レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年12月21日
- 登録日時
- 2014/12/22 09:55
- 更新日時
- 2020/02/19 14:28
- 管理番号
- 鎌中-2014136
- 質問
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解決
川端康成の『山の音』の中の「春の鐘」冒頭に出てくる「仏都700年祭」というのはどういうお祭りで、実際にあったのか。
- 回答
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仏都700年祭は、昭和27年4月1日~10月末にかけて、日蓮上人開教700年並びに鎌倉大仏建立700年を記念して、鎌倉で仏教界をあげて行われたお祭りです。
市の観光事業に大きな役割を果たすため、鎌倉市が主催としてこれを統合しました。
『山の音』の「春の鐘」冒頭でふれられている鐘の音については、この行事の中の「百万人の鐘撞き」のものと思われます。
「百万人の鐘撞き」は、祭りの期間中に、平和の祈りと戦没者慰霊のため、円覚寺、建長寺の国宝の鐘と、長谷観音、本覚寺の名鐘をつくものでした。
- 回答プロセス
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①700年?1192から700年だと明治だけど…と思いつつ、『山の音』を確認
②『川端康成全作品研究辞典』で『山の音』を見ると、戦後の鎌倉が舞台のようだ。明治ではない。
③「仏都」で郷土資料を全文検索
『鎌倉大観」の中に「仏都七百年史蹟写真」がある。この本が1953年出版なので、この頃にあった出来事だとわかる。
④『鎌倉近現代史年表稿』で昭和26~28年あたりを見る。昭和27年4月に仏都700年祭あり。
出典は「鎌倉タイムス」とある。
⑤該当の「鎌倉タイムス」を見る。
「佛都七百年祭り 盛沢山な行事決定」として 鎌倉タイムス第9号(昭和27年3月20日号)2面にあり
「春の鐘」に出てくる「百万人の鐘つき」は円覚寺、建長寺、長谷観音、本覚寺で行われた。(鎌倉タイムス第10号 2面)
⑥当時の広報かまくらを見る 昭和27年3月31日号1面に「かまくら仏都700年祭り」あり
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (071 8版)
- 地方自治.地方行政 (318 8版)
- 参考資料
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- 「鎌倉広報 第6号」(昭和27年3月31日号) 鎌倉市役所 【K1 318.5】
- 「旬刊 鎌倉タイムス 9号」(昭和27年3月20日号) 豊島健志/編集発行 【K1 071】
- 「旬刊 鎌倉タイムス 10号」(昭和27年3月31日号) 豊島健志/編集発行 【K1 071】
- 『鎌倉近現代史年表稿 明治・大正・昭和・平成』 小坂宣雄 2010 【210.6】
- 『川端康成全作品研究事典』 羽鳥徹哉 勉誠出版 1998 【910.26 カ】
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『川端康成全集 第十二巻』 川端康成 新潮社 昭和55 【918.6 カ】
P394 春の鐘
- キーワード
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- 山の音
- 春の鐘
- 仏都700年祭
- 仏都七百年
- 百万人の鐘撞き
- 川端康成
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000165238