レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2024/3/13
- 登録日時
- 2024/03/29 00:35
- 更新日時
- 2024/03/29 00:35
- 提供館
- 金沢市図書館 (2310230)
- 管理番号
- 玉川-001140
- 質問
-
解決
【輪島まだらの発祥や伝達について】 輪島まだらについて、佐賀県の馬渡島が発祥とされている論文があるが、その根拠がしりたい。
- 回答
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<質問者の事前調査事項>
・能登のまだら - 北前船データベース(kitamae-bune-db.com)
https://kitamae-bune-db.com/db/notonomadara/(最終閲覧日:2024-3-13)
・石川県輪島崎における古民謡「まだら」の伝承について
http://hist-geo.jp/img/archive/165_025.pdf(最終閲覧日:2024-3-13)
佐賀県の馬渡島が発祥とされると書かれている。
「能登のまだら」のHPに記載の参考資料を確認するとともに、蔵書検索のキーワード検索にて「輪島まだら」と入力して検索、また国立国会デジタルコレクションにて「輪島まだら 馬渡島」とキーワード検索して調査をすすめた。
輪島まだらについて記載のある資料はいくつか見つかったが、伝承についてはっきりと書かれているものはなかった。
『こども石川県史』(119873376)p.219
「七尾まだら」の説明で、「「まだら」というのは、インドの古いことばの曼荼羅(仏の功徳を絵図に表したものから変わってきたもので、(中略)もう一つの説に、これはもともと船歌で、藩政時代に米や海産物などを、北は北海道の松前から南は九州方面にかけて活躍していた七尾の船乗りたちが、九州方面から輸入してきた歌らしいといわれています。その発祥地は、肥前(佐賀県と長崎県の一部)の名護屋から約二十八キロはなれた天主教で名高い馬渡島で、ここでも現在まだら節というのが舞もついて歌われているということです」
『石川県の文化財』(11824508)p.323
「(前略)九州長崎の馬渡島から発祥したといわれるこの唄は(後略)」
『新・七尾の民謡と童謡』(118321841)p.41
「まだら」は、海上交通によって、その起源は、九州の馬渡島よりの伝来、魚の名、梵語の曼荼羅の転訛、漁村に於ける晴着の意、などの説があるが、さだかでない。
『石川県の民謡』(11910150)p.268
まだらは仏教の曼荼羅が起源であるとするとの説もあり、九州の馬渡(まだら)島から来たものであるとの説もあるがはっきりしていない。
『北陸と海運』(119564441)p.169
「「まだら」の分布とその源流」として考察している。
『石川ふるさと遺産』(109282234)p.147
「九州からの伝来の説」として、佐賀県立図書館長に依頼した文献、現地調査を交えて、通説が記載されている。
『輪島市史』(119563391)
p.719「まだらは遠く肥前の馬渡島から日本海の海運に活躍した船乗りたちが伝えたものといわれている(本書402頁)」
p.402には「まだらの起源」として馬渡島の船歌であるという通説と、仏教用語から来たという説を紹介している。
『石川県史 第5編』(118587414)p.892
「七尾まだら」の項目で、七尾まだらの起源について梵語曼荼羅の轉訛とする説と馬渡島を発祥地とする説について考察している。
「(前略)これは元来船唄で、藩政時代に、(中略)九州方面の寄港地から輸入し来つた歌謡らしい。で、その発生地とおぼしいものは、肥前の名護屋から十五・六海里の洋上である、天主教で名高い馬渡島で、ここでは現在まだら節と称するものが、同名の舞踊に伴つてさかんに謡われてゐる。」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000348221