レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/02/01
- 登録日時
- 2023/03/02 00:30
- 更新日時
- 2023/03/16 16:03
- 管理番号
- 13938020
- 質問
-
未解決
Newsweek pacificの発行目的、内容、発行部数、頒布対象などについて知りたい。
1945年10月~1946年頃のものは実物を見たことがある。
英文で書かれており、印刷は東京で行われていたようだ。
- 回答
-
『Newsweek pacific』の発行目的、内容、発行部数、頒布対象について、明確に当該資料のことと判断できるまとまった情報は見当たりませんでした。
以下に、太平洋版とされているものも含めて判明した断片的な情報をご紹介します(太平洋版とNewsweek pacific(edition)の正確な関係は不明です)。
資料1は当館所蔵の“Newsweek Pacific Ed”のプリント版最終号です。
資料2には、東京で印刷された終戦直後の「ニューズウィーク太平洋版創刊号」についての記載がありました。
資料3~8は、各種媒体に掲載されたニューズウィーク太平洋版の宣伝広告であり、頒布対象(読者層)等についての言及があります。
資料9~10には部数等への言及があります。
【 】内は国立国会図書館請求記号です。書誌事項末尾に◎を付した資料は国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館内/図書館・個人送信)資料です。
資料1:“Newsweek Pacific Ed” 160(27):2012.12.31【Z55-A184】
* pp16-23‘The First Rough Draft of History’:Newsweek誌の年表があり、「1945 Continental and Pacific editions are printed overseas」とあります(頁付けなし。p.18に相当)。
* 表紙に「太平洋版配布」とあります。また、p.3に「Newsweek International is written and edited for a worldwide audience(中略)by The Newsweek/Daily Beast Company LLC(ISSN 0163-7061)」とあります。
資料2:青木冨貴子 著『昭和天皇とワシントンを結んだ男 : 「パケナム日記」が語る日本占領』新潮社, 2011.5【A99-ZU-J69】
* p.31:「連合国軍が占領を開始した直後の一九四五年九月二四日号から日本でも発売されるようになった、記念すべきニューズウィーク太平洋版創刊号の表紙にはこうある。「連合国軍のためにTOKYOで印刷、一五セント」ニューズウィーク本社資料室には太平洋版が創刊号からきちんと保管されていた(後略)」とあります。なお、著者は「ニューズウィーク日本版」ニューヨーク支局長を務めた経歴を持っているようです(奥付より)。
資料3:万年社 編『広告年鑑 1958年』万年社, 1958【674.9-Ko5442-M】◎
* p.96「ニューズウィーク太平洋版読者層調査1957」:「74.6%は商工業関係者、66.0%はマネージメント、太平洋版は本人以外に平均5.2人に読まれている」とあります。また、ほかに米国版と欧州版が発行されている旨の記載があります。
資料4:『海外市場 10(103)』日本貿易振興会, 1960.5【Z3-155】◎
* 頁付けなし。p.116の次頁:「例えばニューズウィーク太平洋版の平均家族収入は5,393ドル(200万円強)」とあります(読者が富裕であるとの文脈での言及です)。
資料5:『宣伝会議 : marketing & creativity 9(5)(98)』宣伝会議, 1962.5【Z4-128】
* 頁付けなし。p.60の次頁「私はなぜニューズウィークを選んだか(4)」:「ニューズウィーク太平洋版の読者は高い教養を持ち、社会的に最も活躍する年令層です。■21~30才 31.9%■31~50才 49.9%■男性読者 93.8%■大学卒 76.0%」とあります。
資料6:『宣伝会議 : marketing & creativity 9(7)(100)』宣伝会議, 1962.7【Z4-128】
* 頁付けなし。p.94の次頁「私はなぜニューズウィークを選んだか(6)」:「ニューズウィーク太平洋版は各国の指導層に愛読されています ■高い社会的地位 管理部門責任者 二二・七% 現業部門責任者 四三・三% 小計六六・〇%■実業人を把握 工業 二七・九% 商業 四六・七% 小計 七四・六%」とあります。
資料7:『宣伝会議 : marketing & creativity 11(3)(119)』宣伝会議, 1964.3【Z4-128】
* 裏表紙:「ニューズウィーク太平洋版読者の実に六三・〇パーセント、すなわち十人中の六人以上が、経営陣に連なる人々です。しかも、その中約四人までが、社長、副社長、重役などの要職について、会社の経営をリードする人々です」とあります。
資料8:『宣伝会議 : marketing & creativity 11(8)(124)』宣伝会議, 1964.8【Z4-128】
* 裏表紙:「ニューズウィーク太平洋版は、実に41万2千500人もの人々に愛読されています」とあります。
(参考)‘Advertising: Newsweek at Global Milestone: International Issue Marks Its 20-Year Trip to Success’(“New York Times” 11 Apr 1965: F14(Proquest Central(当館契約データベース)にて確認)
* ‘Today Newsweek International has a circulation of 200,000 ―about (中略)70,000 for its Pacific edition(Japan and the Far East).(中略)Newsweek Pacific is printed in Tokyo’とあります。
資料9(一部資料3と同一):万年社 編『広告年鑑 1952-1968年、昭和44年版』万年社, 1952-1968【674.9-Ko5442-M】◎
