レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年07月15日
- 登録日時
- 2023/01/06 16:09
- 更新日時
- 2023/01/19 15:20
- 管理番号
- Q2022Y0290
- 質問
-
未解決
①日本全国の広い地域の小学生の間で口伝えされた現代の笑い話や小話を調べている。インターネットが普及していない時代に子ども達の間でそのような話がどのように伝わったのかといった、子どもの口伝文化についての研究文献や研究者を知りたい。「口裂け女」のような怖い話や怪談ではなく、笑い話や小話が調査の範囲に含まれる。
②また、子どもの口伝文化についての研究を探す参考図書等のツールを知りたい。
なお、2000年代に知った「A子さんの作文」という話の出どころを調べており、インターネット検索で、学研の「科学と学習」の本のどこかに載っていた旨の記述があったのを参考に、1980年代から1990年代にかけての学習研究社の『○年の科学』と『○年の学習』を調査している。この話には、登場人物の名前、話のタイトル、細かい話の筋にバリエーションがある。
- 回答
-
①照会事項①について、検索条件を設定して検索した国際子ども図書館の児童書関連資料の目次を確認しましたが、条件に合う研究を見付けることはできませんでした。
②照会事項②について、インターネットの検索エンジンでヒットした、口承文芸についての機関誌を発行する日本口承文芸学会のウェブサイトを参考にご紹介します。
機関誌『口承文芸研究』(日本口承文芸学会)
https://ko-sho.org/page/activity/kikanshi/index.html
※『口承文芸研究』第1号からの目次・論文(一部を除く)が掲載されています。
30周年記念データベース(日本口承文芸学会)
https://ko-sho.org/page/journal/index.html
※『口承文芸研究』第1号から第28号までの記事データベースを検索できます。
(調査方法)
①検索条件として、キーワードを「YZ-371-* OR YZ-384-* OR YZ-388-* OR YZ-388.1-*」、出版年を「2000~」、所蔵場所を「国際子ども図書館」と設定し、当館の蔵書検索・申込システムである国立国会図書館オンライン( https://ndlonline.ndl.go.jp/ )を検索しました。得られた結果のうち、条件と離れていると思われるものを除き、各資料の目次で「子どもの口伝文化」及びそれに類似する言葉の有無を確認しましたが、条件に合うものは見当たりませんでした。目次を確認した資料は「調査済み資料」をご覧ください。
以下、【 】内の( )の前は当館請求記号、( )内は児童書研究資料室のローカル請求記号です。国際子ども図書館の児童書関連資料には、NDC 分類表第9版に準拠した、「YZ」で始まるローカル請求記号が付与されており、その記号順で排架されています。今回調査した資料は、すべて児童書研究資料室で開架しており(2022年7月13日現在)、各記号の児童書研究資料室における棚の見出しはそれぞれ以下のとおりです。
371 児童文化 384 児童研究 388 伝説.民話[昔話] 388.1 日本の伝説.民話
②インターネットの検索エンジンで、回答でご紹介した日本口承文芸学会のウェブサイトがヒットしました。『口承文芸研究』の以下のような論文が公開されています。
・2001年3月(第24号)
現代若者の〈口承〉世界をフィールドワークすること -『市川の伝承民話』の試みを例として— 根岸 英之
URL:https://ko-sho.org/download/K_024/SFNRJ_K_024-17.pdf
この論文は冒頭に以下のような記述を含みます。
一九八〇年代から、「口裂け女」や「学校の怪談」などへの関心が深まり、これらの話の収集は、「現代民話」「現代伝説」「都市伝説」などの呼称の下、進展を見せている。しかし、これらの資料の多くは、(1)アンケート用紙を用いた筆記回答であること、(2)「怪談」や「怖い話」を中心とした収集であること、(3)話のみを独立的に扱い<話>生成の<場>=(文脈)への言及が少ないこと、(4)話の内容(モティーフ)分析が中心で表現(ディスクール)への言及が手薄なこと、などから、<口承文芸>研究のアプローチとして、いささか不満を感じている。
本稿では、論者自身の関わった現代若者へのフィールドワークを基に、論者がどのように介在しどのようなことを試みてきたのかを紹介し<研究者というメディア>としての自覚を促すものである。
・2003年3月(第26号)
市川の学校教育の場に見る子どもたちの語り 根岸 英之
URL:https://ko-sho.org/download/K_026/SFNRJ_K_026-10.pdf
