レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年05月26日
- 登録日時
- 2011/08/12 12:23
- 更新日時
- 2022/05/05 11:02
- 管理番号
- 9000007371
- 質問
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未解決
「諸国道中商人鑑」(1827年)のお菓子屋「大黒屋」の暖簾に「御口取物笹箱」とあるが、「笹箱」とはどのような箱か。
- 回答
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「笹箱」については確認できなかった。江戸時代には「笹折」というものがあり、これは白木の薄枝で作った折箱のこと。
- 回答プロセス
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1.和菓子の図書を調査
・『事典和菓子の世界』(中山圭子著 岩波書店 2006年)→p182-183に「笹・竹」の項があり、「笹団子、粽(ちまき)、竹筒入り水羊羹などがあるように、笹や竹は包装材料としても大切な役割を果たす」とあるが、笹箱については記述なし。
・『菓子の文化誌』(赤井達郎著 河原書店 2005年)→p266に進物・贈答の菓子について書かれているが、笹箱については記述なし。
2.江戸時代の用語などを検索する。次のものに「笹箱」の記載はないが「笹折」については書かれてい
・『古事類苑』第31巻 器用部(吉川弘文館 1970年)p293
・『江戸っ子語絵解き辞典(遊子館歴史図像シリーズ)』(笹間良彦著画 遊子館 2010年)→p162笹折のイラストあり。
・『江戸語辞典』(大久保忠国編 東京堂出版 1991年)→p349「笹はあて字で「細小(ささ)」の意。白木の薄枝で作った折箱。食物を入れる。」
・『江戸時代語辞典』(潁原退蔵著 角川学芸出版 2008年)→p553「白杉の薄板で作った折箱。弁当などに用いる。」
3.包装関係の図書を調査。
・『ぜひ知っておきたい食品の包装』(茂木幸夫著 幸書房 1999年)→p4-6に「天然素材の効用を生かした包装:クマザサの防腐効果」があるが、笹箱、笹折についての記述なし。
・『包』(岡秀行著 毎日新聞社 1976年)→「竹」「笹」の項があるが、笹箱については記述なし。笹を使ったパッケージとして「おけさもなか」(図版150)のカラー写真がある。
・『日本の伝統パッケージ』(岡秀行著 美術出版社 1965年)→笹を使ったパッケージとして「おけさもなか」(図版68)の白黒写真がある。
- 事前調査事項
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・「諸国道中商人鑑」は山梨県立図書館webサイトで公開されている(甲州文庫デジタルアーカイブ http://www.lib.pref.yamanashi.jp/kosyu/bunko/kousyu/plsql/SYOSAI.jpgdisp_.php?searchtype=103&keyNo=0400208880&keyeda=59&chokusetsu=1&trans=1&size=medium )で確認した。一番左側の暖簾に「御口取物笹箱」とある。※webサイト最終アクセス2011.5.26
【2022.5.5追記事項】
「諸国道中商人鑑」は現在「山梨デジタルアーカイブ」( http://digi.lib.pref.yamanashi.jp/da/top )で公開している。「笹箱」と書かれた暖簾は「諸国道中商人鑑」( http://digi.lib.pref.yamanashi.jp/da/detail?tilcod=0000000021-YMNS0121738 ) 59コマ目で確認できる。※webサイト最終アクセス2022.5.5
・『大漢和辞典』『日本国語大事典』は調査済み。
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 食品工業 (588 9版)
- 通過儀礼.冠婚葬祭 (385 9版)
- 参考資料
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- 『江戸っ子語絵解き辞典(遊子館歴史図像シリーズ)』(笹間良彦著画 遊子館 2010年) (p162)
- 『江戸語辞典』(大久保忠国編 東京堂出版 1991年) (p349)
- 江戸時代語辞典』(潁原退蔵著 角川学芸出版 2008年) (p553)
- キーワード
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- 笹箱
- 笹折
- 菓子
- 箱
- 包装
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 料理・食品
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000089873