レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006/08/05
- 登録日時
- 2007/02/03 02:10
- 更新日時
- 2008/05/30 18:35
- 管理番号
- 埼熊-2006-070
- 質問
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解決
万葉学者仙覚(鎌倉時代の学僧 1203-1272か)が、悉曇学に関することで影響を受けたと思われる安然に続く、以下〈台密12名の僧〉の経歴などを調べてほしい。『望月仏教大辞典 増訂板 2』〈悉曇〉の項にあがっていたが、万葉集の新点(新しい訓)を施した1246年ごろまでにどのような影響があったのかを知りたい。12名は〈尊意、平燈(灯)、静真、皇慶、長宴、朝範、覚範、院昭、豪覚、恵淵、恵尋、快雅〉。
- 回答
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経歴等は下記資料を紹介したが、仙覚や悉曇学関連に言及した記述はなかった。
詳細は『日本仏教人物辞典』(法蔵館)『国史大辞典』他『日本人名大事典 2』『国書人名辞典 1~4』(岩波書店)『天台宗史概説』(大蔵出版)p153、p167の「台密分流図」『僧伝史料 2』(新典社)『日本天台史 正・続』(巻末人名索引)(国書刊行会)や、『大日本仏教全書 102・103 本朝高僧伝1・2』(巻末に索引あり)等の記述や各資料の参考文献・著作を参照した。
- 回答プロセス
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〈仙覚〉と〈悉曇学〉について確認する。
『仏教文化事典』『日本大百科全書』より、〈悉曇〉は日本に伝来した梵語(サンスクリット)を表記する文字、その字音・字義すべてをいう。空海が真言宗の悉曇、円仁が天台宗の悉曇の祖となり、集大成したのが安然、その後真言・天台の各宗派においてその学は継承され、院政時代の天台の学僧明覚によってさらに研究が進んだという。
『国史大辞典』より、〈仙覚〉は鎌倉時代の万葉学者。1246年「万葉集」校勘の命を受けて新しい訓(よみ)を付け、1253年新点歌152首に奉覧状を添え後嵯峨上皇に献上した。
『仙覚全集 (万葉集叢書 8)』p8に「仙覚は悉曇に通じて音韻に委しかったので、梵語の知識を万葉の古語の解釈に応用した」とあり、『仙覚年表』p11には「仙覚の学んだ悉曇は慈覚大師円仁の伝えたものと思われる。」との記述があり。
以上から台密(天台密教)12名の僧について仏教関係の辞典を中心に探索する。主な僧の経歴はあったが、仙覚や悉曇学関連の記述はなかった。
次に天台宗関係の資料を探したところ、数名の僧に関する記述は見つかったが、仙覚や悉曇学に関する内容ではなかった。
その他調査済み資料
『日本仏家人名辞典』(東京美術)『岩波仏教辞典』『仏教大辞典』(冨山房)『日本仏教史辞典』(吉川弘文館)
- 事前調査事項
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調査済資料:『望月仏教大辞典 増訂板 2』 (世界聖典刊行協会)、
『仙覚全集』(古今書院)、『仙覚年表』、竹田鉄仙「万葉学者仙覚の悉曇学について(再稿)」(「愛知学院大学論叢 一般教育研究 1号(1958)」(国会図蔵)
- NDC
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- 各宗 (188 9版)
- その他の東洋の諸言語 (829 9版)
- 個人伝記 (289 9版)
- 参考資料
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- 『仏教文化事典』
- 『日本大百科全書』
- 『日本仏教人名辞典』(法蔵館)
- 『国史大辞典』
- 『国書人名辞典』
- 『日本人名大事典』
- 『大日本仏教全書 102・103 (本朝高僧伝 1・2)』
- 『密教大辞典』(法蔵館 1979)
- 『僧伝史料 2』(佐藤亮雄 新典社 1990)
- 『天台宗史概説』(硲慈弘 大蔵出版 1969)
- 『日本天台史 正・続』(上杉文秀 国書刊行会 1977)
- キーワード
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- 天台宗-仏教
- 悉曇学
- 仙覚(センガク)
- 僧侶
- 梵語-サンスクリット文字
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000033079