レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2022/03/20 11:04
- 更新日時
- 2022/03/20 17:50
- 管理番号
- 2020事例-30
- 質問
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白洲次郎の東北での功績について知りたい。
- 回答
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太平洋戦争の敗戦直後に、当時外務大臣であった吉田茂元首相の特命により、連合国軍総司令部(GHQ)との戦後交渉に当たった白洲次郎はその巧みな交渉ぶりで、アメリカに「従順ならざる唯一の日本人」と言わせるなど、戦後の日本で大きな活躍をした。
その活躍はドラマ化されるなど、注目を集めたりしたが、吉田内閣崩壊後は東北電力の会長として東北の地にも大きな功績を残した人物でもある。
会長在職中は、机に座っていることはほとんどなく、自ら英国製の四輪駆動車を運転して東北各地のダム工事現場を回る毎日であったというエピソードがある他、地元への貢献を最優先するという企業理念を浸透させた。その理念には大事故など決して起こさないという独特の技術者魂も含まれており、白洲が東北電力を去った後もその魂は脈々と受け継がれ、東日本大震災後の復旧・復興にも繋がっていたという。
現在、当時開発にあたった福島県金山町には「東北電力奥会津水力館」が開設され、その中に彼の功績を称え、白洲次郎の展示ルームとして電源開発に取り組んだ活動を紹介するパネルや彼の遺品等を展示している。
また、只見川の電源開発によってできた「上田ダム」及び「本名ダム」には白洲次郎の言葉が刻まれた記念碑が建ち、隠れた名所となっている。
- 回答プロセス
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ジャパンナレッジのデータベースを利用して「白洲次郎」を検索すると、政治家としてだけでなく、実業家として、初代東北電力の会長を務めるなど東北とゆかりのある人物であることがわかる。
また、インターネットで「白洲次郎」「東北電力」で検索すると「東北電力奥会津水力館」の公式サイト「奥只見と白洲次郎」のページがヒットし、展示されている白洲次郎の関連本等が写真に映し出されている。
なお、「白洲次郎」をキーワードに蔵書検索を行うと白洲本人による直言集ほか、家族や関係者による回想録など多くの書籍が検索できる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289)
- 論文集.評論集.講演集 (304)
- 電気工学 (540)
- 参考資料
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- 『風の男白洲次郎』 青柳 恵介/著 新潮社 1997 年
- 『プリンシプルのない日本』 白洲 次郎/著 ワイアンドエフ 2001 年
- 『レジェンド伝説の男 白洲次郎』 北 康利/著 朝日新聞出版 2009 年
- 『1946 白洲次郎と日本国憲法」 須藤 孝光/著 新潮社 2010 年
- 『白洲次郎 日本を復興させた男』 須藤 孝光/著 新潮社 2011 年
- 『電力と震災―東北「復興」電力物語 特別版』 町田 徹/著 日経BP社 2015 年
- オンラインデータベース「ジャパンナレッジ」(総合辞書・事典データベース)
- キーワード
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- 白洲次郎
- 東北電力
- 東北電力奥会津水力館
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000313821