レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年11月26日
- 登録日時
- 2010/12/17 11:22
- 更新日時
- 2023/07/28 15:52
- 管理番号
- 岩手-0048
- 質問
-
解決
浅田次郎の著作『壬生義士伝(みぶぎしでん)』の主人公である
吉村貫一郎は実在の人物か。
- 回答
-
史実として、新選組関連の資料に「吉村貫一郎」という名前があり、
実在した人物である。
ただし、元盛岡藩士「嘉村権太郎(かむらごんたろう)」と同一人物との説あり。
浅田次郎は、「『壬生義士伝』の新しさ」という対談の中で、
『壬生義士伝』を書く以前に読んだ子母沢寛の著作『新選組始末記』
について次のように語っている。
“吉村貫一郎なる人物は、他の新選組の名簿にも記載してありますから、
あの年に入って、どっかでいなくなった人間として、たしかに
実存します。南部脱藩ということになってますけれども、
それはあてになりませんからね。もしかしたら全然違うかもしれないし、
それは分かりませんが、そのモデルがいるということは確かですね。”
参考資料1 『新選組始末記』(『子母沢寛全集 1』に所収。)
p.257~260 「隊士絶命銘々録」中、吉村貫一郎について記載あり。
参考資料2 『新選組人物誌』
p.154~161 『壬生義士伝』の新しさ(佐藤雅美 浅田次郎)
備考:初出『本の話』6(5) (通号 60) 文芸春秋 [2000.05] p.6~16
「吉村貫一郎」及び「嘉村権太郎」の出自について記述が
確認できる主な資料は以下の通り。
参考資料3 『新選組大人名事典 下』
p.271~274 「吉村貫一郎」(古賀茂作/著)
参考資料4 『幕末維新人名事典』
p.1056 「吉村貫一郎」(菊地明/著)
参考資料5 『新選組大事典』
p.262 「吉村貫一郎」(菊地明/著)
参考資料6 『歴史読本』第47巻 第2号 通巻747号
p.124~129 「史実のなかの吉村貫一郎」(古賀茂作/著)
参考資料7 『新選組銘々伝 第4巻』
p.268~287 「吉村貫一郎」(古賀茂作/著)
参考資料8 『新選組100話』
p.223 「吉村貫一郎」
参考資料9 『角川日本姓氏歴史人物大辞典 3 岩手県姓氏歴史人物大辞典』
p.610 「嘉村」
参考資料10 『家老席日誌覚書 慶応編』
p.157 慶応元年2月28日 嘉村良右衛門弟権太郎について記載あり。
- 回答プロセス
-
1 キーワード「吉村貫一郎」で蔵書検索のほか、
新選組関連資料をブラウジング。
2 国立国会図書館のNDL-OPACで、キーワード
「壬生義士伝」、「吉村貫一郎」、で検索。
ヒットした中から当館所蔵資料を確認。
3 盛岡藩士関係の資料に「吉村貫一郎」は見つからず。
「嘉村権太郎」は記載あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 小説.物語 (913 9版)
- 参考資料
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- 1 『新選組始末記』(『子母沢寛全集 1』に所収。) 子母沢 寛/著 中央公論社 1962年
- 2 『新選組人物誌』 河出書房新社 2003年
- 3 『新選組大人名事典 下』 新人物往来社 2001年
- 4 『幕末維新人名事典』 宮崎 十三八・安岡 昭男/編 新人物往来社 1994年
- 5 『新選組大事典』 新人物往来社 1999年
- 6 『歴史読本』第47巻 第2号 通巻747号 新人物往来社 2002年2月
- 7 『新選組銘々伝 第4巻』 新人物往来社 2003年
- 8 『新選組100話』 鈴木 亨/著 立風書房 1981年
- 9 『角川日本姓氏歴史人物大辞典 3 岩手県姓氏歴史人物大辞典』 角川書店 1998年
- 10 『家老席日誌覚書 慶応編』 岩手県立博物館/監修 東洋書院 2000年
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国立国会図書館 NDL-OPAC http://opac.ndl.go.jp/
(最終アクセス2010年12月19日)
- キーワード
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- 新選組
- 盛岡藩
- 壬生義士伝(みぶぎしでん)
- 吉村貫一郎
- 嘉村権太郎(かむらごんたろう)
- 浅田次郎
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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岩手県立図書館 レファレンス事例検索
「『壬生義士伝』の主人公・吉村貫一郎は、実在の人物か」検索キーワード:壬生義士伝
https://www.library.pref.iwate.jp/iwsystem/refdb.html
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000075472