レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/02/06
- 登録日時
- 2011/03/30 02:00
- 更新日時
- 2011/03/30 09:44
- 管理番号
- 千県中千葉-2010-0030
- 質問
-
未解決
日本博覧図千葉県版の発刊にあたっての経緯を知りたい。
特に国や県などからこのような出版物を作ってほしいという要請等はあったのかどうか(出版社独自の判断の可能性もあると思う)。万国博覧会と関連性があるのかもしれない。
また、博覧図は大日本博覧絵というものから始まり地方版が出されたことは調べたが、千葉県、静岡、栃木の他に博覧図に関係する本があれば見たい。
既に次の調査は済んでいる。
・千葉県博覧図、解説等を見ても詳しい記述はない。
・千葉県立中央博物館の職員も詳しくは分からなかった。
千葉県立中央博物館(http://www.chiba-use.or.jp/NATURAL/)のホームページ内の「中央博デジタルミュージアム」(http://www.chiba-use.or.jp/NATURAL/special/cbm_dm.htm)に「百年前の千葉県 『日本博覧図』」あり。
- 回答
-
当館所蔵の博覧図にも出版に至る経緯の記述は見つかりませんでした。
次の論文には、出版の経緯は明記されてませんが、博覧図の刊行一覧や参考文献が掲載されています。渡辺善司「『博覧図』の出版をめぐって」(『千葉県立中央博物館研究報告 人文科学』千葉県立中央博物館 9巻2号通巻19号 2006.3)p75-84。この論文の主題は、出版社と契約者との契約書の解読ですが、次のような内容の記載もありました。
・これまでに『博覧図』を取り上げた論考はほとんどない。
・『東京商工博覧絵』の売れ行き、評判などから『博覧図』自体の出版を考えたのかもしれない。
・『博覧図』の編者である青山が発刊のヒントとしたのが、当時福島県令であった三島通庸が自分の功績を残すため画家の高橋由一に描かせた明治十八年の『東北地方風景図』という石版画ではないかという指摘もある(*)ことから、『博覧図』は既刊の同様の版画集を参考にして、発刊されたであ
ろうことは想像できる。
・編集発刊に関して「パトロン」が決して存在したわけではない。
・販売による売り上げも発刊の目的の一つであった
・『博覧図』という名称は、ヨーロッパ諸国が開催する万国博覧会に触発された明治政府が明治10年から同36年まで5回にわたり国内において内国勧業博覧会を開催していたという「博覧会の時代」を背景としてつけられたものであろう。
・今回の報告が『博覧図』研究の第一歩である。
(*)の部分の出典は『静岡県明治銅版画風景集』(羽衣出版 1991)。当館には所蔵がなく未見。
そのほかに博覧図の編集者、出版者、発行人などの石原徳太郎、精行社(または精行舎)、青山豊太郎などについて論文を探しましたが、見つかりませんせんでした。
- 回答プロセス
-
当館所蔵の博覧図(千葉県)は次のとおり。
(1)『〔日本博覧図〕千葉県之部初編』(精行社 1894) 143枚帙入。
(2)『千葉博覧図』(精行社 [1985])自館製本。
(3)『〔日本博覧図〕千葉県之部』(精行社 [189-])図版6点(4枚)を自館製本したもの。
(1)と(2)の内容はほぼ同じ。それぞれ欠落した図版あり。(1)には「日本博覧図千葉県初編締約者一覧表」が付いている。
千葉県立中央図書館ホームページ「千葉県歴史関係雑誌記事索引検索」(http://www.library.pref.chiba.lg.jp/03search_chiba/index.html)で「博覧図」を検索
(インターネットの最終アクセス:2011年2月13日)
- 事前調査事項
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質問者が閲覧済の「千葉県博覧図、解説等」とは『千葉県博覧図 目でみる千葉県の明治時代 上』(国書刊行会 1986)及び中巻、下巻と思われる。 215pの解説書が付いている。
- NDC
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- 関東地方 (213 9版)
- 出版 (023 9版)
- 参考資料
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- 『千葉県立中央博物館研究報告 人文科学』(9巻2号 通巻19号 千葉県立中央博物館 2006.3) (0501498516)
- キーワード
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- 博覧図
- 出版
- 千葉県
- 青山豊太郎
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000083353