レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年4月14日
- 登録日時
- 2022/04/21 12:26
- 更新日時
- 2022/05/15 15:17
- 管理番号
- 島根郷2022-003
- 質問
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解決
『まんが日本昔ばなし』(毎日放送制作)で放映された、「小僧がま」というエピソードの、原話が掲載されている資料があるか。
あらすじは、布部(島根県安来市広瀬町)に住む、清兵衛という鍛冶屋が、白いツバキの精の力を借り、その椿の枝から作った炭で、丈夫な農具を作る、というものであった。
- 回答
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当館所蔵の、島根県の民話・伝説、あるいは『広瀬町誌』など該当地域の資料にあたったが、「小僧がま」の詳細が載っている資料は見つけることができなかった。
下の調査結果を伝え、回答とした。
- 回答プロセス
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〇安来市立図書館に問い合わせたところ、次の資料を紹介していただいた。
『ふるさとの昔語り』広瀬町社会福祉協議会編(広瀬町社会福祉協議会, 1987)
p.30-31「小僧がまの小僧さん」小藤清己著
〇当館所蔵の資料2裏表紙にあらすじが載っているため、発行元である安来市役所制作推進部秘書広報課に出典を問い合わせたところ、上記の資料を参考にしたとの回答であった。
〇小藤清己氏について、当館所蔵の雑誌『つばき』(資料3)に次の情報が掲載されていた。
・23号(2000.2発行)p.18-20「剣道の指南・椿の指南」井原皓/著
小藤氏の追悼記事。この記事によれば、小藤氏は布部の生まれで、大学卒業後、実業之日本編集部記者をつとめている。
山陰カメリアンクラブのほか、日本ツバキ協会にも入会していたとのこと。
・18号(1995.7発行)p.1-2「布部椿原の椿と幻の川魚「こぎ」について」小藤清己/著
p.2の〈追記〉に、小僧がまの小僧さんの話は、宇山利三郎老から聞いた昔話だという旨がある。
・11号(1988.1発行)p.7-10「広瀬町の「野だたらと椿の里」公園化事業について」小藤清己/著
p.8に次の記述がある。
「そしてこんどテレビの「日本昔ばなし」に「小僧がまの小僧さん」として紹介されるのは、六十二年春広瀬町の「ふるさと昔ばなし」に五編ほど書いた布部の昔話のひとつで、小僧がまといわれる炭焼がまがあった話。」
文中の「ふるさと昔ばなし」は、上の『ふるさとの昔語り』であると考えられる。
インターネット情報の資料4によれば、「小僧がま」は1988年4月9日に放映されている。
小藤氏が事前に放映内容を知っていることから、小藤氏が番組になんらかの関わりを持っていた可能性もある。
〇該当のエピソードが放映された、1988年4月9日前後の地元新聞『山陰中央新報』を確認した。
当日の22面テレビ番組案内に紹介されているが、原話に関する記事は見つけることができなかった。
- 事前調査事項
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質問者が、島根県観光連盟に問い合わせ、下の資料1を確認済。
p.31に「コラム18昔ばなし 小僧がま」があるが、あらすじ程度の内容で、出典はない。
また、質問者の在住地の図書館で、日本各地の伝説や民話を集録した代表的な資料は調査済とのことであった。
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 8版)
- 参考資料
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【資料1】出雲尼子を興す会史跡ガイド部会 編 , 出雲尼子を興す会史跡ガイド部会. ひろせ観光事典 : 700年の城下町 広瀬. 出雲尼子を興す会, 2007.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I069547662-00 (当館請求記号:郷貸出291.71/イ07) - 【資料2】安来市役所. 広報やすぎ:どげなかね 平成27(2015年)3月号 (※貸出禁止資料)
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【資料3】つばき : 会報 山陰カメリアン・クラブ . 山陰カメリアン・クラブ, 1976-.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I069395077-00 (※貸出禁止資料) - 【資料4】[まんが日本昔ばなしデータベース]http://nihon.syoukoukai.com/ (※2022/4/20最終アクセス)
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【資料1】出雲尼子を興す会史跡ガイド部会 編 , 出雲尼子を興す会史跡ガイド部会. ひろせ観光事典 : 700年の城下町 広瀬. 出雲尼子を興す会, 2007.
- キーワード
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- 昔話--島根県--安来市
- 白椿
- 小藤清己
- 照会先
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- 安来市立図書館
- 安来市役所制作推進部秘書広報課
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 小僧がま 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000315253