レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年03月26日
- 登録日時
- 2023/04/20 10:18
- 更新日時
- 2023/05/10 21:24
- 管理番号
- 県立長野-23-012
- 質問
-
解決
長野県にある金井城について記載のある本、金井城とその周辺の城などの史跡がわかる地図のある本、金井城周辺の旧名について記載のある本を知りたい。また、金井城の近くに金井山城があるが、関連があるかを知りたい。
- 回答
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「信州地域史料アーカイブ」(最終確認2023年4月20日)の「『長野県町村誌』と明治初期の村絵図・地図」、「古跡・名勝」から「金井」を検索したところ、旧東寺尾村(現長野市)と、旧御代田村(現佐久市)に「金井城」が見られたので、この2件について回答した。
1 金井城について記載のある本、金井城とその周辺の城などの史跡がわかる地図のある本
(1) 旧東寺尾村(現長野市)の金井城及び金井山城について
『長野県町村誌 第2巻 東信篇』p.139「金井城」に、「村の丑寅の方鳥打峠の西北、山頂にあり。東西二百六十五間、南北八間。何人の城址と云う事詳にせず。」と記載されている。p.137に金井城と周辺峠・塚等が記された地図がある。
なお、この資料では「金井城」と記載されてるが、以下の資料で「金井山城」と記載されているものは同一の場所であると思われる。
『松代町史上巻』 p.172「五、金井山城址」に、「埴科郡寺尾村字東寺尾鳥打峠の西北、金井山の嶺にありて(後略)」と記載されている。
『更級埴科地方誌 第2巻 原始古代・中世編』 p.1241「2 金井山城跡」に、「松代町寺尾の金井山の南端を主郭とする山城である。(後略)」と記載されている。
『長野市誌 第12巻』p.584-585に「24 金井山城跡」の記載がある。
『日本城郭大系 第8巻』 p.98「金井山城」に、住所:長野市松代町柴(旧埴科郡寺尾村)「千曲川が半円形に蛇行する中央部に岬状に突き出した金井山に金井山城があるが、山裾に河跡湖の金井池・牛池、(中略)南方直下には鳥打峠があって(後略)」と記載されている。p.309に「長野県城郭分布図 1:550,000」がある。
『長野県の中世城館跡 分布調査報告書』 p.197に「信濃松代 1:35,000地形図」があり、金井山城他20の城と館の位置が示されている。
『つちくれ鑑 附海津近傍古城考』 p.79「金井山城」に、「松代の東北二十町許、横臥す尾上の高き所にあり、俗には単に金山と云ふ、麓の池も金井池又カナ池と云ふ、(後略)」と記載されている。
『いざ!登る信濃の山城 戦国の舞台イラスト案内図』 p.182-183に「金井山城」の記載があり、数枚の写真と登山口から金井城跡に至る地図のイラストがある。
『縄張図・断面図・鳥瞰図で見る信濃の山城と館 第2巻』p.163-165に「67、金井山城」の記載が、p.192-193の間に金井山城跡の水彩画がある。なお、この水彩画は長野県立歴史館HPの「宮坂武男城郭鳥瞰図」から「金井」をキーワードに北信の長野市を選択して検索すると見ることができる。(最終確認2023年4月20日)
(2)佐久市大字小田井(おたい)字金井の金井城跡について
『佐久市志 歴史編(2)』 p.723-724「2 金井城跡」に、「調査地 佐久市大字小田井字金井(後略)」と記載されている。
『御代田町誌 歴史編上』 p.511-514「本城の小田井城と砦の長倉城・戸谷城・金井城」に、「(前略)小田井城は、周辺に三つの砦をもっていた。長倉・金井・戸谷の三城である。(後略)」と記載されている。p.510に「御代田の中世城館と集落遺跡」の地図がある。
『定本・佐久の城』【N521/136】 p.130-131「金井城」に、「小田井宿南方に所在する平城で、(後略)」との記述がある。また、p.178-179「小田井城」に、「(前略)金井城、とや城、長倉城などの砦を配しており、(後略)」と記載されてる。
『縄張図・断面図・鳥瞰図で見る信濃の山城と館 第1巻』 p.240「101、金井城」に、「立地 小田井下宿湯川右岸の断崖上に金井城があり、平成元年にかけて工場団地造成と長野新幹線のために、主郭部を除いて破壊された。(後略)」と記載されている。
金井城跡は、小田井工場団地造成事業が企画されたことに伴い、昭和63年から平成元年にわたり発掘調査が行われており、『金井城跡:長野県佐久市大字小田井金井城跡発掘調査報告書』2分冊が刊行されている。この資料の第1分冊p.2に「金井城跡及び周辺城郭の位置(国土地理院地形図より)」が、p.11・12に「佐久市中世城館跡と中世遺物を出土する遺跡(1:50,000)」の地形図が、p.14に「周辺遺跡分布図・第4表 周辺遺跡一覧表」がある。
