レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年10月30日
- 登録日時
- 2023/11/12 17:16
- 更新日時
- 2024/01/21 11:14
- 管理番号
- 2023-10.8
- 質問
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天神様と鶏にはなにかいわれがあるのか。
- 回答
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『菅原道真事典』【道明寺天満宮】の項では、「鳴けばこそ別れも憂けれ鶏の音のなからん里の暁もがな」と筑紫に赴く道真の遺詠があり、これ以後ゆかりの地である道明寺の里の人たちの間では鶏を飼わないと伝えられていることが紹介されている。
『太宰府系天神縁起の世界』では、「道明尼律寺記」の紹介の中で、土師ノ里の「道明寺鶏鳴説話とされる伝説で、収斂された和歌「鳴けばこそ別れを急げ鶏の音の聞こえぬ里の暁もがな」として紹介されている。これが「菅原伝授手習鑑」として浄瑠璃に取り上げられたとされている。また、『北野天神縁起を読む』では、同著者がより詳細に、「本来の北野縁起にない道真生前説話の代表的なものとなっている」と説話の位置づけに言及している。
『学問の神さま』では、歌舞伎「菅原伝授手習鑑」の二段目河内道明寺の場について紹介されている箇所があり、伯母である覚寿尼との別れのシーンで「官公の出発を早めた鶏」とされていて、この地では鶏は飼わないという伝説が生まれたとして触れられている。
台本である『菅原伝授手習鑑』では、その場面が記され、下段に註釈として「鶏が啼けば別れを急がねばならない、いっそ鶏の啼かない里の暁がのぞましい」と歌の解説がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 神社.神職 (175)
- 日本画 (721)
- 戯曲 (912)
- 参考資料
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神社と神道研究会 編 , 神社と神道研究会. 菅原道真事典. 勉誠出版, 2004.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007614878-00 , ISBN 4585060448 (173-174) -
味酒安則編集執筆 ; 鈴木幸人編集執筆 ; 松川博一[ほか]編集執筆 , 味酒/安則 , 鈴木/幸人 , 松川/博一. 太宰府系天神縁起の世界. 太宰府顕彰会, 2012.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I054269308-00 (24-27) -
竹居明男 編 , 竹居, 明男, 1950-. 北野天神縁起を読む. 吉川弘文館, 2008. (歴史と古典)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009683811-00 , ISBN 9784642071543 (219-220) -
学問の神さま : わかりやすい天神信仰. かまくら出版, 1994.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002383044-00 , ISBN 4795289603 (33) -
竹田出雲 [ほか作] , 林京平 編著 , 竹田, 出雲 1世, -1747 , 林, 京平, 1925-. 菅原伝授手習鑑. 白水社, 1989. (歌舞伎オン・ステージ ; 16)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001987665-00 , ISBN 4560032866 (127)
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神社と神道研究会 編 , 神社と神道研究会. 菅原道真事典. 勉誠出版, 2004.
- キーワード
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- 菅原 道真
- 天神さま
- 鶏
- 道明寺
- 鶏鳴説話
- 菅原伝授手習鑑
- 道明尼律寺記
- 東天紅
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000340963