レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年07月11日
- 登録日時
- 2013/11/10 09:27
- 更新日時
- 2015/03/19 10:20
- 管理番号
- 埼浦-2013-027
- 質問
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解決
江戸後期から近代において埼玉県で養蚕が盛んであり、関連して猫絵というものの存在を知った。
猫絵およびそれ以外にも、猫が信仰の対象として扱われていた事例を知りたい。
- 回答
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猫を信仰することについての記述のある下記の資料を紹介する。備考欄に追記あり。(2015/03/18)
埼玉県関係資料
『新編埼玉県史 別編1 民俗1』(埼玉県 1986)
p430-433「養蚕信仰」に中に〈養蚕と猫〉の小見出しあり。「養蚕家がねずみよけ(蚕と繭をねずみが食べるため)に苦心し、猫の絵やお札を使用」とあり。
『新編埼玉県史 別編2 民俗2』(埼玉県 1986)
p688 口頭伝承・民間知識の章に〈猫〉の項あり。
事典類
『日本俗信辞典』(鈴木棠三著 角川書店 1982)
p442-460「猫の洗面と晴雨」「猫と死体、化け猫」「猫と俗信俚言」など、俗信を項目、地域別に紹介している。
『民間信仰辞典』(桜井徳太郎編 東京堂出版 1980)
p223〈猫〉の項あり。沖縄や東北地方での猫信仰について記述あり。
『江戸文学俗信辞典』(石川一郎編 東京堂出版 1989)
p281〈猫〉の項あり。年代の表記はないが、猫の俗信について記述あり。
『日本民俗事典』(大塚民俗学会編 弘文堂 1994)
p541「ねこ 猫」「この世と異なる世界と交渉をもつと考えられ、他界からの使者のようにみなされていたらしい」等の記述あり。
『日本社会民俗辞典 3』(日本民俗学協会編 誠文堂新光社 1960)
p1105〈ねこ(猫)〉の項あり。
『日本大百科全書 18』(小学館 1987)
p238〈ネコ〉の項に民俗・伝承について記述あり。
『徳島県百科事典』(徳島新聞社 1981)
p227〈お松権現〉の項に「生前お松がかわいがった猫も殉死、(中略)猫を祭り、勝負ごと、受験の神として信仰を集めている」とあり。
『岡山県大百科事典 下』(山陽新聞社 1980)
p436〈猫神〉の項あり。
一般図書
『関東の民間信仰』(日向野徳久ほか著 明玄書房 1973)
p240-245「〔埼玉県〕養蚕信仰」に「猫絵」の「八方にらみ猫」について記述と図版あり。
『招き猫の宮』(菊池真、荒川千尋著 戎光祥出版 2004)
p44「江戸城築城の立役者・太田道灌を導いた黒猫」「東京西落合の自性院は、有名な「猫寺」のひとつである。」などの記述あり。
『招き猫の文化誌』(宮崎良子著 青弓社 1988)
p59-80「第3章 猫神・猫信仰」あり。
『日本人の生活文化史 1 犬と猫』(毎日新聞社 1980)
p146-189「猫の系譜」p203-216「猫の怪談」の章あり。
『猫鏡』(花輪莞爾著 平凡社 1990)
猫に関するエッセイ集。引用文献が多く、巻末に参考文献リストがある。
『右手をあげる招き猫』(三橋健著 PHP研究所 1995)
p10-20「右手で家庭に幸せを 左手で店に客を招く猫」招き猫についての伝説の紹介あり。
『日本のお守り』(畑野栄三監修 池田書店 2011)
p139「初辰猫」、p65「良縁招き猫」が掲載されている。
『怪異の民俗学 2』(小松和彦編 河出書房新社 2000)
p126-140「芝居と俗信・怪猫物の世界」(横山泰子著)あり。
「猫神様の散歩道」(八岩まどか著 青弓社 2005)(県内公共図蔵)
「猫神信仰や化け猫伝説など、猫の神秘の力とそれに魅入られた人々の心性を描いた本」と紹介されている。
- 回答プロセス
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埼玉県関係資料や自館目録を調査する。
書架をブラウジングする。
他機関データベースを〈猫 & 信仰〉で検索し、所蔵資料を確認する。
《国会図サーチ》《CiNii Books》《Google BOOKS》
その他調査済み資料
『江戸生活事典』(三田村鳶魚著 青蛙房 1959)
- 事前調査事項
- NDC
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- 民間信仰.迷信[俗信] (387 9版)
- 蚕糸業史.事情 (632 9版)
- 貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション (090 9版)
- 参考資料
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- 『日本俗信辞典』(鈴木棠三 角川書店 1982) , ISBN 4-04-031100-0
- 『民間信仰辞典』(桜井徳太郎編 東京堂出版 1980) , ISBN 4-490-10137-6
- 『江戸文学俗信辞典』(石川一郎編 東京堂出版 1989) , ISBN 4-490-10255-0
- 『日本民俗事典』(大塚民俗学会編 弘文堂 1994) , ISBN 4-335-57050-3
- 『日本社会民俗辞典 3』(日本民俗学協会編 誠文堂新光社 1960)
- 『日本大百科全書 18』(小学館 1987) , ISBN 4-09-526018-1
- 『徳島県百科事典』(徳島新聞社 1981)
- 『岡山県大百科事典 下』(山陽新聞社 1980)
- 『関東の民間信仰』(日向野徳久ほか著 明玄書房 1973)
- 『招き猫の宮』(菊池真著 戎光祥出版 2004) , ISBN 4-900901-37-7
- 『招き猫の文化誌』(宮崎良子著 青弓社 1988)
- 『日本人の生活文化史 1 犬と猫』(毎日新聞社 1980)
- 『猫鏡』(花輪莞爾著 平凡社 1990) , ISBN 4-582-82384-X
- 『右手をあげる招き猫』(三橋健著 PHP研究所 1995) , ISBN 4-569-54985-3
- 『日本のお守り』(畑野栄三著 池田書店 2011) , ISBN 978-4-262-12058-4
- 『怪異の民俗学 2』(小松和彦編 河出書房新社 2000) , ISBN 4-309-61392-6
- 「猫神様の散歩道」(八岩まどか 青弓社 2005) , ISBN 4-7872-3244-4
- 『新編埼玉県史 別編1 民俗1』(埼玉県 1986)
- 『新編埼玉県史 別編2 民俗2』(埼玉県 1986)
- キーワード
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- 猫
- 風俗・習慣
- 養蚕
- 民間信仰
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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自館資料で関連の記述があるものが他に確認されたため、追記する。
『猫絵の殿様 領主のフォークロア』(落合延孝著 吉川弘文館 1996)
猫絵の作者である新田岩松氏について書かれている。
p111-「猫絵の殿様」の項に、養蚕農民の猫絵信仰について記述がある。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000140274