レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/10/12
- 登録日時
- 2008/01/31 02:12
- 更新日時
- 2009/03/25 10:25
- 管理番号
- 埼熊-2007-089
- 質問
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未解決
中国禅宗五祖 弘忍(601-674)の開いた寺の名前について。弘忍にゆかりの無得良悟が開山した黄梅山東禅庵の名前の由来と、弘忍が開いた寺の名前は何から来ているのか、黄梅山東禅寺なのかを知りたい。
- 回答
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中国禅宗関係辞典等を調査したが、弘忍の開山した寺院名で「黄梅山」と「東禅寺」が結びついた記述は見あたらなかった。以下を参考までに紹介する。
◆弘忍開山の寺院名について
『禅学大辞典 上』(大修館書店 1978) 弘忍の開山で五祖山真慧寺(湖北省黄梅県)があり。「真慧寺」の項には湖北省黄梅県憑茂山(一名 東山、五祖山)中にある甲刹とあり。
『中国禅宗史論考』(山喜房佛書林 1999)には「黄梅山貞慧禅院法堂記碑・・・憑茂山は黄梅山ということもあったらしい」との記述あり。
◆東禅寺について
『禅学大辞典 下』(大修館書店 1978)「東禅寺」の項に、「東漸寺・蓮華寺とも呼ばれる。五祖弘忍の開法説法の地であり、・・・所在地は黄梅県」と記述あり。
- 回答プロセス
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中国禅宗関係辞典等を調査。弘忍の開山した寺院名で「黄梅山」と「東禅寺」が結びついた記述は見あたらなかった。
その他記述はあったが寺院名と結びつかなかった資料は以下の通り。
『大漢和辞典 12 縮写版』(大修館書店 1980)『禅の歴史』(法蔵館 2001)『中国禅宗史 禅思想の誕生』(山喜房仏書林 1997)『禅思想史研究 2』(岩波書店 1951)『総合仏教大辞典 上』(法蔵館 1987)『東洋仏教人名辞典』(新人物往来社 1989)『中国仏教史』(岩波書店 1978)『国禅僧列伝』(淡交社 2003)『中国の寺院』(東北大学附属図書館 1966)『宗編年史 〔正〕』『禅宗編年史 続』(東方界 1976)『禅僧の生涯』(春秋社 1997)『道元と中国禅思想』(法蔵館 2000)
追記:備考欄コメントにしたがい、『中国仏教史辞典』の県立所蔵を確認する(2009/03/25確認)。
- 事前調査事項
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質問時に提供済み
『禅の語録 2初期の禅史 1』(筑摩書房 1981)の「弘忍」についての記述。「礼葬憑茂山」という一説が見られるが寺院名はなし。「釈弘忍 黄梅山」とあり出身が黄梅県であることはわかるが、寺院名はなし。
『景徳伝燈録 上』春秋社 1970(巻末索引あり)「五祖弘忍」の項あり。
- NDC
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- 各宗 (188 9版)
- 寺院.僧職 (185 9版)
- 中国 (222 9版)
- 参考資料
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- 『禅学大辞典 上・下』(大修館書店 1978)
- 『中国禅宗史論考』(山喜房佛書林 1999)
- キーワード
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- 寺院
- 仏教-禅宗-歴史-中国
- 弘忍(コウニン グニン)-僧侶
- 黄梅県-湖北省-中国
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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近畿大学中央図書館よりコメントをいただく(2009/03/20)。以下、資料情報の本文。
下記の辞典に次の情報がありました。
中国仏教史辞典 / 鎌田茂雄編 東京堂出版 , 1981
p.105
「弘忍 こうにん」
「禅宗の五祖。諡号は大満禅師という。」
「黄梅県の人。」
「黄梅県の双峰山の西山(四祖山)より東山(憑茂山・五祖山)に弘忍が移り、大いに禅風を広め」
「黄梅山東禅寺に大満禅師の塔が現存する。」
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000041459