レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2019/03/15 15:02
- 更新日時
- 2023/09/22 12:50
- 管理番号
- 郷土10
- 質問
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綾川町の西分猪尾の猫又伝説にゆかりの「犬の墓」の場所が知りたい。
- 回答
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西分猪尾の猫又伝説とは阿波の猟師「幸清左衛門」のお話であり、幸清左衛門とその飼い犬のお墓が猪尾に建てられているとされている。はっきりとした場所の記載はない。猪尾神社の由緒には猟師の名が「小清友衛門」となっている。
次の資料に記述あり。
『綾上町民俗誌』 綾歌郡綾上町教育委員会 編 1982.4 P.284~286 「幸清左衛門手かいの犬の墓」とする写真の掲載もあり。
『綾上町誌』 綾歌郡綾上町教育委員会 編 2005.3 P.673
「第4編 第5章 神社・寺院」の猪尾神社の由緒に猫又伝説の記述あり。『綾上町民俗誌』とは人物名など少し違っているが(小清友衛門としている)その地に小清の愛犬の墓(犬塚)があるとしている。現地に行ってみたが、神社が見当たらず。
『綾上町ハイキングガイド』 綾上町教育委員会/著 綾上町体育協会
P.54,55 琴南町(現まんのう町)から猪尾に入ったところにあり、塚のようになっていて、木の茂った中に細長い自然石の墓であり「幸清左衛門手カイノ犬之墓」ときざまれた天保年間のものであるという。人物名は幸清左衛門となっている。写真の掲載もあり。
『琴南町誌』 琴南町誌編纂委員会/編集 琴南町 1986
P.813~815 同じような伝承の掲載あり。、畑恒信碑という阿波美馬の人が大蛇を退治した話で、蛇を射落としたのが猪尾となっている。「畑恒信碑」「犬之塚碑」が造田字天川にあるとの記載がある。
またP.932,933には内田の「高清左衛門」という話が掲載されており、
『ぶらり讃岐の民話とむかし話』 岸上 正/編 岸上企画出版社 1988.12
P.341,342 琴南町に伝わる「高清左衛門」の伝承の掲載あり。ここでは高清左衛門の墓は、徳島県半田町高清にあると記述されている。
- 回答プロセス
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依頼者は五色台に伝わる「牛鬼伝説」を調べており、牛鬼を退治した人物と猫又を倒した人物が同じだということで何か資料はないかと探しに来られた。その人物のお墓は塩江にもあるとのこと。同じような話が琴南にもあるとのこと。現地に行ってみたが猪尾神社が見つからず、犬の墓は見つけられなかった。その後『綾上町ハイキングガイド』に「琴南町(現まんのう町)から猪尾に入ったところにあり」と記載があったので、猪尾の町境をインターネットにて地図検索をするとGoogleマップのストリートビューにより場所が確定できた。伝説の地が町境であることからそちらの町誌にも伝承として記載されているが、人物名の違いなど、少しづつ話が違って伝わっているようである。犬の墓というものも綾川町以外にもいくつか残されており、幸清左衛門の故郷である徳島県半田町高清(こうせい)にもあるようだ。
- 事前調査事項
- NDC
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- 四国地方 (218)
- 風俗史.民俗誌.民族誌 (382)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000253092