植物が枝葉を伸ばす段階。
卯・・・p.1183 植物が土を冒し出て茂る状態、芽や茎や葉を両側に開く段階を想定している。
辰・・・p.690 植物が盛んに生長する段階。
巳・・・p.502 種子のでき始めることを象徴。
午・・・p.385 折り返し点。
未・・・p.1213 植物の枝がまだ伸びきらない状態。
申・・・p.687 植物の枝が十分に伸びた状態。
酉・・・p.1254 植物が老いた状態、あるいは成熟した状態。
戌・・・p. 記述なし。
亥・・・p.137 「隅まで張り詰めて、そこでつかえて止まる」、あるいは「固い所(大地の果て)に当たってつかえて止まる」というイメージに展開。
以上。戌に関しては、文字そのものが辞典に載っていなかったので不明。他辞典で調べる必要あり。
★後日、資料⑨を発見。それには、
戌・・・p.114 成熟した植物(特に農作物)を刈り取って収穫する段階を想定。
とあった。この資料には同様に他の十二支十干の由来(p.81~)も載っているので、これ1冊ですべてが確認できる事が判った。
※その他の植物由来に関する記述(詳細ではない)は、資料①②④⑤から。その他の由来は資料③⑥⑦より確認できる。(※長くなるのでここでは省略。以下の関連ファイルに添付)
- 回答プロセス
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質問者の事前調査事項より、玄侑宗久氏の書籍をTOOLiで探すが載っていそうなものは無かった。十二支関連の資料では見つからなかったが、『全訳漢辞海』(戸川 芳郎/監修 東京:三省堂)に十二支の漢字の成り立ち項目にそれらしき記載があった。→改めて見直すと、十二支に関する記載はあるものの探している内容ではなかった。
<再調査>
Ⅰ.質問者の事前調査をもとに「チコちゃんに叱られる!」をインターネットで検索すると、ザ・テレビジョンwebサイトにて過去の放送一覧があり、該当の放送回(2018.6.1放送)を発見。(2022/11/3時点)
同結果で、おそらく非公式ではあるが、過去の放送内容をより詳しく書いているサイトも発見。http://xn--h9jua5ezakf0c3qner030b.com/960.html(2022/11/3時点)
その中で”殷王朝の暦””植物の成長””玄侑宗久”のワードが。非公式の情報をあてにするべきではないが、とりあえずそれらはキーワードになるはずだと思い、所蔵検索。”暦/3類・4類”でそれぞれ検索した結果・・・
①『子どもに伝えたい年中行事・記念日』(萌文書林編集部/編 東京:萌文書林)
②『旧暦読本』(岡田 芳朗/著 大阪:創元社)
③『旧暦で読み解く日本の習わし』(大谷 光男/監修 東京:青春出版社) などを発見。
Ⅱ.”十二支/干支/十干”を一般書と児童書それぞれで所蔵検索した結果・・・
④『日本十二支考』(濱田 陽/著 東京:中央公論新社)
⑤『吉祥ありがた図鑑 幸運をもたらす干支のいわれ』(王 敏/著 東京:実業之日本社)
⑥『十二支のはなし』(大場 磐雄/著 ニュー・サイエンス社)
⑦『十二支読本 稲田』(稲田 義行/著 大阪:創元社) などを発見。
Ⅲ.十二支の漢字それぞれの成り立ちを辞書で調べる・・・『大漢和辞典』で十二支すべての文字の由来や成り立ちを見ると、植物に関するものもあるにはあったが全てではないし、十二支に関連すると考えられるものでもなかった。他の漢字辞典類も見たが無し。
★820書架から漢字の語源資料を見つける。
⑧『漢字語源語義辞典』(加納 喜光/著 東京:東京堂出版)
を見ると、ほとんどの文字の植物由来を発見した。一部ではなくひとつひとつちゃんと書かれているものだったので、正解であると言える。
★資料⑧には”戌”の文字が見当たらなかったので、再び820の書架で探すと
⑨「数の漢字の起源辞典」(加納 喜光/著 東京:東京堂出版)
を発見。見ると十二支の項目がしっかりあり、”戌”はもちろん他の文字の由来も確認できた。
- 事前調査事項
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NHKの番組「チコちゃんに叱られる!」で取り上げられ、臨済宗寺の住職 玄侑宗久氏が解説していたとのこと。
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380)
- 時法.暦学 (449)
- 参考資料
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大谷光男 監修 , 大谷, 光男, 1927-. 『旧暦で読み解く日本の習わし』. 青春出版社, 2003. (プレイブックスインテリジェンス = Play books intelligence)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004219140-00 , ISBN 4413040708 (資料番号:111853016 請求記号:449.3キ 掲載頁:p.21) -
稲田義行 著 , 稲田, 義行, 1968-. 『十二支読本 : 暦と運勢のしくみを読み解く』. 創元社, 2017.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028495902-00 , ISBN 9784422390024 (資料番号:113279632 請求記号:449.3セ 掲載頁:p.19-20,29-31) -
岡田芳朗 著 , 岡田, 芳朗, 1930-2014. 『旧暦読本 : 日本の暮らしを愉しむ「こよみ」の知恵』 改訂新版. 創元社, 2015.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I026858263-00 , ISBN 9784422230375 (資料番号:113552517 請求記号:449.3オ 掲載頁:p.175) -
濱田陽 著 , 濱田, 陽. 『日本十二支考 : 文化の時空を生きる』. 中央公論新社, 2017. (中公叢書)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027803258-00 , ISBN 9784120049293 (資料番号:113600241 請求記号:210.1ハ 掲載頁:p.70-72) - 大場 磐雄/著. 『十二支のはなし』. ニュー・サイエンス社, 1988. (資料番号:110351228 請求記号:388 掲載頁:p.3)
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王 敏/著. 『吉祥ありがた図鑑 幸運をもたらす干支のいわれ』. 実業之日本社, 2012-09. (じっぴコンパクト新書)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I052421750-00 , ISBN 9784408109534 (資料番号:112677711 請求記号:388オ 掲載頁:p.31,219) -
萌文書林編集部 編 , 萌文書林. 『子どもに伝えたい年中行事・記念日』 新訂版. 萌文書林, 2019.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029644950-00 , ISBN 9784893473530 (資料番号:113401760 請求記号:386.1コ 掲載頁:p.182) -
加納喜光 著 , 加納, 喜光, 1940-. 漢字語源語義辞典. 東京堂出版, 2014.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025769520-00 , ISBN 9784490108521 (資料番号:113438253 請求記号:821.2カ 掲載頁:多いため、回答欄参照のこと) -
加納喜光 著 , 加納, 喜光, 1940-. 数の漢字の起源辞典. 東京堂出版, 2016.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027449940-00 , ISBN 9784490108767 (資料番号:113201735 請求記号:821.2カ 掲載頁:p.114(”戌”において)p.81-118)
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大谷光男 監修 , 大谷, 光男, 1927-. 『旧暦で読み解く日本の習わし』. 青春出版社, 2003. (プレイブックスインテリジェンス = Play books intelligence)
- キーワード
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- 十二支
- 干支
- 由来
- 植物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000321738
- 関連ファイル