レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20210421
- 登録日時
- 2023/03/18 00:30
- 更新日時
- 2023/03/21 11:33
- 管理番号
- 中央-2022-35
- 質問
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解決
江戸城の本丸の「下御鈴廊下(しもおすずろうか)」の近くにあった医師の控え部屋がわかる図面はあるか。二階にあったかもしれない。以前、都立中央図書館特別文庫室で図面を閲覧したという話を聞いた。
- 回答
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資料1『江戸城御本丸表中奥御殿向並御やぐら御多門共惣地絵図(万延度)』に、「奥御医師部屋」2室と「奥詰御医師部屋」1室の記載がある 。この資料は都立図書館のデジタルアーカイブである「TOKYOアーカイブ」で公開している。公開している画像の27枚目(分割12)で確認できる。
「江戸城御本丸表中奥御殿向並御やぐら御多門共惣地絵図(万延度)」
https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/da/detail?tilcod=0000000002-00006416(最終検索日:2023年1月24日)
<調査経過>
最初に「下御鈴廊下(しもおすずろうか)」について調査した。資料2の「御鈴廊下」(p.838)の項に「明暦の江戸大火以後、災害時の避難を考慮して下御鈴廊下が増設された。」とあった。また、資料3の「御鈴廊下」(p.482)に「九代将軍徳川家重時代のはじめまでは上御鈴廊下のみであった可能性も指摘されている。」と記載されている。
江戸城関係の資料4に「奥詰め役人の部屋は、・・・(中略)「奥」の東側にまとめられていた。(中略)小姓・奥儒者・奥医師の部屋は、二階に設けられていたのである。」(p.133)とあり、医師控え部屋が二階にあったことが確認できた。
資料5の巻末(p.192-206)に当館の江戸城関係資料をまとめた「東京都立中央図書館所蔵江戸城関係史料一覧」が掲載されている。これを参考に本丸関係の資料を調査すると、めくり(二階部分の貼り込み図面)の多い図面が資料1『江戸城御本丸表中奥御殿向並御やぐら御多門共惣地絵図(万延度)』だった。この資料は重要文化財なので複製物として紙焼きだけでなく、小型模型図もある。まず模型図でめくりのある部分を確認して、紙焼きの分割図を調査した。その後、TOKYOアーカイブで画像を拡大して「奥詰御醫師部屋 二階」等の記載を確認した。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 建築学 (520 9版)
- 医学 (490)
- 参考資料
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- 【資料1】『江戸城御本丸表中奥御殿向並御やぐら御多門共惣地絵図(万延度)』 <東616/3>
- 【資料2】『国史大辞典 2』 国史大辞典編集委員会/編 / 吉川弘文館 / 1980.7 <R/210.03/32/2> (p.838)
- 【資料3】『江戸幕府大事典』 大石学/編 / 吉川弘文館 / 2009.12 <R/210.50/5426/2009> (p.482)
- 【資料4】『江戸城ー本丸御殿と幕府政治』 深井雅海/著 / 中央公論新社 / 2008.4 <210.50/5340/2008> (p.133)
- 【資料5】『江戸城』 村井益男/責任編集 / 小学館 / 1986.7 <DT/0・090/15> (p.192-206)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000330681