* 「雑誌総覧」等の項目があり、Newsweek太平洋版(あるいはPacific)の部数等の言及があることがあります。
* 1955年の部数は35(千)部、1956年は23(千)部であり、その後おおむね増加しつつ1967年の部数は80,000部となっています。各年の詳細は、利用者ご自身でご確認ください。
資料10:“N.W. Ayer & Son's directory of newspapers and periodicals”
N. W. Ayer, 1930-1969【071-N111】
* 当館で所蔵するうち、以下の巻を確認しました(網羅的な調査は行えないため、7-8年ごとのランダムなピックアップにより確認しました。当館ではこのほかに1937、1954、1955、1958、1961、1963を所蔵しています)。
* 1948「Newsweek-Pacific」(p.686):部数の掲載はありません。「Prints editions for:Honolulu,Manila,Tokyo and Sydney」との記載があります。
* 1953「Newsweek-Pacific(offset)」(p.698):部数(circ)は「‡38,038」とあります。「Prints editions for Manila and Tokyo」との記載があります(p.ⅸ「Sworn and Publishers’ Statements; Estimated Circulation Figures」の項に「Secondly those unsupported by affidavit are preceded by double dagger(‡)and are called publishers’ statements」とあります(下の巻にも同様の記載があります)。
* 1960「Newsweek-Pacific(offset)」(p.730):部数(circ)は「‡32,000」とあります。
[そのほかの主な調査済み資料およびウェブサイト]
『Newsweek = ニューズウィーク 1(1)(1);1986・1・30 日本版』CCCメディアハウス, 1986.1【Z1-387】
* p.94「創刊のご挨拶」
与良素通/三田遥「汎媒体」(『電通広告年鑑』08-09 pp.480-499【Z41-2408】)
* pp.481-482「主要国際誌(雑誌)」>「Newsweek」:アメリカ版、アジア版等の各種の版を含めた「Newsweek」の概要について解説されていますが、「太平洋版(Pacific版)」についての言及はありませんでした。なお、アメリカ版と国際版は別々に編集され、内容も多くの部分が異なっている旨の記載があります。
三輪瑠璃 著『英米の雑誌 (時事英語シリーズ)』研究社出版, 1965【050.253-M581e】◎
* p.138「アメリカ篇」>「VI. 現代アメリカの「雑誌の横顔」」>「3. その他の雑誌」>「ニュース雑誌」:Newsweekには「欧州版と太平洋版の二つの国際版がある」とあります。
“Ulrich's international periodicals directory”【Z65-A143】
* 当館で所蔵するうち、以下の巻のindexを含む号を確認し、そこからNewsweekの項目の掲載がある号を確認しました(網羅的な調査は行えないため、おおむね10年ごとのランダムなピックアップにより確認しました)。いずれもindexに「Newsweek Pacific」等と立項されているものはありませんでした。ただし、34巻(1996年)の2号「Newsweek」の項(p.3055)に「International edition(Pacific)(ISSN0163-7061)」との記載がありました。
* 「25:1986-1987」「34:1996」:(以下“Ulrich's periodicals directory”と改題)「44:2006」、「50:2012」
Urlichsweb(当館契約データベース)
朝日新聞クロスサーチ(朝日新聞)(当館契約データベース)
ヨミダス歴史館(読売新聞)(当館契約データベース)
毎索(毎日新聞)(当館契約データベース)
ウェブサイトの最終アクセスは2023年1月31日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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〇『占領期メディア分析』pp.504-506に関連記述あり。
『タイム』や『ニューズウィーク』は、日本人読者の購読者が減少したことを受け、日本人読者をつなぎとめるため、1946年から記事タイトルに帯をつけたりしたとある。
『ニューズウィーク』は日本人読者の引きとめ策として、1947年12月から毎週、アメリカン・ニューズ・クラブの機関誌『ニュース・ブレティン』を刊行したとある。
p.506によると、このアメリカン・ニューズ・クラブが行うと唱えていた事業に「米国週刊誌「ニューズウィーク」パシフィック版を毎週配布」というものが含まれている。
しかし、アメリカン・ニューズ・クラブや『ニューズウィーク』パシフィック版の詳細は不明。
その他、以下の資料も確認したが、Newsweek pacificに関連する記述は見当たらなかった。
〇『アメリカ雑誌全カタログ』常盤新平[ほか]共同編集 冬樹社 1980.11
「Newsweek Pacific」なし
〇『データが語るアメリカ雑誌』桑名淳二/著 風濤社 2002.2
p.98に「Newsweek」はあるが「Newsweek Pacific」は記述なし
〇『アメリカの雑誌』金平聖之助/著 日本経済新聞社 1993.9
pp.263-266に「ニューズウィーク」はあるが「Newsweek Pacific」は記述なし
〇『『ニューズウィーク』の世界』オズボーン・エリオット/著 竹林卓/訳 時事通信社 1984.1
国立国会図書館に『Pacific Newsweek』(国立国会図書館請求記号:Z55-A184)として1946/4/1~1949/2/14に発行されたものが冊子体で所蔵されている。
- NDC
-
- 逐次刊行物 (050 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000329562