この論文は、「子どもたちの語り」を、「1.大人から聞いた話を自然と覚えていく語り」「2.語ることを意図して覚えていく語り」「3.(本やテレビの影響を受けつつも)子ども社会の中で生成される語り」と整理した上で、「3.(本やテレビの影響を受けつつも)子ども社会の中で生成される語り」については、「これらは、口承で、あるいはアンケートなどによる書承の形で対象化されてきた。」として、いくつかの研究を紹介しています。
なお、当該機関誌は、国立国会図書館東京本館で所蔵しています。
当館請求記号 Z71-L446
タイトル 口承文藝研究 = Studies in folk-narrative
著者 日本口承文藝學會 編
URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000004384489
(調査済み資料)
・浅岡靖央 著. 児童文化とは何であったか. つなん出版, 2004.7【FA35-H77(YZ-371-アサ)】
・浅岡靖央, 加藤理 編著. 文化と子ども : 子どもへのアプローチ. 建帛社, 2003.5【FA35-H53(YZ-371-アサ)】
・岩田遵子 著. 現代社会における「子ども文化」成立の可能性 : ノリを媒介とするコミュニケーションを通して. 風間書房, 2007.2【FC32-H876(YZ-371-イワ)】
・小川太郎 著. 日本の子ども 増補版. 新評論, 2002.12【FA35-H84(YZ-371-オガ)】
・叢書児童文化の歴史 1. 港の人, 2011.7【FA35-J170(YZ-371-カト)】
・叢書児童文化の歴史 2. 港の人, 2012.6【FA35-J185(YZ-371-カト)】
・叢書児童文化の歴史 3. 港の人, 2012.9【FA35-J207(YZ-371-カト)】
・川勝泰介 編著. よくわかる児童文化. ミネルヴァ書房, 2020.11【FA35-M25(YZ-371-カワ)】
・川北典子 編著. 子どもの育ちを支える児童文化. あいり出版, 2015.3【FA35-L53(YZ-371-カワ)】
・川北典子, 村川京子, 松崎行代 編著. 子どもの生活と児童文化. 創元社, 2015.1【FA35-L66(YZ-371-カワ)】
・川端有子, 戸苅恭紀, 難波博孝 編. 子どもの文化を学ぶ人のために. 世界思想社, 2002.4【FA35-G338(YZ-371-カワ)】
・小谷敏 編. 子ども論を読む. 世界思想社, 2003.6【EF81-H50(YZ-371-コタ)】
・日外アソシエーツ株式会社 編集. 児童・青少年レファレンスブック. 日外アソシエーツ, 2015.11【F1-L27(YZ-371-ジド)】
・日本家政学会 編. 児童学事典. 丸善出版, 2016.1【F2-L74(YZ-371-ジド)】
・中川正文 監修, 京都女子大学児童文化学会 編. 児童文化の伝統と現在 3. ミネルヴァ書房, 2006.3【FA35-H139(YZ-371-ジド)】
・杉岡津岐子 編. 子ども学 : その宇宙を知るために 第2版. ナカニシヤ出版, 2011.11【FA35-J180(YZ-371-スギ )】
・武田京子 編著, 浅野ななみ [ほか]著. 子どもの生活と文化. 樹村房, 2000.2【FA35-G281(YZ-371-タケ)】
・畑中圭一 著. 街角の子ども文化. 久山社, 2002.1【FA35-G327(YZ-371-ハタ)】
・林邦雄, 谷田貝公昭 監修. 子ども学講座 2. 一藝社, 2010.1【FA35-J131(YZ-371-ハヤ)】
・林邦雄 監修, 谷田貝公昭 責任編集. 図解子ども事典. 一藝社, 2004.1【FA35-H78(YZ-371-ハヤ)】
・原昌, 片岡輝 編著. 児童文化. 建帛社, 2004.4【FA35-H83(YZ-371-ハラ)】
・増山均, 汐見稔幸, 加藤理 編, 子どもの文化研究所 編集・企画. ファンタジーとアニマシオン : 古田足日「子どもと文化」の継承と発展. 童心社, 2016.11【FA35-L92(YZ-371-マシ)】
・谷田貝公昭 責任編集. 図説子ども事典. 一藝社, 2019.9【F2-M8(YZ-371-ヤタ)】
・矢野智司 著. 意味が躍動する生とは何か : 遊ぶ子どもの人間学. 世織書房, 2006.6【FA35-H147(YZ-371-ヤノ)】
・山中恒 著. 現代子ども文化考 : 「子ども」に寄り添って. 辺境社, 2017.3【FA35-L98(YZ-371-ヤマ)】
・小泉和子 編著. 楽しき哀しき昭和の子ども史. 河出書房新社, 2018.11【GD1-L228(YZ-384-コイ)】
