レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年09月29日
- 登録日時
- 2023/09/29 11:00
- 更新日時
- 2023/12/06 14:52
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-168
- 質問
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解決
京都の西三条にあったという京都改暦所について知りたい。
- 回答
-
京都改暦所は、寛政8年(1796)、幕府によって設置された天文測量の施設です。
幕府は西洋天文学にもとづいた暦に改暦するため、京都・西三条(現在の中京区西ノ月光町)を天文測量用地とし、京都改暦所(京都西三條改暦所・西三条台改暦所・三条臺改暦所)を新設しました。【資料1~3、ウェブサイト1】
この新しい天文台で、幕府の命を受けた高橋至時(たかはしよしとき)は、改暦事業に必要な天文測量等を行い、寛政10年(1798)日本初の西洋天文学による暦、寛政暦が施行されました。改暦事業が終了すると、京都改暦所はその役割を終え、観測道具はすべて江戸にあった浅草天文台へ移されました。【資料1、4】
江戸時代に伊能忠敬が作成した日本地図『伊能図』には、京都改暦所跡を通過する経線が子午線として示されています。【資料1、5~7、ウェブサイト1、2】
大図には“三条臺”、中図には“三条臺改暦所”と記されています。【資料6、7】
- 回答プロセス
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●京都市図書館所蔵の資料をキーワード“西三条”、“改暦所”で検索・・・ヒットなし
●オンラインデータベース“ジャパンナレッジLib”で“改暦所”で全文検索・・・ヒットなし
●当館所蔵の郷土の地誌や『国史大事典』索引巻等あたるが、見出せず。
●国立国会図書館サーチでキーワード“西三条 改暦所”で検索・・・【資料1】
京都西三条台改暦所について記載あり。
●【資料1】より、【資料2、5】を確認。
●当館所蔵の郷土の地誌を再度確認・・・【資料3】
●京都市図書館所蔵の資料をキーワード“天文学 暦”で検索・・・【資料4】
●インターネットGoogleでキーワード“西三条 改暦所”で検索・・・【ウェブサイト1、2】
●京都市図書館所蔵の資料をキーワード“伊能忠敬 地図”で検索・・・【資料6、7】
- 事前調査事項
- NDC
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- 天文学.宇宙科学 (440 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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【資料1】『天界 = The heavens 65(1)(704)』(東亜天文学会 1984)p17~20“日本天文学史スクラップ-6-(京都西三條台改暦所)”
国立国会図書館デジタルコレクション(送信サービスで閲覧可能)
info:ndljp/pid/3220367 9~11コマ(最終確認日:2023年11月24日) - 【資料2】『日本歴史地名大系 27』(平凡社 2001)p821~822“二条御城廻”
- 【資料3】『史料京都の歴史 9』(京都市/編 平凡社 1985)p478~479“聚楽廻り・二条城廻り・三条台村”、p491~492“天文測量所跡地と建物を下賜され、三条台の集落形成を計画。”
- 【資料4】『江戸の天文学』(中村 士/監修 角川学芸出版 2012)p106~108“西洋天文学による最初の改暦”
- 【資料5】『伊能忠敬』(大谷 亮吉/編著、長岡 半太郎/監修 岩波書店 1917)p480“(乙)日本與地全圖”、p568“綜合圖の精度”
- 【資料6】『伊能図大全 第3巻』(伊能 忠敬/著 渡辺 一郎/監修 河出書房新社 2013)p91“第133号 京都(3)”
- 【資料7】『伊能図大全 第5巻』(伊能 忠敬/著 渡辺 一郎/監修 河出書房新社 2013)p176“第5図 奈良”
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【参考ウェブサイト1】
『京都に子午線があった時代』(京の記憶アーカイブ)
http://www.archives.kyoto.jp/?p=2437
(最終確認日:2023年11月24日) -
【参考ウェブサイト2】
『暦wiki 日本の本初子午線』(国立天文台)
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/BBFEB9EF2FC6FCCBDCA4CECBDCBDE9BBD2B8E1C0FE.html
(最終確認日:2023年11月24日)
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【資料1】『天界 = The heavens 65(1)(704)』(東亜天文学会 1984)p17~20“日本天文学史スクラップ-6-(京都西三條台改暦所)”
- キーワード
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- 京都改暦所
- 西三条
- 三条台
- 天文台
- 改暦
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000339084