レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年01月12日
- 登録日時
- 2012/04/26 17:30
- 更新日時
- 2012/04/26 17:32
- 管理番号
- 9000007892
- 質問
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解決
ノーベル生理学医学賞の受賞者で、記念講演に「平家物語」の「祇園精舎」の部分を用いた人があると聞いたが、それは誰で、どのような英訳だったのか知りたい。
- 回答
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分子生物学者マックス・デルブリュック博士が、1969年にノーベル医学・生理学賞が決まった際に、記者会見で平家物語の冒頭部分を紹介し、また受賞を祝う研究者たちにこの英訳を配った。英訳については『科学技術白書』平成23年版(文部科学省編・発行 2011年)に掲載がある。
- 回答プロセス
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1.人物の特定に関する調査。
(1)自館システムで件名で「ノーベル賞」を検索し『ノーベル賞の科学 生理学医学賞編:21世紀の知を読みとく』(矢沢サイエンスオフィス編著 技術評論社 2010年)の「ノーベル生理学医学賞全受賞者一覧」を見るが、名前ではわからなかった。
(2)インターネットの検索エンジンで「ノーベル賞 祇園精舎 講演」などのキーワードで検索するが、該当のものは見つからなかった。
(3)Webat plusで「ノーベル賞 祇園精舎」を検索すると『分子生物学を巡る巨人』(碧井猛著
講談社出版サービスセンター 2010年)の目次「アンドレ・ルウォフとマックス・デルブリュック:ノーベル賞と祇園精舎の鐘」がヒットした。同書は当館未所蔵だったが、Wikipediaで「アンドレ・ルウォフ」と「マックス・デルブリュック」をそれぞれ検索すると、マックス・デルブリュックがアメリカ合衆国の生物物理学者で、ドイツのベルリンで生まれ、1969年にノーベル生理学医学賞を受賞していることがわかった。
2.マックス・デルブリュックのノーベル賞受賞について調査。
(1)自館システムで件名「Delbrück Max」を検索すると『分子生物学の誕生:マックス・デルブリュックの生涯』(E・P・フィッシャー著 朝日新聞社 1993年)がヒット。内容を確認するとp379-380に平家物語の冒頭部分については、1969年10月の記者会見で読みあげ、また、受賞を祝ってくれた人に手書きで郵送したと紹介されているが、原文の引用で、英訳の掲載はなかった。
(2)インターネットの検索エンジンで「マックス・デルブリュック 平家物語」で検索すると、「科学技術白書 平成23年版」web版のコラムがヒット(http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa201101/detail/1311127.htm ※2012.1.12確認)。英訳の掲載があった。『科学技術白書』平成23年版(文部科学省編・発行 2011年)ではp49に同内容の掲載があった。
- 事前調査事項
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NHKラジオ第1の「ラジオ深夜便」で紹介していた。放送は平成24(2012)年1月8日の明け方4時頃だったと思う。1960年代のノーベル生理学医学賞で、ドイツ生まれのアメリカ人だと言っていた。
- NDC
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- 生化学 (464 9版)
- 大学.高等.専門教育.学術行政 (377 9版)
- 小説.物語 (913 9版)
- 参考資料
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- 『科学技術白書』平成23年版(文部科学省編・発行 2011年) (p49)
- 『分子生物学の誕生:マックス・デルブリュックの生涯』(E・P・フィッシャー著 朝日新聞社 1993年) (p379-380)
- キーワード
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- マックス・デルブリュック
- ノーベル賞
- 「平家物語」
- 祇園精舎
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 社会科学一般
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000105271