・野上暁 著. 子ども文化の現代史 : 遊び・メディア・サブカルチャーの奔流. 大月書店, 2015.3【GD1-L109(YZ-384-ノガ)】
・服部比呂美 著. 子ども集団と民俗社会. 岩田書院, 2010.2【GD1-J164(YZ-384-ハツ)】
・馬場桂一郎, 岸本肇 編著. 世界の子どもの遊び事典 : 総合的な学習・国際交流学習を盛り上げる. 明治図書出版, 2000.1【FC71-G335(YZ-384-ババ)】
・馬場桂一郎 編著. 世界の子どもの遊び事典 続. 明治図書出版, 2005.4【FC71-H343(YZ-384-ババ)】
・比嘉佑典 著. 遊びと創造性の研究 : 遊びの創造性理論の構築. 学術出版会, 2009.11【FA35-J110(YZ-384-ヒガ)】
・深谷昌志 著. 昭和の子ども生活史. 黎明書房, 2007.9【GD1-H222(YZ-384-フカ)】
・藤本浩之輔 著. 子どもの育ちを考える : 遊び・自然・文化. 久山社, 2001.4【GD1-G199(YZ-384-フジ)】
・藤本浩之輔 著. 遊び文化の探求. 久山社, 2001.4【GD1-G200(YZ-384-フジ)】
・堀切直人 著. 原っぱが消えた : 遊ぶ子供たちの戦後史. 晶文社, 2009.8【GD1-J129(YZ-384-ホリ)】
・増川宏一 著. 遊戯 : その歴史と研究の歩み. 法政大学出版局, 2006.4【GA36-H53(YZ-384-マス)】
・松崎行代 著. 遊びからはじまる. 世界思想社, 2020.1【FC32-M633(YZ-384-マツ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 1. 悠書館, 2012.9【YU17-J988(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 2. 悠書館, 2012.1【YU17-J1009(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 3. 悠書館, 2013.2【YU17-L55(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 4. 悠書館, 2013.4【YU17-L109(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 5. 悠書館, 2013.4【YU17-L110(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 6. 悠書館, 2014.2【YU17-L278(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 7. 悠書館, 2014.3【YU17-L304(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 8. 悠書館, 2014.3【YU17-L338(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 9. 悠書館, 2014.3【YU17-L339(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 10. 悠書館, 2014.4【YU17-L342(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 11. 悠書館, 2016.9【YU17-L808(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 12. 悠書館, 2016.11【YU17-L836(YZ-388.1-アタ)】
・日本民話の会 編. 新しい日本の語り 13. 悠書館, 2016.1【YU17-L827(YZ-388.1-アタ)】
・鵜野祐介 著. 伝承児童文学と子どものコスモロジー : 〈あわい〉との出会いと別れ. 昭和堂, 2009.2【GD1-J83(YZ-388.1-ウノ)】
・大島廣志 著. 民話 : 伝承の現実. 三弥井書店, 2007.1【KG745-H109(YZ-388.1-オオ)】
・口承文芸学への夢 : 野村純一先生追悼集. 野村純一先生追悼集刊行会, 2008.6【GK98-J5(YZ-388.1-コウ)】
・武田正 著. 昔話の語りと変容. 岩田書院, 2001.9【KG745-G99(YZ-388.1-タケ)】
・野村純一 編. 伝承文学研究の方法. 岩田書院, 2005.3【KG745-H56(YZ-388.1-ノム)】
・野村純一 著, 野村純一著作集編集委員会 編集. 野村純一著作集 第8巻 (文学と口承文芸と). 清文堂出版, 2012.7【KG745-J112(YZ-388.1-ノム)】
