レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年09月15日
- 登録日時
- 2023/09/26 10:56
- 更新日時
- 2023/10/08 21:28
- 管理番号
- 県立長野-23-096
- 質問
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解決
大正12年10月22日付け「東京時事新報」の関東大震災犯罪記事を見たが、同様の記事がほかの新聞にも取り上げられていたのか知りたい。
- 回答
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国内主要新聞の記事を日付順にそのまま収録した『新聞集成大正編年史 大正12年度版 下 関東大震災期』明治大正昭和新聞研究会1985【210.69/シン/12】の9月及び10月を確認したところ、次の記事が見つかった。
・『大阪毎日新聞』大正12年10月21日「大震災の混亂中に兇暴を働いた朝鮮人の顛末」
当館契約の「毎索」でこの記事を確認したところ、朝刊7面にあった。
この記事中に「廿日當局が発表したその大要に左の如くである」とあり、東京時事新報と同様の事件が書かれている。
『現代史資料6 関東大震災と朝鮮人』みすず書房1978【210.7/41/6】p.xxix-xxxivに、本文の資料解説として「十九 政府による事件調査」があり、この中で、10月20日に政府が朝鮮人問題に関する記事差止を解除と同時に司法省より朝鮮人の犯罪行為を発表したことに触れており、p.420-425に発表された内容が「東京地方裁判所管内に於ける鮮人※の犯罪」として表で掲載されてる。
当館契約の「信濃毎日新聞データベース」で、記事差止解除後の紙面を確認したところ、次の記事があった。
・「震災に際し不逞鮮人※の犯罪 群を爲して襲撃略奪 検擧百餘名に及ぶ」大正12年10月21日 朝刊3面
・「鮮人※の犯罪逐次發表 公平無私を期する爲め司法省から」大正12年10月22日 朝刊3面
<※の箇所については、当時の紙面表記のまま>
関東大震災での流言にかかわる新聞報道の状況について、比較的わかりやすくまとめられていた『関東大震災「虐殺否定」の真相』渡辺延志著 筑摩書房 2021【210.69/ワノ】も紹介した。
- 回答プロセス
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1 質問者がSNSで該当記事を見たとのことで、その出典が神戸大学附属図書館デジタルアーカイブの「新聞記事文庫」であることを確認。実際にその記事を検索し内容を見る。<最終確認:2023/09/26>
2 『新聞集成大正編年史 大正12年度版 下 関東大震災期』で、10月22日前後1週間程度の期間を見て回答記事を見つける。
3 上記記事から、政府発表の内容であると思われたため、自館蔵書検索でキーワード「震災」「朝鮮人」で調べ、『現代史資料6 関東大震災と朝鮮人』に資料がまとめられていることを確認。震災時の対応に軍隊も全国的に動員され、その中で各種事件にも直接かかわり氏名が出ている者もいた。軍人関係は国立国会図書館リサーチ・ナビ「事関係の名簿の調べ方」が参考になる。
4 郷土新聞である「信濃毎日新聞」データベースで記事差止解除後の日にちの紙面を見る。
5 自館の書架で、関東大震災発災からの新聞報道について項目があった資料を見つける。
- 事前調査事項
- NDC
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- ジャーナリズム.新聞 (070)
- 日本史 (210)
- 参考資料
- キーワード
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- 関東大震災
- 流言
- 報道
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館 高校生
- 登録番号
- 1000339011