レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/08/09
- 登録日時
- 2023/10/13 00:30
- 更新日時
- 2023/10/14 08:52
- 管理番号
- 所沢柳瀬-2023-006
- 質問
-
解決
淡路島の神話について書いてある本を探している。
- 回答
-
以下の資料に記載があります。
〇『日本の神話』 松谷みよ子/文 のら書店 2001年
〇『子どもに語る日本の神話』 三浦佑之/訳 こぐま社 2013年
〇『日本昔話事典』 稲田浩二/[ほか]編集 弘文堂 1994年
〇『阪神・淡路島「高低差」地形散歩』 新之介/著 洋泉社 2019年
- 回答プロセス
-
1.淡路島について参考資料確認
『世界大百科事典 2』 平凡社 1988年
p.9 「淡路国」・・・「旧国名。淡州。現在の兵庫県南部の淡路島。(略)≪古事記≫は淡道、≪日本書紀≫は淡路と書く。(略)記紀の国生み神話では、ほとんどの所伝が第一に淡路島が生まれたとする。また反正天皇が淡路で生まれたこと、淡路出身の和知都美命の女が孝霊天皇の妃となったこと、仲哀天皇のとき淡路屯倉を定めたこと、履中、允恭両天皇が淡路で狩りをしたことなどが見える。その多くは史実とは思われないが、淡路が大和朝廷と密接な関係にあったことを示すものである。(略)」
2.所蔵資料内容確認
〇『日本の神話』 松谷みよ子/文 のら書店 2001年
p.9-12 「国生み」に下記の通り記述があります。
「イザナギとイザナミは、鉾をうけとると、天から地へ、ゆらゆらとかかるアメノウキハシに立った。見れば、はるか下界に、海とも、地とも分かちがたいものが、霧をふきあげ、ただよい、うずまき流れている。そのただ中へ、イザナギは、アメノヌボコをさしおろした。イザナミが手をそえ、こおろこおろとかきまわし、さっと引きあげると、鉾の先からは、潮のしずくがしたたり落ち、見るまにかたまって、一つの島となった。これをオノゴロという。
イザナギとイザナミは、その島へくだったそうな。そこにまず、ふとい、どっしりとした柱を立て、その柱を中心に、広やかな御殿を建て、すまいとさだめた。(略)
そこで、つぎつぎと生まれた島々は、淡路、伊予の二名の島、隠岐の三つ子の島、筑紫の島、壱岐・対馬・佐渡の島々、そしてオオヤマトトヨアキツの島とよばれる大きな島、これは本州である。この八つの島をまず生んだので、日本の国を大八島というようになったそうな。(略)」
〇『子どもに語る日本の神話』 三浦佑之/訳 こぐま社 2013年
p.12-16 「国のはじまり―イザナキとイザナミ―」に、下記の通り記述があります。
「高天の原の神々は、イザナキとイザナミに、
「下の、やわらかく、ただよっているところを、しっかりとかためて国をつくりなさい」と、いった。そして、天の沼矛という長い槍をさずけた。
イザナキとイザナミは、空に浮かぶ天の浮橋に立って、沼矛を、ずっと下のやわらかにただよっているところにさしおろした。そして、コオロコオロとかきまわしてから引きあげると、矛の先からしずくがポタポタとたれ、それがひとりでにかたまって、かさなりつもり、島となった。
おのずとかたまってできた島だから、これをオノゴロ島(淤能碁呂島)とよぶ。
イザナキとイザナミは、その島に降りたって、この世の中心を示す柱とりっぱな御殿をつくった。(略)
こうしてイザナキとイザナミは、つぎつぎに大地を生み、神々を生んだ。
はじめに生んだのは、淡路島、つぎに四国の伊予の島。それから九州の筑紫の島、隠岐の島、壱岐の島、対馬、佐渡の島。そしてついには、大倭豊秋津島、つまり本州が生まれた。この八つの島を大八島の国といって、これが日本の国のはじまりとなった。」
〇『日本昔話事典』 稲田浩二/[ほか]編集 弘文堂 1994年
p.511 「創世神話」に下記の通り記述があります。
「記紀の創世神話は、天地が開け始め、混沌の中から色々な神霊が出現する、いわゆる開闢神話の部分と、伊邪那岐・伊邪那美の国生みの部分の2つに大別される。(略)
後者の国生みの部分は、『古事記』では、伊邪那岐・伊邪那美の2神が天神の命により、天浮橋に立ち、アメノヌボコで海中をかきまわすと、その矛の先から滴った塩が固まってオノゴロ島ができた。(略)今度は淡路島をはじめ、大八洲(日本列島)を次々と生み出したという。『日本書紀』の本文もほぼ同じであるが、伊弉冉はこの島々を生み出すにさいし、淡路島を胞衣としたといい、また対馬と壱岐および諸処の小島は、イザナミの胎内から生まれたのではなく、潮の沫が固まってできたと伝えている。また数多くの1書の伝えには、淡路島を胞衣として大八洲を産んだとあり、その1つにだけオノゴロ島を胞衣としたという伝えがある。(略)」
3. 後日調査による追加資料
〇『阪神・淡路島「高低差」地形散歩』 新之介/著 洋泉社 2019年
p.25 「2 謎多き神話の国・淡路島」の「取り込まれた島生み神話」に下記の通り記述があります。
「伊邪那岐命・伊邪那美命は天の浮橋に立ち、天の沼矛で混沌としてただよえる国をコロコロとかき鳴らし引き上げた時、矛の先から滴り落ちたものが積もって島となった。これが淤能碁呂島である。その島に降り立ち、天御柱を立てて、広い神殿を作り、交わり生まれたのが、淡道之穂之狭別島(淡路島)で、次に伊予之二名島(四国)、隠伎之三子島(隠岐島)、筑紫島(九州)、伊伎島(壱岐島)、津島(対馬)、佐渡島(佐渡島)、大倭豊秋津島(大和を中心とした畿内)である。この八つの島を大八島国という。」
- 事前調査事項
- NDC
-
- 小説.物語 (913 9版)
- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 地形学 (454 9版)
- 参考資料
-
- 日本の神話 松谷みよ子/文 のら書店 2001.4 913.6 4-931129-13-7
- 子どもに語る日本の神話 三浦佑之/訳 こぐま社 2013.10 913.2 978-4-7721-9055-8
- 日本昔話事典 稲田浩二/[ほか]編集 弘文堂 1994.6 388.1 4-335-57049-X
- 阪神・淡路島「高低差」地形散歩 新之介/著 洋泉社 2019.4 454.9164 978-4-8003-1629-5
- キーワード
-
- 淡路島
- 国生み
- 神話
- 伊邪那岐
- 伊邪那美
- 淤能碁呂島
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 小学生
- 登録番号
- 1000339691