『いじめ・体罰防止の新規準と学校の対応』によると、「文部科学省は、昭和60年度から平成17年度までのいじめ調査では、「いじめ」とは、①自分より弱い者に対して一方的に②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え③相手が深刻な苦痛を感じているものと定義していた。しかし、この定義では、多様ないじめの実態にそぐわない面があるというので、平成18年度調査から、いじめの定義を、①当該児童・生徒が、一定の人間関係にある者から②心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、③精神的な苦痛を感じているものと改めた。また、個々の行為がいじめに当るか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童・生徒の立場に立って行うことを求めた。いじめかどうかの判断は、加害者側の行為の形態より、被害者側の心理を重視することとした。」と記述されている。
さらに、『いじめ防止対策推進法の解説と具体策』によると平成25年9月28日に施行されたいじめ防止対策推進法では、「いじめ」とは、「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人間関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」と記述されている。このいじめの定義における補足として「一定の人間関係」とは、学校の内外を問わず、同じ学校・学級や部活動の児童生徒や、塾やスポーツクラブ等当該児童生徒が関わっている仲間や集団(グループ)など、当該児童生徒と何らかの人的関係を指している。「心理的又は物理的な影響を与える行為」については、いじめ防止基本方針において具体的に以下のような行為を指名している。
・冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる
・軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする
・ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする
・金品をたかられる
・金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする
・嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする
・パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる 等