レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20221023
- 登録日時
- 2023/01/14 00:30
- 更新日時
- 2023/01/16 16:39
- 管理番号
- 0000202338
- 質問
-
解決
明治時代から現代にかけて、佐賀の化け猫騒動をモチーフにした興行(劇・歌舞伎・映画等)が行われた記録を探している。特に大正期の情報が少ない。
- 回答
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次の資料に記載がありました。
(1)『劇化されたる御家騒動の真相』 国史講習会 1923
p.163 ~此の脚本の外に、鍋島の猫を扱ったものでは、三代阿竹新七の作で、明治十三年十月書卸し
市村座に上場された嵯峨奥妖猫奇談といふのがあつて、龍造寺又七郎の事や小森半左衛門の忠
節を仕組んだものである。
(2)『歌舞伎細見』 飯塚 友一郎/著 第一書房 1933
p.583-587 鍋島の猫騒動 p.586 嵯峨奥妖猫奇談 明治になって更に脚色しなほして明治十三年
十月市村座上演~
(3)『演劇百科大事典 第4巻』 早稲田大学演劇博物館/編 監修:河竹繁俊 平凡社 1961
p.372 猫騒動物 ~別に三世河竹新七は桃川如燕の講談「鍋島の猫」を脚色し、明治一三年(188
0)一〇月市村座上演「嵯峨奥妖猫奇談」が成った。
(4)『演劇外題要覧』 日本放送協会/編 日本放送出版協会 1971
p.67 朧影嵯峨猫 明治三十三年浅草座
(5)『日本化け物史講座』 原田 実/著 楽工社 2008
p.200-201 ~また、狸映画の一方、猫映画というジャンルもあります。そのはしりとして、1916年
(大正五)の『佐賀の化猫』とか、1919年(大正八)の『鍋島猫騒動』という作品がある
ようですが、フィルムは現存していません。題名からわかる通り、どちらも佐賀の化け猫
の伝統を背景にした作品のようです。昭和初期には、佐賀猫騒動・有馬猫騒動に材をとっ
た映画が続々公開されていますし、戦後も新東宝や大映で、怪談映画としての猫ものが続
々作られました。その代表作と言えるのが、1953年(昭和二八)の大映映画『怪談佐賀屋
敷』です。~(略)~残念なことに、七〇年代に入ると、狸映画、猫映画の流れは途絶えて
しまいました。
(6)『銀幕の百怪』 泉 速之/著 青土社 2000
・巻末の作品名索引より <怪談>鍋島の猫(昭和31年再公開) p.163,271,276
怪談佐賀屋敷(昭和28年) p.65,99,151,273
怪猫佐賀の夜櫻(昭和11年) p.107,113,246
<怪猫>呪いの沼(昭和43年) p.41,50,181,297
怪猫夜泣き沼(昭和32年) p.152,176,277
佐賀の化猫(大正5年) p.80,214
嵯峨の夜桜(明治43年) p.107,210
佐賀之夜桜(大正10年) p.220
佐賀夜桜(公開年不詳) p.79
鍋島怪猫(大正6年) p.79,215
鍋島怪猫傳(昭和4年) p.87,106,107,239
鍋島怪猫傳(昭和24年) p.156,271,276
鍋島猫騒動(大正8年) p.217
鍋島猫騒動(大正10年日活) p.219
鍋島猫騒動(大正10年松竹) p.86,219
鍋島の猫(大正元年) p.210
鍋島の猫(大正11年) p.107,220
鍋島の猫(大正12年) p.86,221
<秘録>怪猫伝(昭和44年) p.176,193-196,299
亡霊怪猫屋敷(昭和33年) p.36-41,45,116,156,158,163,181-182,
192,281-282,284
(※ページの内容は、p.12-206:本文、p.208-225:明治大正期作品題名一覧、
p.226-268:大正末・昭和前期作品録、p.270-303:昭和後期作品録)
・巻末p.32-37 「明治時代に上演された怪談芝居一覧」
13年10/市村座 嵯峨奥妖猫奇談 他多数記載あり
(7)日本芸能・演劇 総合上演年表データベース【https://www.dh-jac.net/db/nenpyo/search.php】
演目に「怪猫」「佐賀 猫」「嵯峨 猫」「鍋島 猫」「佐賀 夜桜」等を入力して検索。上演日や劇
場名等の記載あり。【2022.11.25確認】
(8)日本映画情報システム【https://www.japanese-cinema-db.jp/】
キーワード検索で「怪猫」「佐賀」「嵯峨」「鍋島」「夜桜」「猫騒動」等を入力して検索。公開年月
日や制作会社等の記載あり。【2022.11.25確認】
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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・嘉永6(1853)年に最初に上演された。
・映画「怪猫佐賀の夜桜」が昭和11(1936)年に公開された。
・『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』野島 寿三郎/編 日外アソシエーツ 1990
・『歌舞伎年表 第7巻』 伊原 敏郎/著 河竹 繁俊/編集 吉田 暎二/校訂 岩波書店 1973
・『江戸歌舞伎の怪談と化け物』 横山 泰子/著 講談社 2008
・『猫の浮世絵 明治の猫じまんの巻』 坂本葵/著 アドレナライズ 2018
・『新選御家騒動 下』 福田 千鶴/編 新人物往来社 2007
・早稲田大学演劇博物館演劇総合情報データベース https://www.waseda.jp/enpaku/db/
- NDC
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- 九州地方 (219)
- 演劇 (770)
- 参考資料
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(1)『劇化されたる御家騒動の真相』 国史講習会 1923
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I070737804-00 -
(2)『歌舞伎細見』 飯塚 友一郎/著 第一書房 1933
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001669556-00 -
(3)『演劇百科大事典 第4巻』 早稲田大学演劇博物館/編 監修:河竹繁俊 平凡社 1961
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000789755-00 -
(4)『演劇外題要覧』 日本放送協会/編 日本放送出版協会 1971
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001277557-00 -
(5)『日本化け物史講座』 原田 実/著 楽工社 2008
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009299385-00 , ISBN 9784903063171 -
(6)『銀幕の百怪』 泉 速之/著 青土社 2000
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002961664-00 , ISBN 4791758099
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(1)『劇化されたる御家騒動の真相』 国史講習会 1923
- キーワード
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- 化猫
- 佐賀
- 演劇
- 歌舞伎
- 映画
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000327333