レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2001/09/28
- 登録日時
- 2006/08/09 02:11
- 更新日時
- 2009/01/29 09:35
- 管理番号
- 埼浦-2001-045
- 質問
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解決
岩倉遣外使節団(1871.4~1873.9に欧米に派遣された)について以下のことを知りたい。①この派遣にかかった総費用、②当時の国家予算、③派遣の費用をどのように捻出したか。
- 回答
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①『大隈伯昔日譚 2』p651に「一百有餘萬金」、マリーン・メイヨの論文「岩倉使節の西洋研究」(『岩倉使節の研究』所収)p266にも「百万ドル近くにも達する」とある。また、『明治日本の国家財政研究』p53-54では、歳出資料に基づき、78万円余りとの推計あり。
なお、当時の為替レートは、岩倉使節団の報告書である『特命全権大使米欧回覧実記 1』p21によれば、「米の五弗」は「約我五円ノ十分の九ト概算スヘシ」とあり、1ドルは90銭程度と思われる。
②『明治財政史 3』によると以下のとおり。
第4期(明治3.10-4.9) 決算表 歳入総計 22,144,597円 歳出総計 19,235,154円
第5期(明治4.10-5.12) 決算表 歳入総計 50,445,172円 歳出総計 57,730,024円
第6期(明治6.1-6.12) 予算表 歳入総計 48,736,883円 歳出総計 46,595,618円
決算表 歳入総計 85,507,244円 歳出総計 62,678,600円
予算制度の確立は明治6(1873)年なので、それ以前の予算表は見あたらない。また、明治5年12月に太陽暦を採用している関係で、会計期により期間の長短が見られる。
③『明治日本の国家財政研究』p53には、「国帑はカラの状態であったから、借金に依存しなければならなかった」とあり。
*国帑(コクド):『広辞苑』より「国庫の財貨」。
以上を回答する。
- 回答プロセス
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岩倉使節団及び明治財政史の関係資料にあたる。
回答欄に掲出した以外に参照した資料は、以下のとおり。
『岩倉使節団』(講談社現代新書)『岩倉使節団という冒険』『岩倉使節団の再発見』『岩倉使節団の比較文化史的研究』『岩倉使節団の歴史的研究』『岩倉使節団「米欧回覧実記」』『欧米から見た岩倉使節団』『「米欧回覧」百二十年の旅』幕末維新論集 7』ほか。
- 事前調査事項
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調査済資料:「国史大事典」「日本近現代人名辞典」
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 財政史.事情 (342 9版)
- 参考資料
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- 『大隈伯昔日譚 2』(早稲田大学史編集所 早稲田大学出版部 1969)
- 『岩倉使節の研究』(大久保利謙 宗高書房 1976)
- 『明治日本の国家財政研究 近代明治国家の本質と初期財政の解明』(内田正弘 多賀出版 1992)
- 『特命全権大使米欧回覧実記 1』(久米邦武 岩波書店 1977)
- 『明治財政史 3』(明治財政史編纂会 吉川弘文館 1971)
- キーワード
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- 岩倉使節団-明治時代-日本
- 国家-予算-財政史
- 岩倉 具視(イワクラ トモミ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000029950