・野村純一 著, 野村純一著作集編集委員会 編集. 野村純一著作集 第9巻 (口承文芸研究のネットワーク). 清文堂出版, 2013.4【KG745-L17(YZ-388.1-ノム)】
・福田晃 [ほか]編. 講座日本の伝承文学 第9巻. 三弥井書店, 2003.7【KG736-H3(YZ-388.1-フク)】
・福田晃, 渡邊昭五 編集代表. 講座日本の伝承文学 第10巻. 三弥井書店, 2004.8【KG736-H4(YZ-388.1-フク)】
・松谷みよ子 著. 現代の民話 : あなたも語り手、わたしも語り手. 中央公論新社, 2000.8【KG745-G82(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 1. 筑摩書房, 2003.4【KG745-H7(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 2. 筑摩書房, 2003.5【KG745-H9(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 3. 筑摩書房, 2003.6【KG745-H10(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 4. 筑摩書房, 2003.7【KG745-H12(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 5. 筑摩書房, 2003.8【KG745-H14(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 6. 筑摩書房, 2003.9【KG745-H18(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 7. 筑摩書房, 2003.1【KG745-H21(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 8. 筑摩書房, 2003.11【KG745-H25(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 9. 筑摩書房, 2003.12【KG745-H29(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 10. 筑摩書房, 2004.1【KG745-H27(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 11. 筑摩書房, 2004.2【KG745-H34(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 現代民話考 12. 筑摩書房, 2004.3【KG745-H37(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 著. 民話の世界. PHP研究所, 2005.12【KG745-H70(YZ-388.1-マツ)】
・松谷みよ子 [著]. 民話の世界. 講談社, 2014.8【KG745-L45(YZ-388.1-マツ)】
・日本口承文芸学会 編. シリーズことばの世界 第1巻 (つたえる). 三弥井書店, 2008.2【G189-J11(YZ-388-シリ)】
・日本口承文芸学会 編. シリーズことばの世界 第2巻 (かたる). 三弥井書店, 2008.1【G189-J6(YZ-388-シリ)】
・日本口承文芸学会 編. シリーズことばの世界 第3巻 (はなす). 三弥井書店, 2007.12【G189-J5(YZ-388-シリ)】
・日本口承文芸学会 編. シリーズことばの世界 第4巻 (うたう). 三弥井書店, 2007.1【G189-J3(YZ-388-シリ)】
・myb = みやび. みやび出版, 2004-2019【Z71-M578(YZ-388-ミヤ)】
(データベースの最終アクセス日:2022年7月13日)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 教育学.教育思想 (371)
- 社会.家庭生活の習俗 (384)
- 伝説.民話[昔話] (388)
- 参考資料
- キーワード
-
- 児童文化
- 民話
- 口承文学
- 笑話
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 資料情報課(レファレンス)
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000326833