その後、平成4年に市道改良工事に伴う発掘調査が、平成23-24年に集合住宅建設に伴う発掘調査が行われ、それぞれ『金井城跡:長野県佐久市小田井金井城跡第3次発掘調査報告書』 佐久市教育委員会編・刊 1993 【N202.2/63/3】、『金井城跡Ⅳ:長野県佐久市小田井金井城跡Ⅳ発掘調査報告書』 佐久市教育委員会・佐久市教育委員会文化財課編 須藤隆司編著 佐久市教育委員会 2012 【N202.2/63/4】が刊行されている。
加えて、北陸新幹線建設に伴う発掘調査も行われ『北陸新幹線埋蔵文化財発掘調査報告書1』 が刊行されており、p.24-94「第7章金井城跡」に、「本城跡は、佐久市大字小田井字南金井1119-16番地ほかに所在し、浅間さん南麓末端の広大な台地上に立地する。(後略)」と記載されている。
これらの発掘調査報告書は、奈良文化財研究所のHPにあるデータベース「全国遺跡報告総覧」から見ることができる。キーワードに「金井城」を入れて検索すると、上記以外の資料や長野県外のものもヒットする。(最終確認2023年4月20日)
2 金井城周辺の旧名について
『信州ふるさと変遷史 新版』に、明治以降、平成の大合併までの市町村の合併・形成史が系統的に収録されている。この資料は、自宅のPC等から「信州地域史料アーカイブ」に入り、「長野県町村誌・村絵図・古跡名勝絵図等」の「市町村変遷史を見る」から、北信エリア「長野市」、東信エリア「佐久市」「北佐久郡」をクリックして確認できる。(最終確認2023年4月20日)
『角川日本地名大辞典 20』 p.282に「小田井」が、p.926に「東寺尾」の記載がある。
『日本歴史地名大系 20』 p.153に「小田井村」が、p.863に「東寺尾村」の記載がある。
3 金井城と金井山城の関連について記載のある資料は見つけられなかった。
4 国立国会図書館デジタルコレクション
『長野県町村誌 第2巻 東信篇』[161コマ、163コマ目]は、自宅のPC等から全文の閲覧が可能。
また、『松代町史 上巻』[116コマ目]、『更級埴科地方誌第2巻原始古代・中世編』[651コマ目]、『日本城郭大系 第8巻』[53コマ、159コマ目]、『長野県の中世城館跡 分布調査報告書』[53コマ目]、は、個人送信、図書館送信限定にて全文の閲覧ができる。(最終確認2023年4月20日)
- 回答プロセス
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1 長野県立歴史館HPの宮坂武男城郭鳥瞰図で「金井」を検索する。
2 「信州地域史料アーカイブ」の「『長野県町村誌』と明治初期の村絵図・地図」、「古跡・名勝」から「金井」を検索する。
3 「金井城」「郷土資料」で当館の蔵書を検索する。
4 城を含む日本建築の分類521の棚を見る。
5 国立国会図書館デジタルコレクションで「金井城」を検索。ヒットした280件中、長野県関係と思われる資料の内容を確認する。
<その他調査資料>
『日本城郭全集 第8巻』井上宗和編 日本城郭協会出版部 1960【521/34/8】
『日本城郭全集 5』中嶋次太郎/[ほか]編 人物往来社 1967【N521/35】
『日本城郭資料集』大類伸編 人物往来社 1968【521/66】
『都道府県別日本の中世城館調査報告書集成 8』村田修三監 東洋書林 2001【N202/558】
『図説中世城郭事典 2』村田修三編 新人物往来社 1987 【521.82/ムシ/2】
『日本の城辞典』日本城址研究会編著 新星出版社 2021 【521.82/ニホ】
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 10版)
- 中部地方 (215 10版)
- 日本の建築 (521 10版)
- 参考資料
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大平 喜間多/編 , 大平 喜間多 , 大平 喜間多. 松代町史 上巻 復刻版. 臨川書店, 1986-00. (長野県郷土誌叢刊)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059104682-00 (【N212/236/1】p.172) -
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- キーワード
-
- 金井
- 金井城
- 金井山城
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000332246