レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/10/31
- 登録日時
- 2014/06/06 00:30
- 更新日時
- 2014/12/17 16:33
- 管理番号
- 所沢新所-2014-001
- 質問
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解決
菅原道真が11歳の時につくったとされる詩を知りたい
- 回答
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道真が11歳の時に詠んだ詩は、以下のとおりです。
「月夜見梅花」(月の夜に梅花を見る)
月耀如晴雪(月の耀くは晴れたる雪の如し)
梅花似照星(梅花は照れる星に似たり)
可憐金鏡轉(憐れぶべし 金鏡の轉じて)
庭上玉房馨(庭上に玉房の馨れることを)
以下の資料に掲載があります。
〇『日本古典文学大系 72 』 岩波書店 1978年
〇『菅原道真』 成美堂出版 1985年
〇『コレクション日本歌人選 043 』 笠間書院 2012年
- 回答プロセス
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1. 所蔵資料の内容確認
〇『日本古典文学大系 72』 岩波書店 (1978年)→道真の伝記史料「菅家文草」収録。
p.84 「菅原道真年表」の11歳の欄に、「島田忠臣の指導のもとに「月の夜に梅花を見る」詩を作る」と記述あり。
p.105 「菅家文草巻第一 詩一」に、「月夜見梅花」の詩あり。「月の夜に梅花を見る。<時に年十一.厳君田進士(でんしんじ)をして試みしめ、予(われ)始めて詩を言へりき。かるがゆゑに篇の首(はじめ)に載するなり>」とあり、補注に底本「菅家、承和十二年乙丑生、斉衡二年乙亥、年十一」とあり。
詩の内容は以下の通り。
「月夜見梅花」(月の夜に梅花を見る)
月耀如晴雪(月の耀くは晴れたる雪の如し)
梅花似照星(梅花は照れる星に似たり)
可憐金鏡轉(憐れぶべし 金鏡の轉じて)
庭上玉房馨(庭上に玉房の馨れることを)
〇『菅原道真』 成美堂出版 1985年
p.22 「阿古(道真の幼名)は11歳の時に初めて詩を作った」とあり、詩の内容も記載あり。
〇『コレクション日本歌人選 043 』 笠間書院 2012年
p.76~77 11歳の時に初めて五言絶句を作った旨と、内容も記載あり。
△『菅原道真』 吉川弘文館 1990年
p.23 11歳の時に初めて詩を作った旨の記載あり。詩の内容に関する記載はなし。
△『国史大辞典8』 吉川弘文館 1987年
p64 「菅原道真」の項目に、「11歳で詩を賦した」とだけ明記。
△『日本古典文学大辞典 第3巻』 日本古典文学大辞典編集委員会/編 岩波書店 1984年
p539 「菅原道真」の項目に、「11歳、初めて詩を詠む。『菅家文草』の巻頭「月夜見梅花」の五言絶句である。」と記載あり。詩の内容に関する記載はなし。
2. インターネット検索
×「国立国会図書館レファレンス協同データベース」5歳の時に詠んだ和歌に関してはレファレンスデータがあったが、11歳の時のものに関するものはなかった。
△「湯島天満宮公式サイト」御祭神菅原道真公のページには、「5歳の時、庭前の梅花を見て和歌を詠じ、11歳にして「月夜見梅花」の詩を作られました」とある。詩の内容については記載なし。
△「太宰府天満宮」のホームページには、「月夜見梅花」の詩はあるが、「幼少期に作ったとされる漢詩」との記述で、11歳とは明記なし。
3.後日、国立国会図書館レファレンス協同データベース事業サポーターからの情報あり(2014/12/15)
国立国会図書館デジタルコレクションで公開されていた、下記文献にも情報がありました。
〇『菅公御伝記』 菅原恒覧 編 (菅公尊像奉献会, 1933) →著作権保護期間満了
p.4 (http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1033470/12 )
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 日本古典文学大系 72 岩波書店 1978 918
- コレクション日本歌人選 043 和歌文学会/監修 笠間書院 2012.10 911.102 978-4-305-70643-0
- 菅原道真 嶋岡晨/著 成美堂出版 1985.8 913.6 4-415-06556-2
- キーワード
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- 菅原道真
- 月夜見梅花
- 詩
- 菅家文草
- 漢詩
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000154021