レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2022/03/19 14:39
- 更新日時
- 2022/03/20 17:50
- 管理番号
- 2022-事例27
- 質問
-
解決
宮城県内の狼の生息が最後に確認されたのはいつ頃か
- 回答
-
宮城県では、明治 10 年に狼害対策としてオオカミ捕獲の手当金が支給されるようになったことが、当時の記録に残っている。それによると、「明治 13 年 4 月 27 日の黒川郡吉田村で捕獲された狼児4頭」とあるのが最後の記録である。しかし、この制度は、同年 11 月に手当金の財源不足により廃止されたため、この 4 頭が最後に確認された狼という証拠とはならず、また、これ以降の他の記録も見当たらない。
また、三原良吉著『仙台耳ぶくろ』によると「実沢(仙台市泉区)では明治 20 年ごろも夜になると狼の遠吠えがきこえ、明治 35 年ころは狼が台所のヨゴミをあさりに来ることもあったが、いつとはなく自然にそれも絶えたという」という記述があり、これが事実とすれば、少なくとも明治 35 年頃までは、宮城県内で生息していたことになる。
- 回答プロセス
-
所蔵検索で「ニホンオオカミ」「宮城県」で検索すると『仙台郷土研究(復刊第 40 巻第 2号)』、『仙台郷土研究(復刊第 41 巻第 1 )』、『仙台郷土研究(復刊第 41 巻第 2 号)』の 3冊が検索できる。これらの資料中に「ニホンオオカミはいつ絶滅したのか―宮城県の場合―」
という論文が 3 回にわたって掲載されている。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 東北地方 (212)
- 一般動物学 (481)
- 哺乳類 (489)
- 参考資料
-
- 『郷土史 仙台耳ぶくろ』 三原 良吉/著 宝文堂 1982 年
- 『仙台市史 特別編 1 自然』 仙台市史編さん委員会/編 仙台市 1994 年
- 『オオカミはなぜ消えたか』 千葉 徳爾/著 新人物往来社 1995 年
-
『仙台郷土研究(復刊第 40 巻第 2 号)』 仙台郷土研究会 2015 年
『仙台郷土研究(復刊第 41 巻第 1 号)』 仙台郷土研究会 2016 年
『仙台郷土研究(復刊第 41 巻第 2 号)』 仙台郷土研究会 2016 年 - 『東北学 2015 No06』 東北芸術工科大学東北文化研究センター 2015 年
- 『熊と狼』 東北歴史博物館/編 東北歴史博物館 2017 年
- 『日本列島にいたオオカミたち』 橋本 伸/著 本の泉社 2018 年
-
参考サイト
「明治時代東北地方におけるニホンオオカミの駆除」 中沢 智恵子
2010-03-01. 野生生物保護 : Wildlife conservation Japan 12(2) p. 19-38
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000024-I004535196-00
- キーワード
-
- 日本オオカミ
- 宮城県
- 絶滅
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000313791