レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/06/22
- 登録日時
- 2024/03/30 00:43
- 更新日時
- 2024/03/30 00:43
- 管理番号
- M24030610142087
- 質問
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端午の節句に飾る薬玉の、玉の数と色を知りたい。
- 回答
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①『江馬務著作集 第11巻』所収の「風俗史事典」には「薬玉」の項目があり、「さてこの「薬玉」の本名は中国では「続命縷」と称し、(中略)「薬玉」はその翻訳である。」と説明され、五色(青、赤、黄、白、黒)の糸に関する記述の後、「従って薬玉の古式のは真・行・草に分れ、真のは(中略)花の中に黄、赤、青の玉あり、中には香を入れる。」、「行は(中略)薬の玉は金糸の七宝網ぎせ」と記されている。草の薬玉については「四季の花で球形」として花に関する記述はあるが、玉に関する記述はない。
②『江馬務著作集 第9巻』所収の「端午節句の研究」には、室町時代の薬玉のこととして、「この頃は造花になり、真は紅白杜鵑花に玉三つ(中略)、行の薬玉は四季の花、玉二つ(中略)、草の薬玉は球形の四季の花、玉一つ」と記されている。玉の色に関する記述はない。
③『日本風俗史図録 上巻』の「第五一四圖 薬玉」の項には「室町時代にはこれが造花となり、藥玉は紅白杜鵑花に六色の糸(綠赤黄白紫桃色)を下げ(中略)橘の實を三つ附けたものとなった。之を眞の藥玉といひ、行の藥玉は四季のに花六色の糸を下げ、草は球形となつた。」と記されており、白黒の図版が掲載されている。
④『暮らしのならわし十二か月』の「五月飾り 真の薬玉」には、「端午の節句に、宮廷では菖蒲やよもぎを軒にさすなどし、丸い絹の包みの中に香薬を入れて、(中略)その薬玉は真の薬玉といって、端午の節句には欠かせないものでした。」と記されている。また、真の薬玉のカラーイラストも掲載されており、赤、黄、緑の三つの玉が描かれている。
⑤『ちりめんで作るかんたん、かわいい、つるし飾り』には「さつきのくす玉(真のくす玉)」の作り方がカラー写真とともに掲載されており、「くす玉には「真」「行」「草」の三種類があり、邪気払いの意味を持ちます。(中略)くす玉の代表格である「真のくす玉」は、紅白のさつき、柏の葉と三つの香袋、よもぎと菖蒲の葉、五色のひも飾りが特徴」と記されている。なお、写真で掲載されている真の薬玉には赤、黄、赤紫の三つの玉が付いている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗史.民俗誌.民族誌 (382 9版)
- 参考資料
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①江馬務『江馬務著作集 第11巻』 中央公論社,1988,597p. 参照はp.282-286.
②江馬務『江馬務著作集 第9巻』 中央公論社,1987,506p. 参照はp.321.
③江馬務『日本風俗史図録 上巻』 星野書店,1945,309p. 参照はp.258-259.
④白井明大『暮らしのならわし十二か月』 飛鳥新社,2014,271p. 参照はp.112-113.
⑤矢島佳津美『ちりめんで作るかんたん、かわいい、つるし飾り』 ブティック社,2022,144p. 参照はp.20,106
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①江馬務『江馬務著作集 第11巻』 中央公論社,1988,597p. 参照はp.282-286.
- キーワード
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- 薬玉
- 端午の節句
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2024030610162942087
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000348329